ルドラ (航空機)

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HAL ルドラ

エアロインディア2013でのHALルドラ

エアロインディア2013でのHALルドラ

HAL ルドラ (HAL Rudra, 別名HAL ALH-WSI) は、インドヒンドスタン航空機(HAL)が開発した汎用ヘリコプター"ドゥルーブ"の武装派生型である。

ルドラには赤外線前方監視装置(FLIR)、熱線映像装置、20mm機関砲、70mmロケットポッド、対戦車ミサイル空対空ミサイル等が装備される [1]

概要[編集]

HAL ドゥルーブ-WSI プロトタイプ

ドゥルーブの設計を発展させた本格的な攻撃ヘリコプターであるHAL 軽戦闘ヘリコプターの試験中に、ドゥルーブの機体設計に大きな手を加えず迅速に配備・運用が実現可能な案として、ドゥルーブの武装バージョンの配備が考えられた。この機体はルドラと命名された。

2011年9月にルドラの電子光学システムと武器システムの統合試験、20mm機関砲を含む火器の発射試験が行われ、11月には70mmロケット弾ポッドおよびMBDAミストラル対空ミサイルの発射試験が行われた。ルドラは要求された性能要件をクリアした。

ルドラはドゥルーブMk.3と同等のグラスコックピットを備え、統合されたセンサー、火器管制システム、電子戦システムを搭載しており、センサーには昼間および夜間用の赤外線カメラ、赤外線前方監視装置(FLIR)、レーザーレンジファインダー等が含まれている。また、SAAB製の統合防衛補助システム( Integrated Defensive Aids Suite, IDAS)を装備しており、これには電子戦に対する防護システム、照準レーダー被照射およびミサイル検出・警報装置、赤外線妨害装置、チャフおよびフレアディスペンサーが含まれている。ルドラは偵察・兵員輸送・対戦車戦・近接航空支援など様々な任務に投入可能であると考えられている。

2012年9月には最初のルドラ量産機に対する地上での試験が完了し、この中では対地ミサイルの運用試験も行われた。この試験の完了後、インド陸軍と空軍は計76機のルドラをHALに発注した。

2012年から13年にかけてインド海軍もルドラの試験を行い、この機種が沿岸での監視任務に適していると結論付けた。インド海軍はルドラのセンサーシステムが12~14kmの距離で船舶を追跡し、船名を読み取れる事に感銘を受け、20機以上の発注を検討しているとされている。

形式[編集]

インド陸軍航空隊のルドラ Mk.4
  • ルドラ Mk.3 - ドゥルーブ Mk.3をベースに電子戦システムやセンサー類を搭載した非武装の機種。
  • ルドラ Mk.4 - ルドラ Mk.3にネクスター製20mm機関砲塔、ベルギー製70mmロケット弾ポッド、MDMA製空対空および空対地ミサイルを搭載する機種。

運用国[編集]

インドの旗 インド

仕様[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]