シクリッド

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シクリッド科
マラウイ湖産のシクリッドの1種 Aulonocara jacobfreibergi
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes

シクリッド目 (カワスズメ目)Cichliformes

: カワスズメ科 Cichlidae
学名
Cichlidae
Heckel, 1840
和名
カワスズメ科
英名
Cichlid
  • 本文参照

シクリッド: Cichlid)または(広義の)カワスズメは、スズキ目カワスズメ科 Cichlidae に分類される魚の総称[1]。科名をシクリッド科とすることもあるが、標準和名は一つのタクソンに一つしか与えられないため、シクリッド科は誤りである。

概要[編集]

中央アメリカから南アメリカにかけてと、マダガスカルを含むアフリカから中東南アジアまで分布する。淡水魚・汽水魚が少なくとも約1,300種以上確認されている。熱帯魚のなかでは獰猛な種として知られ、他種との混泳は注意を必要とする。

ティラピアなどは水産上重要である。エンゼルフィッシュディスカスなど色彩の美しい種は、観賞用熱帯魚として流通する。

繁殖形態が特徴的で、よく発達した行動様式をもつ。シクリッドの繁殖形態には、大きく分けて3種類があり、

  • オスまたはメスが産卵された卵を口の中に入れ、口内で卵が孵化するタイプ
  • メスが水中にあるものに産卵し、これを親が守るタイプ
  • メスが水中にあるものに産卵し、孵化した稚魚を親の口内で育てるタイプ

などがある。

口の中で卵や稚魚を育てることを口内保育(マウスブルーディング、mouth brooding)と呼び、そのような習性を持つ魚をマウスブルーダーと呼ぶ。

知られている種の大部分が東アフリカ(900種以上)と中央アメリカ(100種程度)、南アメリカ(300種程度)に分布しており、これらの地域ではかつて爆発的に種分化が進んだことが想定されている。

ティラピアなどの一部の種は、日本に移入され、養殖されたり、外来種として定着しているものもある。

おもな種類[編集]

アフリカン・シクリッド - アフリカ産のシクリッドの総称

アメリカン・シクリッド - 中南米産のシクリッドの総称。エンゼルフィッシュやディスカスなど単独で有名なグループは除く場合もある

脚注[編集]

  1. ^ 中村庸夫『魚の名前』2006年 東京書籍 ISBN 4487801168

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • Kullander, Sven O. : Family Cichlidae - Cichlids from FishBase. (Ed. Froese, R. and D. Pauly. 2004, version 06/2004). - シクリッドについて