チャイルド・プレイ3

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チャイルド・プレイ3
Child's Play 3
監督 ジャック・ベンダー
脚本 ドン・マンシーニ英語版
原案 キャラクター原案
ドン・マンシーニ
製作 ロバート・レザム・ブラウン英語版
製作総指揮 デヴィッド・カーシュナー英語版
出演者
音楽
撮影 ジョン・R・レオネッティ
編集
  • スコット・ウォーレス
  • エドワード・A・ウォーシカ
製作会社 ユニバーサル・ピクチャーズ[1]
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・ピクチャーズ[1]
日本の旗 UIP
公開 アメリカ合衆国の旗 1991年8月30日
日本の旗 1991年11月16日
上映時間 90分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 $20.5 million
前作 チャイルド・プレイ2
次作 チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁
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チャイルド・プレイ3』(Child's Play 3、別題: Chucky 3[2])は、1991年のアメリカ合衆国のスーパーナチュラル英語版スラッシャー映画である。『チャイルド・プレイ』シリーズの3作目であり、脚本はドン・マンシーニ英語版、監督はジャック・ベンダーチャッキーの声は引き続いてブラッド・ドゥーリフが務めた。また前2作での製作であるデヴィッド・カーシュナー英語版は製作総指揮を務めた。前作からわずか9ヶ月後に公開されたが、作中時系列は8年後という設定である。

あらすじ[編集]

アンディとカイルがチャッキーを破壊してから8年後。大人気の流行オモチャ「グッドガイ人形」が人を殺したという悪評に苦しめられていたプレイパルス社はようやくグッドガイ人形の再販を決定する。同社は工場を再起動させてグッドガイ人形のラインを動かすが、誤って死んだチャッキーの血をプラスチックの大桶に混入させてしまい、連続殺人鬼チャールズ・リー・レイの魂が乗り移った人形が復活してしまう。チャッキーはプレイパルス社のCEOのサリヴァンのもとに渡ると彼を殺害し、コンピュータの記録をたどってアンディの現在の所在地を突き止める。

一方で16歳となったアンディは未だにチャッキーの事件を引きずっており、いくつかの里親家庭を転々とした後に陸軍学校に行く。学校の司令官であるコクレーン大佐は入学を許可するが、人形についての空想を忘れるように勧める。アンディはハロルド・オーブリー・ホワイトハースト、ロナルド・タイラー、クリステン・デ・シルヴァと友人となり、特にデ・シルヴァとは恋愛関係に発展する。また学生をいじめるブレット・C・シェルトン中佐とも出会う。

アンディが入学してすぐに、タイラーは事務からアンディへの荷物の配達を頼まれる。タイラーはその中身がグッドガイ人形であることに気付くと興奮し、開封するために地下室に行く。箱の中から出されたチャッキーは最初に自分の正体を明かした者の身体に魂を移せるというルールを思い出し、ターゲットに決めたタイラーに秘密を話して早速呪文を唱え始める。しかしながら唱え終える直前にやってきたコクレーンによって中断を余儀なくされ、チャッキーはゴミ収集車の中に放り込まれる。チャッキーはゴミ収集車の運転手を圧縮機の中に誘い込んで圧殺した後に逃亡し、夜にアンディの部屋へと忍び込んで計画を暴露する。アンディはチャッキーを攻撃するが、部屋にやってきたシェルトンによってチャッキーは取り上げられる。アンディはシェルトンの部屋に忍び込んで取り戻そうとするが彼に見つかってしまう。シェルトンは人形が無くなっていることに気付くと誰かが盗んだと考え、全ての学生達に罰として中庭を走らせる。

アンディはタイラーにチャッキーのことを警告しようとするが失敗する。一方でチャッキーはタイラーとかくれんぼで遊び、そこで再び魂移しを狙うがデ・シルヴァがやってきたために中断する。学生たちが去った後、さらにコクレーンが現れるとチャッキーは彼にナイフを振りかざすが、刺されるまでもなくショックで起こった心筋梗塞によって絶命する。翌朝、アンディはチャッキーの邪悪さをタイラーに説くが彼は信じない。一方で校内で散髪を担当していたボトニック軍曹はチャッキーを発見してその髪を切ろうとするが、逆にチャッキーによって喉を剃刀で切られて死亡する。

コクレーンが死亡したににもかかわらず、クラーク軍曹は毎年恒例の戦争ゲームを開催することを宣言し、アンディとシェルトンは同じ青チームとなる。ゲーム開始前、チャッキーは密かに赤チームのペイント弾を実弾と取り替える。ゲーム開始後、チャッキーはタイラーに本性を明かすとタイラーはアンディから貰ったポケットナイフでチャッキーを刺して逃げる。チャッキーはデ・シルヴァを襲って人質とし、無線を使って赤チームと青チームが交戦状態となるように誘導する。チャッキーはアンディにデ・シルヴァと交換でタイラーを引き渡させる。

赤チームが発砲を始めると実弾を撃ち込まれてしまったシェルトンは死亡する。学生たちに混乱が起こるとタイラーは逃走し、チャッキーはもみ合う学生たちに手榴弾を投げた後に彼を追いかける。手榴弾に気付いたホワイトハーストはその上に覆い被さることで自らを犠牲にして仲間たちを救う。アンディとデ・シルヴァはチャッキーを追いかける。

