ダイアトニック

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ダイアトニック(英 diatonic 日本語では「ディアトニック」とも)とは、ハーモニカおよび蛇腹楽器(アコーディオンコンサーティーナバンドネオン、他)について使われる、特殊な専門用語。クロマティック(クロマチック)と対になる概念。

目次

[編集] 蛇腹楽器の場合

3列ボタンのダイアトニック・アコーディオン。左手のベースボタンの数が、クロマティック式より少ないことに注意。]

 通常の音楽用語では「ダイアトニック・スケール」は全音階を、「クロマティック・スケール」は半音階を指す。
 しかし、蛇腹楽器の世界では、ある一つのボタンを押したまま、蛇腹を押したときはド、引いたときはレ、というように、別の音が出る「押し引き異音式」(プッシュ・アンド・プル)を、ダイアトニック式と呼ぶ。

明治時代の本のダイアトニック・アコーディオンの説明図。 各ボタンの「押」「引」それぞれの音階(ドレミ)を工尺譜で書いてある。


 これに対して、一つのボタン(ないし鍵盤)を押すと、蛇腹を押しても引いても同じ音が出るようにしてある「押し引き同音式」を、蛇腹楽器の世界では「クロマティック式」と呼ぶ。
 蛇腹楽器の場合、外見は全く同じでも、ボタンないし鍵盤の配列がダイアトニックかクロマチックかで、奏法も音楽のフィーリングも全く違うため、事実上、別種の楽器になる。アコーディオンやバンドネオン、コンサーティーナなどでの演奏者は、「ダイアトニック派」と「クロマティック派」に分かれ、それぞれ自分の楽器に強い思い入れをもつ傾向がある。
 そのため、例えばバンドネオンを購入して習うような場合、自分のあこがれの名奏者がダイアトニック派かクロマティック派か事前に調べておかないと、あとで失望することになりかねない。(詳しくはバンドネオン#ボタン配列-ディアトニックとクロマチック参照)

鍵盤式アコーディオンと、クロマティック・ボタン・アコーディオンの一種であるロシアのバヤン。]

 また、例えば一口に「ボタン式アコーディオン」と言っても、フランスやロシア等の音楽で使われる大型のものはクロマティック式が多く、アイルランドや中南米で使われるものは小型のダイアトニック式が多い。

[編集] 半音階もカバーする「ダイアトニック」式蛇腹楽器もある

 ダイアトニック・タイプの蛇腹楽器の中には、半音専用のアクシデンタル・キー等をつけたり、B調全音階とC調全音階というふうに半音違いの2つの全音階を2列のボタンとして並べることにより、半音階も弾けるタイプもある。蛇腹楽器の世界では、「ダイアトニック」はほぼ「押し引き異音式」と同義語であり、「ダイアトニックスケールしか弾けない」という意味ではない。この点は注意を要する。

[編集] 楽器業界での慣用的表現について

 鍵盤式アコーディオン(ピアノ・アコーディオンとも言う。右上の写真参照)は、クロマティックの定義から言えば、クロマティックアコーディオンの一種であるが、鍵盤式アコーディオンはほぼ全てクロマティック式であるとわかりきっているため、わざわざこれを「クロマティック」云々の呼称で呼ぶことはない。
 単に「クロマティック・アコーディオン」と言えば、クロマティック・ボタン・アコーディオン(右上の写真参照)だけを指す。

[編集] ハーモニカの場合

 ハーモニカの場合は、ある一つの穴に空気を吹き込んだときと吸い込むときで違う音が出る「吹吸異音式」であり、かつ全音階しか出せないタイプを「ダイアトニック・ハーモニカ」と呼ぶ。これに対して「クロマティック・ハーモニカ」は、半音階もカバーできるよう、半音違いの2つのダイアトニック・ハーモニカを1本の楽器としてまとめた「スライド式クロマティック」ハーモニカを指すことが多い(詳しくはハーモニカの項を参照)。蛇腹楽器の場合と違い、ハーモニカにおいては「吹吸同音式」を「クロマティック」と呼ぶわけではないので、この点は注意を要する。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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