不耕起栽培
不耕起栽培(ふこうきさいばい)は、水田や畑を耕さないまま農作物を栽培する農法。
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[編集] 概要
さまざまな作物、さまざまな作型で行なわれているが、耕起しないことにより
- 省力化が可能である(トラクタによる耕起、代掻きが不要)
- 雑草の繁殖が抑えられる(雑草の繁茂が激しいとも言われ、これに関しては一概にメリットとは言えない)
- 土の移動による病気の蔓延が抑えられる
- 土中に根穴構造が残り、根圏が酸化的に残る。畑では排水性も保水性もよくなり、干ばつにも長雨にも強くなる
- 未耕起の土を根が突破り、稲に生じる植物ホルモン的な作用が活力高い太い根を作り、茎を太くする
- 前作の作物残渣を地表に放置できることになり、その結果、それらが土壌のマルチとなって風雨による土壌流出を緩和できる
などのメリットがある。 米国でより広く使われるようになってきており、2010年には米国の60パーセントの農地が不耕起栽培になると予想されている[1]。 海外の畑作での不耕起栽培と日本の無農薬稲作・畑作における不耕起栽培を混同されやすいが、仕組みは全く異なる。
[編集] 実現手法
[編集] 遺伝子組み換え作物による不耕起栽培
非選択性除草剤とそれに耐性な作物が利用されている。その例をあげると、現在、北米や南米諸国では、ラウンドアップなどの非選択性除草剤とその除草剤耐性の遺伝子組み換え作物を利用した不耕起栽培が大規模に導入されている。その結果、それらの諸国において深刻な環境破壊になっている土壌流出が緩和されているため、非選択性除草剤とその除草剤耐性作物の利用は環境保全に役立つとともに永続的な農業生産に貢献している、という意見がある[2]。
[編集] 無農薬栽培による不耕起栽培
千葉県の岩澤信夫が提唱する不耕起移植栽培[3]である。水田で行われているこの農法は、耕さないことがきっかけとなって、田んぼの生態環境がよみがえり、それらの生物による作用で土壌の肥沃化がもたらされるものである。環境保全の発想で組み立てられたものであり、化学肥料や除草剤・殺虫剤等の農薬を全く使わない生物との共生環境を利用した循環型の農法である。現在の段階では水田のみ有効な手法である。
[編集] 課題
耕耘(こううん)には、雑草の種子を土壌深部に移動させたり、雑草の根系を破壊することにより除草効果がある。不耕起によりこれらの効果が失われるため、それを補う必要がある。ただし逆の考え方として、耕耘するからこそ雑草の種子を土壌表面に移動させるということもある。しかし最も困難なことは、そもそも農地を耕さないことに対する農業者の葛藤である。
[編集] 脚注
- ^ Brady and Weil, 2002
- ^ 有井彩、山根精一郎「除草剤耐性遺伝子組換え作物の普及と問題点」、『雑草研究』第51巻第4号、日本雑草学会、2006年12月22日、 263-268頁、 NAID 110005717008。
- ^ 日本不耕起栽培普及会@千葉県神崎町
[編集] 参考文献
- Brady, N.C., and Ra.R. Weil. The Nature and Properties of Soils. 13th ed. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall, 2002.