クエレブレ

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クエレブレ(el Cuelebre)は、スペインアストゥリアス地方では「竜」という意味の語であり、後に固有名詞にもなった(ちなみにスペイン語でculebraなら蛇の意となり、竜は「Dragón」である。)。

概要[編集]

この竜は主に森や地下洞窟や源泉に住んでいるという。 その体は、弾丸すらはじき飛ばすほど堅い鱗に覆われ、飛ぶことのできる羽を持ち、吐息でを放ち、叫び声ははるか遠くまで響き渡る。 どんどん大きく成長し、鱗もより堅くなり、地上で生きることが難しくなると、閉ざされたはるか海の彼方に移り住む。若い個体は、家畜や人間を襲い血を吸うこともある。

アストゥリアスのメタス・デ・コンには「クエレブレの洞窟」という名の3つ穴の洞窟がある。カラビア県にあるフォンドル泉ではクエレブレの泣き声が聞こえるという。

強暴なクエレブレばかりとは限らない。金髪の姿の水の妖精シャナという妖精(元は人間である。クエレブレの力で転生して長き生を得た。シャナの項を参照の事。)[1]と一緒にいてくれるだけでいいという竜でもある。 アストゥリアス州クデェロ郡ブラーニャセカ洞窟の竜は村人が家畜が食べられないようにとうもろこしやライ麦のパンをクエレブレに与える。村人がクエレブレに餌を与えるときは決まってこう歌うという。

お口をあけよ クレブロン トウモロコシパンだよ さあ食べな  (竹原威滋・丸山顯德編「世界の龍の話」p195.より)

このような竜であるため代わりに針を入れたパンで殺されたり、パンの代わりに与えた焼いた石でクエレブレは死んだという(海に逃げて助かった例もある)。

脚注[編集]

  1. ^ 「世界の龍の話」では「シャナを養う」とある。竹原威滋・丸山顯德編「世界の龍の話」p197.より

参考文献[編集]

  • 竹原威滋・丸山顯德編「世界の龍の話」三弥井書店,2002,pp195-198.
  • A.M. エスピノーサ編、三原幸久編・訳「スペイン民話集」岩波書店 (岩波文庫) ,1989.

関連項目[編集]