2人は近くで開催されていたカーニバルにたどり着く。タイラーは警備員に助けを求めるが、それもチャッキーにより殺され、タイラーはさらわれる。一同はお化け屋敷に入り込み、デ・シルヴァはチャッキーにより脚を撃たれる。チャッキーはタイラーを捕らえて呪文を唱え始めるが、アンディにより撃たれる。激怒したチャッキーはアンディに締めかかるがナイフで手を切られた後に巨大なファンの中に落とされてバラバラになる。アンディは事情聴取のために警察に連れて行かれ、デ・シルヴァは病院に運ばれる。

キャスト[編集]

成長したアンディ・バークレイを演じたジャスティン・ホーリン

※括弧内は日本語吹替声優

製作[編集]

『チャイルド・プレイ3』は前作が成功した後すぐに製作が始まった。2作目の9ヶ月後に公開されたため、脚本のドン・マンシーニ英語版は非常に厳しいスケジュールの中で物語を書き上げるように強いられた。彼は当初、「複数のチャッキー」を登場させる構想を抱いていたが、予算の都合により断念された[3]。後にこのアイデアは『チャイルド・プレイ 〜チャッキーの狂気病棟〜』で使われることになる。

評価[編集]

シリーズ創始者のドン・マンシーニ英語版はシリーズの中で最も気に入っていない作品であり、2作目の直後でアイデアが枯渇していたと述べた[4]。2013年に彼はキャストに満足してなかったことを明かし、特にタイラー役のジェレミー・シルヴァースは年を取り過ぎと感じ、コクレーン大佐役のデイキン・マシューズは希望していた「R・リー・アーメイ」の原型ではないと考えていたと語った[5]

興行収入[編集]

北米では1991年のレイバー・デーの週末に公開され、4日間で約570万ドルを売り上げて『愛と死の間で』に次いで2位となった[6]。北米では累計で約1500万ドル、世界では約2050万ドルを売り上げた[7]

批評家の反応[編集]

Rotten Tomatoesでは13件のレビューで支持率は23%、平均点は3.9/10となっている[8]。『Deseret News』のクリス・ヒックスは「ひねくれている」と評し、プロットを批判した[9]。『ニューヨーク・タイムズ』のキャリン・ジェームズはチャッキー人形を「素晴らしい技術的成果」と評しつつ、この映画は1作目の「鮮明さとダークユーモアが欠けている」と語った[10]。『バラエティ』からは良質な演技が伴った「騒がしい、無意味な続編」と評された[11]。『ワシントン・ポスト』のリチャード・ハリントンは「チャッキー自身はアニマトロニックな趣だが、映画のエネルギーと予算は全てそれだけに注がれたのではないか」と評した[12]。『The Baltimore Sun』のスティーヴン・ウィグルは「スラッシャー・ジャンルのどんなファンにとっても楽しい」と評した[13]

受賞とノミネート[編集]

部門 候補 結果
サターン賞 ホラー映画賞 『チャイルド・プレイ3』 ノミネート
若手俳優賞 ジャスティン・ホーリン ノミネート
ファンゴリア・チェーンソー賞英語版 助演男優賞 アンドリュー・ロビンソン ノミネート

参考文献[編集]

  1. ^ a b Child's Play 3 (1991)”. AFI Catalog of Feature Films. 2018年1月27日閲覧。
  2. ^ Chucky 3, JUSTIN WHALIN,PERREY REEVES,JEREMY SYLVERS, https://www.amazon.co.uk/Chucky-3/dp/B00HRJVOZC 2019年2月15日閲覧。 
  3. ^ The Chucky Files- Don Mancini on CHILD'S PLAY 3 (1991)”. YouTube. 2017年12月10日閲覧。
  4. ^ Zupan, Michael (2013年10月11日). “Chucky: The Complete Collection (Blu-ray)”. DVD Talk. 2015年8月23日閲覧。
  5. ^ The Chucky Files- Don Mancini on CHILD'S PLAY 3 (1991)”. YouTube. 2018年8月16日閲覧。
  6. ^ Fox, David J. (1991年9月4日). “Weekend Box Office : 'Dead' Enlivens Labor Day Business”. The Los Angeles Times. https://www.latimes.com/archives/la-xpm-1991-09-04-ca-1695-story.html 2011年4月21日閲覧。 
  7. ^ Child's Play 3”. Box Office Mojo. 2015年8月23日閲覧。
  8. ^ Child's Play 3 (1991)”. Rotten Tomatoes. 2015年8月23日閲覧。
  9. ^ “Child's Play 3”. Deseret News. https://www.deseret.com/1991/9/10/20087297/film-review-child-s-play-3 2011年4月21日閲覧。 
  10. ^ James, Caryn (1991年8月30日). “Child's Play 3”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1991/08/30/movies/review-film-how-a-cute-little-killer-doll-turns-bad.html 2011年4月21日閲覧。 
  11. ^ “Child's Play 3”. Variety. (1990年12月31日). https://variety.com/review/VE1117789874?refcatid=31 2011年4月21日閲覧。 
  12. ^ Harrington, Richard (1991年8月30日). “'Child's Play 3'”. The Washington Post. 2015年8月23日閲覧。
  13. ^ Wigle, Stephen (1991年8月30日). “'Child's Play 3': Chucky's back--more amusing and disturbing than ever”. The Baltimore Sun. https://www.baltimoresun.com/news/bs-xpm-1991-08-30-1991242112-story.html 2016年3月3日閲覧。 

外部リンク[編集]