二原子炭素

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二原子炭素
識別情報
CAS登録番号 12070-15-4
PubChem 139247
ChemSpider 122807
ChEBI CHEBI:30083
Gmelin参照 196
特性
化学式 C2
モル質量 24.02 g mol−1
精密質量 24.000000000000 g mol-1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二原子炭素(にげんしたんそ、: Diatomic carbon)は、炭素二原子分子である。例えば、電弧彗星恒星大気星間物質炭化水素の青い等の炭素蒸気で見られる[1]

化学[編集]

原子価結合法は、炭素がオクテット則を満たす唯一の方法は四重結合の形成であると予測する。しかし、分子軌道法は、σ結合中の2組の電子対(1つは結合性、1つは非結合性)と縮退したπ結合中の2組の電子対が軌道を形成することを示す。これを合わせると結合次数は2となり、2つの炭素原子の間に二重結合を持つC2分子が存在することを意味する。分子軌道ダイアグラムにおいて二原子炭素が、σ結合を形成せず2つのπ結合を持つことは驚くべきことである。

B2、C2、N2結合解離エネルギーは上昇し、それぞれ単結合、二重結合、三重結合となる。

C2は炭素蒸気の構成成分である。ある論文では、炭素蒸気の約28%は二原子炭素であると推定するが[2]、理論的には、この値は温度と圧力に依存する。

彗星[編集]

希薄な彗星の光は、主に二原子炭素からの放射に由来する。可視光スペクトルの中に二原子炭素のいくつかの線が存在し、スワンバンドを形成する[3]

性質[編集]

  • 凝集エネルギー (eV): 6.32
  • 結合長 (Å): 1.24
  • 振動モード (cm-1): 1855

三重項状態では、一重項状態よりも結合長が長くなる。

反応[編集]

二原子炭素は、アセトンアセトアルデヒドと反応し、2つの異なった経路によりアセチレンを生成する[2]

  • 三重項の二原子炭素は、分子間経路を通り、ラジカルとしての性質を示す。この経路の中間体は、エチレンラジカルである[2]
  • 一重項の二原子炭素は、分子内経路を通り、2つの水素原子が1つの分子から奪われる。この経路の中間体は、一重項のビニリデンである[2]
  • 一重項の二原子炭素は、アルケンとも反応する。アセチレンが主な生成物であるが、炭素-水素結合の間にC2が挿入されるように見える。
  • 二原子炭素は、メチレン基よりもメチル基に2.5倍も挿入されやすい[4]

電荷密度[編集]

ダイヤモンドグラファイトのような炭素の結晶では、結合部位の電荷密度に鞍点が生じる。三重項状態の二原子炭素は同じ傾向を持つ。しかし、一重項状態の二原子炭素は、ケイ素ゲルマニウムにより近い振る舞いを見せ、つまり電荷密度は、結合部位で最も高くなる[5]

出典[編集]

  1. ^ Roald Hoffmann (1995). “C2 In All Its Guises”. American Scientist 83: 309–311. Bibcode 1995AmSci..83..309H. 
  2. ^ a b c d Skell, P. S.; Plonka, J. H. (1970). “Chemistry of the Singlet and Triplet C2 Molecules. Mechanism of Acetylene Formation from Reaction with Acetone and Acetaldehyde”. Journal of the American Chemical Society 92 (19): 5620–5624. doi:10.1021/ja00722a014. 
  3. ^ Herman Mikuz, Bojan Dintinjana. “CCD Photometry of Comets”. 2006年10月26日閲覧。
  4. ^ Skell, P. S.; Fagone, F. A.; Klabunde, K. J. (1972). “Reaction of Diatomic Carbon with Alkanes and Ethers/ Trapping of Alkylcarbenes by Vinylidene”. Journal of the American Chemical Society 94 (22): 7862–7866. doi:10.1021/ja00777a032. 
  5. ^ Chelikowsky, J. R.; Troullier, N.; Wu, K.; Saad, Y. (1994). “Higher-order finite-difference pseudopotential method: An application to diatomic molecules”. Physical Review B 50: 11356–11364. Bibcode 1994PhRvB..5011355C. doi:10.1103/PhysRevB.50.11355.