コーラルム線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グラーツ・ケーフラハ鉄道
コーラルム線の路線図
コーラルム線の路線図
路線番号550
路線総延長127 km
軌間1435 mm
最大勾配 8 パーミル
最小半径3000 m
最高速度250 km/h
STR
オーストリア南部鉄道
BHF
0.0 グラーツ中央駅 364 m ü. A.
ABZgr
ケーフラッハ線
LSTR
オーストリア南部鉄道参考
HST
7.1 フェルトキルヒェン・ザイアースベルク 340 m ü. A.
SKRZ-Ao
南部自動車道A2 (50 m高架橋)
eABZg+l
シュタイアー東線連結(計画)
xABZgl
オーストリア南部鉄道(シュピールフェルト・シュトラース方面)
extSTRa
extSTR
フェルトキルヒェン - 空港間地下区間(3249 m)
extSTRe
exABZgl
Verwindung Terminal Graz Süd
exABZgl
オーストリア南部鉄道連結線
xABZg+l
オーストリア南部鉄道連結線
tSTRa
ヴァイテンドルフ地下区間
tSTRe
(A9通過, 1275 m)
hKRZWae
カイナッハ川 (115 m鉄道橋)
tSTRa
ヘンスベルクトンネル
tSTRe
(1695 m)
HST
ヘンスベルク
hKRZWae
シュタインツ小川
ABZgr
ヴォールスドルフ三角線
ABZg+r
ヴィース線
BHF
ヴェトマンシュテッテン
xABZgr
ヴィース線
exhKRZWae
ラースニッツ川
exABZg+r
ヴィース線(移設予定)
exBHF
西シュタイアーマルク
exABZgr
ヴィース線(移設予定)
extSTRa
コルアルムトンネル入り口(32894 m)
extSTR
extSTR+GRZq
シュタイアーマルク州 / ケルンテン州
extSTRe
コルアルムトンネル出口
exABZg+r
ラーヴァント谷線
exBHF
ラーヴァントタール
extSTRa
Deutsch Grutschen
extSTRe
(2550 m)
exTUNNEL1
Einhausung Granitztal (430 m)
extSTRa
Langer Berg
extSTRe
(3096 m)
exhKRZWae
ドラーヴァ川 (ヤウンタール鉄道橋, 429 m)
exHST
hアイヒ=ヴィーデルンドルフ
exABZgl
ヤウンタール線
xABZg+l
ドラウ谷線
HST
94.3 ミトレルン
LSTR
ドラウ谷線参考
ABZg+r
ローゼン谷線
BHF
125.4 クラーゲンフルト中央駅
ABZgl
Dt線Rt線
  • m ü. A.: アドリア海基準の高度

コーラルム線ドイツ語;Koralmbahn)は、グラーツ=ケーフラッハ鉄道・バス旅客(Graz-Köflacher Bahn und Busbetrieb GmbH, GKB)の鉄道線の名称である。路線番号550。将来は、グラーツクラーゲンフルトを結ぶ新幹線路線となる計画だが、現在はごく一部しか開業しておらず、事実上ヴィース線の一部として機能している。

歴史[編集]

オーストリア=ハンガリー帝国が解体された後に、既存南部鉄道(k.k. Previlegierte Südbahngesellschaft)に属したマリボル - クラーゲンフルト区間の運用はオーストリア・ユーゴスラビア分割のためかなり難しくなった。その故にコルアルペ山脈を貫通してクラーゲンフルトを連結する鉄道路線が対案として綿密に調査されて、1930年に建設期間は3年、建設費は当時貨幣価値でおよそ7500万シリングと予測された[1]。目的は失業問題に備えシュタイアーマルク州とケルンテン州の運命に関わる問題を解決することであった。しかし鉄道建設は第二次世界大戦が終わってから数十年間実行されなかった。

