乳房縛り
乳房縛り(ちぶさしばり)は女性の乳房を性的嗜虐の目的で緊縛することである。 緊縛には、縄のほかに細紐・鎖・皮革バンド、また乳房専用の拘束具などを使用する。 乳房の根元を縄で絞りあげる乳房縛りだけではなく、縄と乳房という倒錯した快楽を乳房縛りと呼ぶ。
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概要 [編集]
- 「もっとも猥褻な肉体は、サディストが縄で縛って眺めている相手の肉体、つまり自由を奪われた肉体である」とサルトルは述べている[1]。
- 女性の緊縛は、肉体の自由を奪うという目的のほかに、性的嗜虐の対象である乳房・陰部・尻を縛ることで、緊縛された女性の猥褻な肉体美を強調する女縄[2]となる。
- 女縄は江戸時代に女囚を縛るために考案された縄掛け[3]であるが、現代では倒錯的な性的欲望のために裸の女性を様々な方法で縛る女縄となった。 哺乳類の牝の性的シンボルである乳房を縛ることは、多種にわたる女縄の中でも女体緊縛にかかせない縄掛けとして緊縛愛好家を魅了する。
- 「ヒトのオスだけがセックス時にオッパイをまさぐる」[4]と言われている。 嗜虐欲望の対象である女性の乳房を縄で縛り、縄で変形した乳房の表情を愉しむことが、乳房縛りの目的である。
女体緊縛の変遷 [編集]
緊縛方法の発展 [編集]
- 昭和40年代になり日本の乳房縛りがそれまでの時代と一線を画し、乳房を縄で厳しく圧迫して絞り出し、柔肉の膨らみを強く変形させたり強調する縄掛けになった。 辻村隆の緊縛写真入りの手記「カメラ・ハント」[5]、団鬼六の嗜虐小説が奇譚クラブ[6]に登場する頃である。 それ以前の女体緊縛では、後ろ手縛りの縄を無造作に胸にまわした胸縄のような縛り方[7]が多く、欧米のボンデージでは最近までそのような傾向が見られた。
- 現代では、女性をいかに縄で猥褻に縛るかが緊縛術と呼ばれ、プロの緊縛師が様々な緊縛法を見せてくれる。 また多くの場合、縄掛けが女体に対してシンメトリーになるように工夫され[8]、整然とした女縄が緊縛美として好まれる[9]。
女体緊縛の社会的認知 [編集]
- 緊縛方法の進歩にあわせるように、女体緊縛という倒錯した性的嗜好が社会的認知を受けるようになる。
- 緊縛ヌード写真の氾濫
- 昭和40年代には多くの月刊SM雑誌[10]が創刊され、別冊緊縛写真集なども次々と出版されるようになった。
- これらの雑誌には女責めの小説とともに、若い女性モデルが様々な場所・情況設定のもとで全裸緊縛され、淫靡な責めに苦悶する画像が満載された。
- 初期のSM雑誌の表紙は控えめな装丁で、マニアにだけそれとなく緊縛雑誌であることをわからせるデザインだったが、SM雑誌ブームの到来とともに扇情的な緊縛ヌードで表紙を飾ったSM雑誌[11]が書店の店頭に並べられ、「裸の女を縛る」という背徳の世界が否応無く一般の人々の目に触れるようになる。
- 映画と緊縛女優
- 前述した団鬼六の人気嗜虐小説が次々と映画化されてヒットした。 谷ナオミ(乳房縛り[12])、麻吹淳子[13]、高倉美貴(修道女縄地獄[14])ら女優の妖美な緊縛映像とともに、「調教」・「縄」・「奴隷」などのSM特有のキャッチコピーが公共媒体に出現するようになり、彼女達の知名度の向上につれて、緊縛趣味も徐々に認知されていく。 女優の中で異色な存在としては、緊縛ヌードモデルから一般女優になった東てる美(女体行商人[15])がいる。
- 昭和40年代に奇譚クラブに連載された団鬼六の「花と蛇」は、愛好家が密かに読んだ猥褻図書であった。 美しい令夫人が淫虐かつ執拗な責めで肉体を調教され、牝奴隷に転落していく小説である。 この「花と蛇」は過去に何度か映画化されたが、近年、杉本彩の主演で再度映画化され[16]、テレビ・映画などで活躍する杉本彩とともに、女責めの映像とストーリーが広くマスコミに取り上げられるようになった。 そこでは女体緊縛が「縄化粧の芸術」にまで昇華され、昭和の時代に緊縛が倒錯趣味として日陰の存在であったことに比べると、隔世の感がある。
