中野民夫

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中野 民夫
なかの たみお
人物情報
生誕 (1957-06-24) 1957年6月24日(66歳)
日本の旗 日本東京都
出身校 東京大学文学部
学問
研究分野 ワークショップファシリテーションコミュニケーション学
研究機関 同志社大学 (2012.4 - 2015.8)
東京工業大学 (2015.10 -)
特筆すべき概念 地球市民村
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中野 民夫(なかの たみお、1957年 - )は、日本のワークショップ企画プロデューサー。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 (ILA) 教授。元博報堂社員、同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション・コースおよび同志社大学政策学部教授を経て現職。カリフォルニア統合学研究所英語版 (CIIS) にて修士の学位を得る。ビーネイチャースクール「ファシリテーション講座」監修。ワークショップの企画実施や、ファシリテーションの実践や普及活動によって知られる。斬新な試みとして大教室における、学生主体の参加型授業を実践している。

人物[編集]

1957年、東京都に生まれる。祖父は政治家の中野正剛。1976年麻布高等学校卒業。1982年東京大学文学部宗教学科卒業。学生時代のインドなどへの一人旅から、一転して広告代理店の博報堂に就職。大阪での営業職等を経て、1989年に休職しカリフォルニア統合学研究所 (CIIS) で組織開発・変革や、平和や環境に関するワークショップについて学ぶ。復職後、社内では人材開発を経てコーポレート・コミュニケーション分野で社会テーマ系業務やビジョン構築・組織活性化などのワークショップを担当[1]2005年の愛・地球博では、NPO/NGOが参加する地球市民村を事業受託側としてプロデュースした[2]。その傍ら、個人として環境・平和などの市民活動、社会教育や学校教育などの分野で人と人、人と自然、人と自分自身をつなぎ直すワークショップを企画、実施する。

明治大学聖心女子大学の講師、日本トランスパーソナル学会の理事などを経て、立教大学大学院の講師[3]や、公益社団法人日本環境教育フォーラム理事[4]、NPO法人日本ファシリテーション協会フェロー[5]も務めている。2012年博報堂を退職、同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション・コースおよび政策学部教授を経て、2015年10月より現職に就く。

自称「遅咲きのシンガーソングライター」でもあり、57歳からオリジナル曲を作り始め、還暦を迎えた2017年6月に東京(沙羅舎)、同年7月京都 (Impact Hub Kyoto) でライブ、2018年10月に「自分の至福についていこう」でCDデビューを果たした[6]

著作[編集]

単著[編集]

  • 『ワークショップ 新しい学びと創造の場』岩波書店(岩波新書)2001
  • 『ファシリテーション革命 参加型の場づくりの技法』岩波書店(岩波アクティブ新書)2003
  • 『みんなの楽しい修行 より納得できる人生と社会のために』春秋社 2014
  • 『学び合う場のつくり方――本当の学びへのファシリテーション』岩波書店 2017

共著[編集]

  • 『岩波講座現代社会学7<聖なるもの/呪われたもの>の社会学』岩波書店 1996
  • 『自分という自然に出会う』(編著)講談社 2003
  • 『ホリスティック教育ガイドブック』(ホリスティック教育協会編)せせらぎ出版 2003
  • 『ピースフルな子どもたち 戦争・暴力・いじめを越えて』(ホリスティック教育協会編)せせらぎ出版 2004
  • 『ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ』(ビーネイチャー・スクール講師陣共著)岩波書店 2009
  • 『対話する力 ファシリテーター23の問い』(堀公俊共著)日経出版社 2009
  • 『持続可能な教育と文化―深化する環太平洋のESD』(ホリスティック教育協会編)せせらぎ出版 2009
  • 『ファシリテーションで大学が変わる』(三田地真実共編著)ナカニシヤ出版 2016
  • 『えんたくん革命 1枚のダンボールがファシリテーションと対話と世界を変える』(川嶋直共編著)みくに出版 2018
  • 『進化するマインドフルネス:ウェルビーイングへと続く道』(飯塚まり編著共同執筆)創元社 2018
  • 『ファシリテーションとは何か:コミュニケーション幻想を超えて』(井上義和編著共同執筆)ナカニシヤ出版 2021

共訳[編集]

  • 『地球の声を聴く』(アルネ・ネス他著、星川淳監訳)ほんの木 1993
  • 『世界は恋人 世界はわたし』(ジョアンナ・メイシー著、星川淳監訳)筑摩書房 1993
  • 『マインドフルの奇跡』(ティク・ナット・ハン著、仙田典子監訳)渓声社 1995

音楽作品[編集]

オリジナル・アルバム[編集]

  • 『自分の至福についていこう』Life Force 2018

脚注[編集]

  1. ^ 中野民夫『ワークショップ 新しい学びと創造の場』 岩波書店(岩波新書)、2001年、85頁。
  2. ^ 万博史上初めてNPO/NGOが集う 愛・地球博の「地球市民村」 文化環境研究所、2004年6月1日
  3. ^ 「教員紹介社会組織理論分野」立教大学
  4. ^ 「役員・職員紹介」公益社団法人日本環境教育フォーラム
  5. ^ 「フェロー」日本ファシリテーション協会
  6. ^ 『自分の至福についていこう』歌詞カード、2~3頁.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]