2006年10月12日に欧州連合加盟国のポーランド・チェコ・スロバキア・オーストリア・イタリアの交通相は、グダニスク・ワルシャワ・ウィーン・グラーツ・ヴィランズバッハ・ウーディネ・ボロニャを結ぶ国際回廊を、2009年度欧州縦断鉄道網(TEN)の改正の場合、優先順位の高い鉄道路線として選定すべしと宣伝計画を公表した。この路線はバルト海・アドリア海軸の国際回廊の一部分であり、核心構造物はコルアルムトンネルである。2009年3月20日に「コルアルムトンネル第一工区」に関する起工式が開催されて、トンネル靴ちゃく作業が正式に開始された[2]。一方、バットマンシュテッティン区間はヴィース線と連結されて、GKBの通勤列車が2008年7月13日に投入された[3]。2010年7月中旬にヘンスベルクトンネルが完成されて、ヴェルンドルフ - ヴェトマンシュテッテン区間は単線および非電化で通行可能となった。同年11月2日にGKBの新しいGTW気動車は試運転の際にヘンスベルクトンネルを通過した[4]。2010年12月12日シュタイアーマルク州S6系統の経路は南部鉄道とヘンスベルク - ヴェトマンシュテッテン区間に変更された[5]

コルアルムトンネルは2本の単線トンネルの形で建設されて、三つの全断面トンネル掘削機が用いられた[6]。2018年8月14日に南の単線トンネルが[7]、2020年6月17日北の単線トンネルが貫通した。ドラウ谷線の接続駅となるミトレルン駅は移転されて、2020年9月7日新たに開業された[8]

運行形態[編集]

グラーツ - ヴェアンドルフ - ヴェトマンシュテッテン - ヴィースの系統で運行される。平日は1~2時間に1本運行されるが、土曜日は一日2往復のみとなり、休日は運行されない。ヴェアンドルフ以北は502号線に、ヴェトマンシュテッテン以西はヴィース線に直通する。

駅一覧[編集]

以下では、コーラルム線の駅と営業キロ、停車列車、接続路線などを一覧表で示す(開業済の区間のみ)。

路線名 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 所在地
550 ヴェアンドルフ駅 - 0.0 502号線 シュタイアーマルク州 グラーツ郊外郡
ヘンクスベルク駅 6.1 6.1   ライブニッツ郡
ヴェトマンシュテッテン駅 6.8 12.9 ヴィース線 ドイチュランツベルク郡

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “Die Koralpenbahn” (ドイツ語). Graz-Köflacher-Bergbaugesellschafts-Zeitung (Heft 16): pp. 241~243. (1930年2月22日) 
  2. ^ Thomas Wieser (2009年3月20日). “Kärnten rückt immer näher” (ドイツ語). Kleine Zeitung: p. 63 
  3. ^ Christian Oitzl (2008年8月). “Koralmbahn aktuell”. Drehscheibe: Das Mitarbeiter-Magazin der Graz-Köflacher Bahn und Busbetrieb GmbH (No. 39): pp. 12, 13. https://www.gkb.at/index.php/drehscheibe?start=15. 
  4. ^ Christian Oitzl (2011年1月). “Koralmbahn aktuell”. Drehscheibe: Das Mitarbeiter-Magazin der Graz-Köflacher Bahn und Busbetrieb GmbH (No. 53): pp. 21, 22. https://www.gkb.at/index.php/drehscheibe?start=12. 
  5. ^ Neues auf Schiene und Straße” (ドイツ語). Kleine Zeitung (2010年4月26日). 2014年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月9日閲覧。
  6. ^ Finaler Tunneldurchschlag” (ドイツ語). ÖBB-Infrastruktur Aktiengesellschaft. 2023年6月10日閲覧。
  7. ^ Koralmtunnel-Durchschlag in der Südröhre geglückt” (ドイツ語). Salzburger Nachrichten Medien GmbH & Co. KG (2018年8月14日). 2023年6月10日閲覧。
  8. ^ Koralmbahn: Abschnitt in Kärnten jetzt in Betrieb” (ドイツ語). DVV Media Group GmbH (2020年12月8日). 2023年6月9日閲覧。