日本の緊縛術 [編集]
- Shinju
- 海外では、日本の「女縄」として乳房縛りが「Shinju(真珠)」という和名の呼称で呼ばれ、Sakura(股縄)、亀甲縛りなどの緊縛術とともに世界の緊縛愛好家に普及している[17]。 その結果、白人・黒人・アジア系等のあらゆる肌の色の女性が日本式の緊縛術で厳しく縛られ、羞恥に喘ぐ姿[18]を愉しむことができるようになった。
- Sensei
- 日本の緊縛サイトには世界中からアクセスがあり、緊縛用語には日本語がそのまま使われている。 日本人緊縛師は世界で人気があり「Sensei」と敬意をこめて呼ばれている。 日本から発信する文化・風俗はたくさんあるが、女縛りの緊縛術はそのひとつであり、世界の女体緊縛の方法を日本の緊縛術が大きく変えたといえる。
責め絵にみる乳房縛り [編集]
明治期から昭和初期の責め絵
- 明治18年に発表された月岡芳年の「奥州安達ヶ原ひとつ屋の図」が女の責め絵の発端と言われている。 あばら家の梁に妊婦が裸で逆さ吊りにされ、そばで老女が臨月腹を切り捌く包丁を研いでいるという、猥褻で残虐で恥辱ある題材になっている。 後年、月岡の影響を受け、戦前の責め絵の第一人者となった伊藤晴雨も同じ題材で妊婦責めの絵を描いている。
- 明治から昭和初期にかけての責め絵は、女達の残虐な責め・拷問・処刑に関心が置かれていた。 落城して捕えられた姫が全裸で磔にかけられる処刑図、 捕らえた女達を火で炙り焼きにする火責めの拷問・処刑図、 折檻された女中が雪中の松に裸で吊るされる図など、弱い立場の女性が理不尽な仕置きを受けるという題材が好まれた[19]。
戦後の責め絵
- 戦後になると責め絵の題材は残酷・無残絵から、好色な女縛りと女責めに変わっていく。 普及したSM雑誌の誌上を多くの責め絵が賑わせるようになり、絵師好みの「縄の似合う女」が縛られ淫らな責めに煩悶する情景が描かれている。
- 喜多玲子
- 戦後まもなく発行された奇譚クラブで人気を博した責め絵師[20]。 玲子という女性名であるが男性の絵師で、複数の作家名を使い分けていた。 的確な描写の線画を得意として、均整の取れた肉体と美しい乳房をもった女性が全裸で後ろ手に縛られている絵が多い[21]。
- あどけない顔をした美少女が、蒼い小振りの乳房を丹念に縄掛けされ、無毛の股間に股縄を喰い込ませている題材を好んで描いた。 そばに描かれる中年の男女が次の淫らな責めの用意をしていたり、人が集まる宴席や女の競り市で緊縛された裸身を晒している絵図が多い[22]。
- 沖渉二
- 沖の責め絵は、現代風の顔立ちでスレンダーな美女が多く登場する。 若妻や美人秘書が緊縛責めにされる題材では、脱がされたパンティやブラジャー、ハイヒールなどの洋装品が好んで描かれる[23]。
- 小妻容子
- 肉付き豊かな白い肌の女性が、毛羽立つような太い麻縄や荒縄で、たっぷりとした乳房を無惨に縛られ、責めに悶える情景が描かれる。 また、肉体に美しい刺青を施した女侠客が、あくどい色責めにかけられる題材[24]や、美女が全裸で処刑される残酷絵なども好んで描いた。
- 前田寿安
- 前田が好んだ責め絵の題材は、色白の美女が胡散臭い老人や僧侶に淫虐な責めで豊満な肉体を嬲られる情景である。 縛られた乳房がさらに歪むように追加の縄を描いたのも、彼の乳房縛り絵図の特徴である。 白黒を基調とした薄暗い屋内での女責めの構図に、朱赤色を効果的に使い、女の着物・女の血の色が鮮烈に表現される[25]。
一般的な乳房の縛り方 [編集]
- 後ろ手に縛った縄を胸にまわして乳房の上下を締めこむ。 緩み止めの留め縄[26]を背後から脇の下に通し、乳房の下の縄に引っ掛けて後ろへ引き絞る。 これにより上下の縄は乳房に密着し、隙間なく乳房を挟み込む。 次に首縄を引き下げて中央部で乳房の上下の縄(特に下の縄)を引き絞る。 根元を縄で絞られた乳房[27]は、はちきれんばかりに縄目の間で膨れ上がり、嗜虐心をそそる。
- 豊かな乳房の女性には、追加の縄を加えると一層被虐感に満ちた乳房縛りとなる。
