パワーコード
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パワーコード (Power Chord) とは、和音の一種である。
完全五度(またはその転回形の完全四度)の関係にある二つの音のみを同時に鳴らすことによって得られる和音である。ただしオクターブの重複は許されている。これはすなわち、長三和音(または短三和音)から第3音を省略した和音に相当する。根音がXのとき、X5の記号で表示する。
主にロックギタリストが、長三和音などの普通の協和音では音が柔らかすぎて不満足であり、かといって不協和音では響きが強すぎ、とはいえ単音では物足りない、ということで使い始めた和音である。またアンプで激しく音を歪ませたエレクトリックギターで、通常通りの和音を演奏すると歪みが激しくなりすぎて聴き苦しいため音を省略したことも理由のひとつであろう。この和音の持つ独特の空虚さやパワーがロックミュージシャンの気質によく合い、広く定着するにいたった。
空虚五度と同じ構成音を持っているが、これとは区別して扱われるべきである。パワーコードは主にロックやその周辺のジャンルで使用される用語であって、またその用法も空虚五度とは若干異なっている。たとえば、アコースティックギターはエレクトリックギターと同じ和音を出すことはできるが、音がそれほど強くないため普通はパワーコードとは呼ばれない。
通常、長三和音と短三和音は、コードがメジャーであるかマイナーであるかを識別させる重要な役割を持っている。したがってこれを省略することはタブーとされることもある。ロックでパワーコードを多用する曲は多くがダイアトニックなコード(本来その調に含まれている音のみを使用した和音)を主体として構成されていることが多く、前後の流れ、およびベースラインやメロディに使われている音から聞き手が容易にコードを類推できるためこの点はあまり問題とならない。一方でジャズなどでは曲中にノンダイアトニックなコード(本来その調には無い音を使用した和音)を使うことが多く、伴奏がパワーコードで構成されているとそのようなコード進行の特色を出せないためにあまり使用されない。ノンダイアトニックなコード進行や、sus4などを取り入れた曲でパワーコードを演奏するギターを取り入れる場合、ピアノやオルガン、アコースティックギターなどの他の楽器で音を補う必要がある。
ロック(特にハードロック・ヘヴィメタル)では、マイナーコードのメロディーに歪ませた音のパワーコードで速いテンポでバッキングをするケースが多く、そうすると短三和音が含まれず、リズムや音質も合わさってマイナー調特有の悲しい感じが希薄になる。ただしメロディーがマイナーであるため若干は悲しげな雰囲気が残っており、これが同ジャンルにおいてファン及びレコード会社が「激しくて哀愁を含んだメロディー」と表現する音楽性の一因となっている。

