北野邦雄

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北野 邦雄(きたの くにお、1910年3月15日 - 2000年9月4日)は、日本の教育者、ドイツ語教師、写真・カメラの評論家、出版人。

来歴[編集]

北海道生まれ。東京外国語大学卒業。東京外国語大学、岩手大学、東京写真大学(現在の東京工芸大学)、陸軍軍医学校杏林大学武蔵野音楽大学などでドイツ語の講師を務めた。彼のドイツ語のレベルは、始めてフォトキナを訪れた際、「ドイツ人よりドイツ語がうまい日本人がいる」と評されたほどだったという。

1909年明治42年)[1]から写真関係の雑誌記事、書籍などの執筆を始め、戦前、戦後を通して代表的筆者であった。また、光画荘(現在の写真工業出版社)の初代社長を務め、同社の代表的月刊誌であった「光画月刊」(後の「月刊カメラ」)の主幹も務めた。(それ以前はアルスの出版物に執筆することが多かった)また、コパルヤシカ(現京セラ)の常務などを歴任。ペンタックスギャラリーの初代館長も務めた。

また、フランケ・ウント・ハイデッケ社(現在のローライ)からヤシカに対して、ヤシカ4×4がローライ4×4に酷似しているとクレームが付いた際、二社のあいだで交渉をまとめ、ヤシカ側のデザイン変更という方法で解決させた。

主な著書[編集]

  • 「ローライ写真術」アルス 1935年
  • 「作画の実際 ローライ・アルバム」アルス 1938年
  • 「デュトーと軟焦点写真」アルス 1939年
  • 「写真画の構成」光画荘 1941年
  • 「ハルビン点描」光画荘 1941年
  • 「マミヤシックスの書」光画荘 1942年
  • 「百万人の写真術」光画社 1943年
  • 「国産ローライの研究」光画荘 1943年
  • 「カメラとドイツ」光画荘 1951年
  • 「微粒子タンク現像」光画荘 1953年
  • 「写真の写し方 - 入門百科叢書」大泉書店 1954年
  • 「標準写真処方集」光画荘 1955年
  • 「8ミリ映画の写し方」光画荘 1955年
  • 「8ミリ映画の撮り方」大泉書店 1964年
  • 「トランプあそび」大泉書店 1967年
  • 「カメラコレクション」ペンタックスギャラリー 1968年
  • 「クラシックカメラ」日本クラシックカメラ協会 1974年
  • 「ポケット・カメラの楽しみ方 爆発的人気110のすべて」朝日ソノラマ 1975年
  • 「世界の珍品カメラ」朝日ソノラマ 1975年 ISBN 4-257-08003-5
  • 「日英独 カメラの用語」朝日ソノラマ ISBN 4-257-08017-5
  • 「ローライ物語」朝日ソノラマ 1977年 ISBN 4-257-08031-0
  • 「ライカ ウアライカからR3まで」朝日ソノラマ 1979年 ISBN 4-257-08060-4
  • 「[復刻] カメラの話」朝日ソノラマ 2001年 ISBN 978-4257120285

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 現代カメラ新書(朝日ソノラマ刊)の著者プロフィールによる。