マイクロ石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイクロ石
Microlite
リチア雲母上のマイクロ石。ブラジルミナスジェライス州産。6 x 4 x 3.25 cm。
分類 酸化鉱物
シュツルンツ分類 04.DH.15
化学式 (Na,Ca)2Ta2O6(O,OH,F)
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
テンプレートを表示

マイクロ石Microlite) はナトリウムカルシウムタンタルの複酸化物と少量のフッ素からなる鉱物で、組成式は (Na,Ca)2Ta2O6(O,OH,F) である。色は淡黄色、赤褐色または黒で、等軸晶系に属する。マイクロ石はパイロクロア群の鉱物でペグマタイト鉱床に産し、タンタル鉱石として重要である。モース硬度は 5.5 で比重は 4.2 - 6.4 の範囲である。結晶は微細なものが母岩に散りばめられていることが多く、不透明または半透明の八面体形で屈折率は2.0-2.2である。ジャルマイト(Djalmaite)と呼ばれることもある。

マイクロ石に含まれるタンタルは実際には任意の割合でニオブ固溶しており、タンタルとニオブの比率によりパイロクロアと呼び分けられる。すなわち、タンタルが多いものがマイクロ石、ニオブが多いものがパイロクロアである。 マイクロ石はリチウムを含む花崗岩ペグマタイトや、花崗岩中の空洞結晶にみられる。共存鉱物は曹長石リチア雲母トパーズ緑柱石電気石満礬柘榴石タンタル石蛍石などである。

マイクロ石はスウェーデン・ストックホルム県のユート島のものが1835年に記載された。模式産地はマサチューセッツ州ハンプシャー郡チェスターフィールドのクラークレッジペグマタイト帯である。鉱物名は結晶が小さいことにちなんでギリシャ語で「小さい」を意味する Mikos と「石」を意味する lithos から名付けられた。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Atencio, D., Andrade, M. B., Christy, A. G., Gieré, R., & Kartashov, P. M. (2010). The pyrochlore supergroup of minerals: nomenclature. The Canadian Mineralogist, 48(3), 673-698.doi: 10.3749/canmin.48.3.673
  • Andrade, M. B., Atencio, D., Menezes Filho, L. A., & Ellena, J. (2011). The crystal structure of a microlite-group mineral with a formula near NaCaTa2O6F from the Morro Redondo mine, Coronel Murta, Minas Gerais, Brazil (vol 49, pg 615, 2011). CANADIAN MINERALOGIST, 49(5), 1338-1338.doi:10.3749/canmin.49.2.615