- 巨乳の女性が乳房の根元を縄で絞りあげられて乳房をはちきらせている姿は、特に巨乳マニアに好まれる[30]。
- 細紐やテグス、梱包用のP.Pテープによる乳房縛りは、乳房に紐やテープが喰い込み、いびつに絞りあげられて凄惨な緊縛責めになる[31]。
- 美乳の女性は、乳房をあえて縛らず、自然な乳房の美形を愉しむこともある。
乳房責め [編集]
乳房責めとは、縄で自由を奪われた女性の乳房を様々な悪辣な方法で弄び、嗜虐者はもちろん、被虐者の女性も性的快楽を享受するプレイである。
蝋燭責め [編集]
- 燃える蝋燭から溶け出した熱蝋が、女性の乳房・腹部・陰部・尻などの柔肌に滴り落ちる蝋燭責め[34]では、縛られた裸身を捩りながら熱蝋から逃れようとする女性を鑑賞する。
- 座卓の上などに縛り付けた女性の上に数本の蝋燭を吊るす。 火をつけた蝋燭から蝋が溶け出し、間歇的に乳房や腹などに落下する。
女体燭台 [編集]
縄で絞り出した乳房の先端に蝋燭を取り付け、乳房を燭台[35]にする。
- 紐やクリップ、ワイヤーなどを使って乳首に蝋燭を吊したり固定すると、乳房に蝋燭を灯す女体燭台になる。 乳首を穿孔してリングを通し、よりしっかりと蝋燭を取り付けることもある。 そのまま女性を正座縛りや胡坐縛りにして、溶け出した熱蝋が太腿に滴り落ちる姿勢にする。 溶蝋の熱さに身体が震え乳房が揺れると、再び燭台から熱蝋が流れ出して女体を責め苛むという、淫らな責めの循環が続く。
- 別の蝋燭を口に咥えさせたり、陰部に挟ませると明るさが増し、蝋燭の灯りに女性の裸身が浮かびあがる[36]。
- 燭台になった女性は、燃える蝋燭をなるべく動かさないように身体を静止させる。 股縄を曳いて歩かせたり、身体を筆で撫でるなどして、乳房と蝋燭を揺らすように仕向けることも責めのポイントである。
竹責め [編集]
弾力のある竹は、乳房責めだけでなく女責めに広く利用される[37]。 欧米でも日本の緊縛イメージに重なる竹を女責めに使うことがある[38]。
- 二本の竹で乳房の上下を挟み、両端を縄で縛って乳房を締め上げる。 しなる竹に挟まれた乳房が竹の間で膨れ上がる[39]。
- 女性が竹を跨いで、性器で竹を挟み込む。 竹の両端に細縄を結び、背後の細縄は後ろ手縛りの縄に、前の細縄は両乳首に縛り付ける。 竹がしなるように結ぶと、竹の反発力で乳首が強く引かれて乳房が伸びる[40]。
乳房枷 [編集]
女性の乳房を絞りだす乳房枷が市販されている。 乳房枷に乳房を押し込むだけで、手軽に乳房責めを愉しめる。
- 黒皮製の乳房枷が多い。 形状はブラジャーと同じで乳房を覆う部分がくり抜かれバストホールになっている。 ブラジャーを装着するように枷を乳房に取り付け、左右のバストホールに乳房を押し込む。 やや小さめのバストホールで狭窄された乳房が膨れ上がる[41]。
- 女体拘束具も同様の形状で、バストホールに乳房をはめ込んだ後、さらに乳房の根元を絞り上げる仕掛けがついた拘束具もある[42]。
苦痛系 [編集]
S的傾向が強まると乳房や乳首に針を刺したり、乳首にピアスリングを通したりすることもある。 真性のマゾ女性しか受け入れられない責めである[43]。
その他の乳房責め [編集]
鞭打ち、定規のような平板での打ち据え、クリップや洗濯バサミによる挟み責め、洗濯ばさみ責め、竹や棒で突く、筆で撫でる[44]などが一般的である。
乳首縛り [編集]
乳首に様々な責めを加えることにより、すでに縄で縛られ歪んだ乳房をさらにいびつに変形させる。 また女性は、勃起した乳首を縛られてより被虐感が増す。
- 細紐や糸を使って乳首を縛る[45]。 さらに重り、鈴、ペットボトルなどを吊り下げ、徐々に重くして乳房の変形を鑑賞する[46]。
- 両乳首を細紐や鎖でつないで乳首枷にする[47]。
- 両乳首と陰核(クリトリス)の3ヵ所を細紐かクリップ付の鎖で結ぶと女体三点責めになる[48]。
- 割り箸2本で乳首を挟み、箸の両端を輪ゴムで縛る。 割り箸に強く挟まれた乳首が変形する[49]。
- O(オー)リングなど、ゴム製のリングを勃起した乳首の根元にはめる等の責めもある[50]。
