クイック・クレイ

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クイック・クレイ(くいっくくれい、quick clay、クイック・クレー)とは、N値0よりも柔らかく、揺さぶるだけで泥水となる粘土[1]である。一般の粘土の鋭敏比が2-4で、風化粘土が10以下であるのに対し、鋭敏比が16以上となる(鋭敏比500という例もある)。表面強度が1t/㎡以下である。

分類
Stが8以上の粘土を鋭敏粘土(sensitive clay)、10以上を超鋭敏粘土、16を超える粘土をクイッククレイと呼ぶ。
成因
海中で堆積した粘土から水によって吸着力の弱いナトリウムイオンが流されて、水素粘土が出来る[2]火山灰分解物もある。
世界での分布
北欧およびカナダなどで広く分布し、地すべりも多発している。
日本での分布
第3紀泥岩など東日本中心。有明海沿岸の沖積粘性土にはStが50以上に達するものがある[3]春日部市の地下9-19mに存在していることもわかっているが、調査が進んでいない。
  • 代表的な事件
    • 1893年5月19日ノルウェーで116人が犠牲になる。
    • 1953年12月23日ノルウェ-のウレンザッカ-地すべりが起こり、平均9mの深さの直径約150mの地域から、土量10万㎥が流出した。
    • 1971年5月4日カナダのケベック州で31人が犠牲になる。(Saint-Jean-Vianney)
  • 国民的影響・・・春日部市で液状化する地盤のさらに下に分布している例が見つかり、地震の時に単なる液状化ではすまない可能性がある。同一の条件にある場所は多数あり他にも存在する可能性も憂慮されている。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 地学英和用語辞典(1998)
  2. ^ Bjerrum, L.: Engineering Geology of Norwegian normally-consolidated marine clays as related to settlements of buildings, Geotechnique, Vol.17, No.2, pp.173-211, 1967
  3. ^ 有明粘土はスメクタイト由来でクイッククレイになりにくいはずなので、原因解明中である粘土地盤の堆積環境と工学的性質について 佐賀大学農学部准教授 近藤文義