ピストル星

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ピストル星
Pistol Star
Pistol star and nebula.jpg
ハッブル宇宙望遠鏡によるピストル星とピストル星雲の擬似カラー画像。
星座 いて座
視等級 (V) 4[1]
位置
元期:J2000
赤経 (RA, α) 17h 46m 13.5s
赤緯 (Dec, δ) -28° 50′ 04″
距離 25000光年
(7665 pc)
絶対等級 (MV) -12.3
物理的性質
半径 300~340 R
質量 80~150 M
スペクトル分類 B
光度 >16000000 L
表面温度 14000~21000 K
年齢 200万年
発見
発見年 1990年代
発見者 ハッブル宇宙望遠鏡
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ピストル星[2](Pistol star)は1990年代の初め、ハッブル宇宙望遠鏡で発見された、それまで観測された銀河系恒星のうち、最も明るい超巨星高輝度青色変光星)である。いて座に位置する。ピストルの形に似たピストル星雲[2]の中にあるためこの名称で呼ばれる。

太陽との比較[編集]

太陽の約400~1500万倍(または170~1600万倍)明るく、半径は300~340倍とされ、これは、ピストル星が太陽の位置にあるなら火星の軌道を覆うほどの大きさである。また誕生当時の質量は太陽の200倍以上と考えられている(現在は120倍とも150倍とも言われている)。

特徴[編集]

質量が非常に巨大であるため物理的に不安定で、しばしば爆発を起こして質量放出を続け、周囲に星雲を形成している。現在は6000年前に放出したガス(ピストル星雲)に包まれ、太陽が1年間に放射するのと同量のエネルギーをわずか6秒ほどで放っている。銀河の中心に近く、いて座の方向に地球から約2万5000光年の距離にあり、実際の光度が推定値通りであったならば、地球上では4等星ほどの明るさで見えるとされるが、銀河系の中心部分は多くの星や暗黒星雲などの星間物質が密集しているので、これらが妨げとなって地球上から目視することは不可能である。ハッブル宇宙望遠鏡の、星間物質の影響の小さい赤外線領域の観測によって発見された。

このような大質量星の寿命は短いので、100万年から300万年後の間に超新星になると考えられている。なお、観測史上最も明るい恒星の座は、2004年に発見されたLBV 1806-20に譲る事となった。

改めて観測した結果により、ピストル星の明るさを下方修正する意見もあり、 中には太陽の200万倍以下という説もある。

注釈[編集]

  1. ^ 実際にはピストル星雲に隠れているので見えない。
  2. ^ a b HSTがもっとも明るい恒星を捉えたAstroArts

関連項目[編集]