乳首責め専用の金属製クリップ、重り、二つのクリップを鎖で繋いだ乳首枷[51]、3ヵ所責めの鎖などはアダルトショップやインターネットなどで入手が可能である。
乳搾り [編集]
妊娠・出産で女体は大きく変貌する。 膨れた妊婦腹の女性を縛る妊婦縛り(股縄を参照)、授乳に備えて発達した乳房から母乳を搾る搾乳プレイなどが一部愛好家に人気がある[52]。
- 乳搾りは、手を使って乳房を揉みだすように搾るか、ガラス製の搾乳器を使って吸い出す[53]。
- 全裸の母親の乳房を縛り、実際に乳児に授乳させることもある。
- 女性自身による自縛プレイでは両手を拘束せず自分で搾乳する。
- 仮想の人間牧場では、乳牛用の搾乳機による女の乳搾りが行われる[54]。
- 最近、英国で母乳アイスクリームを製造販売するビジネスが生まれた。 人妻の乳房を搾乳機で搾り、採取した乳汁にバニラを加えてアイスクリームを作る。 今まで仮想の世界でしか存在しなかった女の搾乳工場が現実に稼動するようになった。
中国の乳房縛り [編集]
秦の時代に囚人・罪人の捕縛術が確立したと言われ、独自の緊縛術の長い歴史を持つ中国でも、嗜虐趣味としての女体緊縛が近年盛んになり、それにともない中国美女の魅力的な緊縛映像がインターネットで紹介されるようになった。
- 中国独特の縛り方として、背後から左右の肩越しに縄を前に引き、襷をかけるように縛る緊縛法がある。 女性は前屈みになれず、縛られた乳房を突き出すように胸を張る姿勢を強要される(チャイニーズ・ボンデージ・スタイル[55])。
- 中国では、裸の女性の緊縛映像・画像が禁止されているため、着衣のまま緊縛される。 建前としては、中国式緊縛法で縛られた裸の姑娘を見ることはできない[56]。
- 日本人女性の乳房が左右とも正面を向いているのに対し、中国女性は左の乳房は左、右の乳房は右と外を向く特徴がある[57]。 これは中国女性の胴が日本人より断面方向で見たときに丸いことによる[58]。 そのために中国女性の乳房を縛るときは、横縄を使って中央に乳房を寄せるような縄掛けよりも、外を向く乳房をそれぞれ個別に絞るような縛り方がより乳房を美しく見せる縄掛けとなる。
出典・参考画像 [編集]
- ^ 「存在と無」第三部第三章 J.P.サルトル
- ^ 女縄
- ^ 写真で覚える捕縛術 水越ひろ 愛隆堂
- ^ BREASTS 乳房抄/写真篇 伴田良輔 朝日出版社
- ^ カメラハント・辻村隆
- ^ 奇譚クラブ/曙出版
- ^ 昭和緊縛図
- ^ 熟女緊縛/結城綾音
- ^ 整然とした女縄
- ^ SMマガジン・コバルト社 / SMファン・司書房 / SMクラブ・日本出版社
- ^ SM緊縛写真集
- ^ 乳房縛り/谷ナオミ
- ^ 麻吹淳子
- ^ 修道女縄地獄/高倉美貴
- ^ 東てるみ
- ^ 花と蛇/杉本彩
- ^ Breast Bondage Wikipedia
- ^ 白人女性緊縛
- ^ 伊藤晴雨
- ^ 「奇譚クラブ」の絵師たち 濡木痴夢男 河出書房
- ^ 喜多玲子
- ^ 椋陽児
- ^ 沖渉二
- ^ 小妻容子
- ^ 前田寿安
- ^ 留め縄
- ^ 篠崎里美
- ^ 斜め追加縄
- ^ 乳房蹂躙縄
- ^ 根元縛り
- ^ テグス糸縛り
- ^ 上縄のみの縛り
- ^ 大菱縄縛り
- ^ 蝋燭責め
- ^ 乳房燭台
- ^ 女体燭台
- ^ 竹責め
- ^ 白人女性の竹責め
- ^ 竹による乳房責め
- ^ 竹による乳房責め
- ^ 乳房枷
- ^ 女体拘束具
- ^ 針泣き奴隷 志摩紫光 志摩プランニング
- ^ 筆責め
- ^ 乳首縛り
- ^ 乳首用重り
- ^ 乳首枷
- ^ 三点責め
- ^ 割り箸を使った乳首責め
- ^ 緊縛一枚:KAORI 緊縛されて乳首も身体も支配されたい若妻
- ^ 乳首枷見本
- ^ 妊産婦緊縛 緊縛美術研究会
- ^ 搾乳器
- ^ 女の畜舎
- ^ Chinese Bondage Style
- ^ 姑娘の裸体緊縛
- ^ 中国小姐の美しい乳房
- ^ ワコール研開中心有限公司