五常大米

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五常大米(ごじょうだいまい、拼音:Wǔcháng Dàmǐ、仮名転写:ウーチャンダーミー)は、中華人民共和国最良質米産地黒竜江省五常市産のイネ(ジャポニカ米)の銘柄名で[1][2]香り米では「五常稲花香」がある[3][4][5]

概要[編集]

五常が産地の米は、朝時代には朝廷への献上米になっていたという説があるが、寒冷地満洲で大規模米作が進んだのは、気候の似た日本の北海道の米種「赤毛」や東北地方の米種がもちこまれて以降のことである。日本の満洲経営時期に満鉄が日本の品種「陸羽123」をベースに作付け奨励策をすすめ、日本の満洲経営時期には作付け面積が5倍に増加した。その後も「下北」「石狩白毛」「早生坊主」「胆振早生」などとの交雑で品種改良が行われて今日に至る。

年間の生産量は、約105万トン。価格は通常の約2倍のため、ブレンドした偽造米が約1,000万トン流通すると言われている[6]。日本産のあきたこまちと五常大米の比較では、精米アミロース含有率(18.0・18.3パーセント)、タンパク質含有率(5.8・6.35パーセント)が低く、長さは(4.2・5.4ミリメートル)であった.完全粒率は高かった(83.4・83.2パーセント)。ブランド米の射陽大米および米大王では精米のアミロース含有率が高く(19.9・19.8パーセント)、タンパク質含有率(8.2・8.0パーセント)、長さが(4.7・4.4ミリメートル)であった。完全粒率は(78.6・69.6パーセント)である[7][8][9][10][11][12][13][14][15][16]。2018年10月9日、中国黒竜江国際米祭が開催[17][18]

脚注[編集]

  1. ^ 朴紅, 青柳斉, 李英花, 郭翔宇, 張錦女「中国東北における高級ブランド米の産地形成と農民専業合作社の機能--黒竜江省五常市を事例として」『農経論叢』第65巻、北海道大学農学部農業経済学教室、2010年、101-115頁、ISSN 03855961NAID 1200020150642020年7月9日閲覧 
  2. ^ 中国 東北三省における農業生産および農業政策”. 農林水産省. 2018年12月28日閲覧。
  3. ^ 国産米、優良品でも遅れるブランド構築 消費者志向高級化、人気は海外産”. 産經新聞社 (2015年4月21日). 2018年12月26日閲覧。
  4. ^ 普通名称の判定方法及び実務上の運用に関する考察”. 特許ニュース (2018年10月3日). 2018年12月26日閲覧。
  5. ^ <動画>日本の「飯炊き仙人」に選ばれた中国版「銀シャリ」4ブランド”. 人民網日本語版 (2016年12月21日). 2018年12月26日閲覧。
  6. ^ 中国の高級米「五常米」、大半がブレンド米”. ZAPZAP!. 2018年12月26日閲覧。
  7. ^ 佐藤登代子, 新田洋司, 塩津文隆, 浅木直美「中国上海市で市販されている精米の理化学的および形態学的特性」『日本作物学会講演会要旨集』第243回日本作物学会講演会、日本作物学会、2017年、112頁、doi:10.14829/jcsproc.243.0_1122020年7月9日閲覧 
  8. ^ 中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。”. 中国事情 (2018年3月24日). 2018年12月23日閲覧。
  9. ^ 「中国で日本米100万tを売ることは簡単だ」=全米工席上・叶芳和氏講演”. 食品産業新聞社ニュースWEB (2015年12月7日). 2018年12月26日閲覧。
  10. ^ 一番おいしい米の産地を中国ネットが議論=「絶対的に中国の東北米がうまい」「日本米とタイ米は見かけ倒し」”. Record China (2015年5月27日). 2018-12-26日閲覧。
  11. ^ 米農家は虐げられているのか?人民日報と新華社の気になるケンカ―中国(水彩画)”. KINBRICKS NOW (2012年1月21日). 2018年12月26日閲覧。
  12. ^ 人気ブランド米「五常香米」、大部分は偽造品 香料で香りつけか=中国”. 大紀元日本 (2010年7月15日). 2018年12月26日閲覧。
  13. ^ 米 - 全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会”. 全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会 (2017年3月). 2018年12月26日閲覧。
  14. ^ 朴紅「中国国有農場におけるジャポニカ米の生産・加工・販売体制--北大荒米業を対象として」『農経論叢』第66巻、北海道大学農学部農業経済学教室、2011年、81-91頁、ISSN 03855961NAID 1200029892462020年7月9日閲覧 
  15. ^ 中国におけるジャポニカ米の生産・流通動向”. 農林水産省. 2018年12月26日閲覧。
  16. ^ 中国北方における稲作と日本の稲作技術”. 東京大学社会科学研究所. 2018年12月26日閲覧。
  17. ^ 「2018・中国第一回国際米祭」が10月にハルビン市内開催”. にいがた経済新聞 (2018年9月26日). 2019年10月14日閲覧。
  18. ^ 日本の「飯炊き仙人」がハルビン「コメ祭り」に参加、「古来の飯炊き法」を実演”. ヤフーニュース (2019年10月11日). 2019年10月14日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]