ドウモイ酸

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ドウモイ酸
ドウモイ酸の構造式
IUPAC名 [2''S''-[2a,3b,4b(1''Z'',3''E'',5''R'')]]-2-カルボキシ-4-(5-カルボキシ-1-メチル-1,3-ヘキサジエニル)-3-ピロロリジン酢酸
分子式 C15H21NO6
分子量 311.33 g/mol
CAS登録番号 [14277-97-5]
形状 白色粉末
融点 213–217 °C
SMILES CC(\C=C\C=C(\C)/[C@H]
1CN[C@@H]([C@H]1CC
(=O)O)C(=O)O)C(=O)O

ドウモイ酸(ドウモイさん、ドーモイ酸、domoic acid、略称DA)は、天然由来のアミノ酸(正確にはイミノ酸)の一種で記憶喪失性貝毒の原因物質。

分子式は C15H21NO6分子量は 311.33。IUPAC名 [2''S''-[2a,3b,4b(1''Z'',3''E'',5''R'')]]-2-カルボキシ-4-(5-カルボキシ-1-メチル-1,3-ヘキサジエニル)-3-ピロロリジン酢酸CAS登録番号は 14277-97-5。プロリンの誘導体でもある。

単体は融点 213–217 °Cで、無色の結晶性粉末。によく溶け、有機溶媒に不溶。

1958年、徳之島で駆虫薬として用いられていた紅藻ハナヤナギ(Chondria armata、現地名ドウモイ)から分離・命名された。発見者は醍醐皓二カイニン酸と似た性質を示し、グルタミン酸アゴニストとしてグルタミン酸受容体と強く結合して駆虫作用を示す。煮沸消毒を行っても毒性がなくならない特性を持つ。

1987年の11月から12月にかけて、カナダプリンスエドワード島で養殖のムラサキイガイによる食中毒が発生した。被害者107人中4人が死亡、12人が重度の記憶障害に陥った。中毒を起こしたムラサキイガイを調べたところ、貝 100 g 当たり 31–128 mg のドウモイ酸が検出され、中毒者の摂取量は 60–290 mg と推定された(駆虫薬として用いられる量は 30 mg 程度である)。検死解剖などから、海馬に大量のドウモイ酸が取り込まれてグルタミン酸受容体と結合したために脳細胞が興奮・死滅し、中枢神経が侵されたことが分かった。その後、人の致死量は 300 mg/60 kg と割り出された。特に子供や高齢者は注意が必要。赤潮からも検出される。

ドウモイ酸は、異常繁殖した珪藻が活動を停止する際に作り出される。生物濃縮によって貝類カニアンチョビなどに取り込まれるため、現在では魚介類の輸出入において検査が行われるようになって来ている。カナダのドウモイ酸規制値は 20 ppm である。