キアタママーモセット

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キアタママーモセット
キアタママーモセット
キアタママーモセット Callithrix flaviceps
保全状況評価[1][2][3]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
: オマキザル科 Cebidae
亜科 : マーモセット亜科 Callitrichinae
: コモンマーモセット属 Callithrix
: キアタママーモセット
C. flaviceps
学名
Callithrix flaviceps (Thomas, 1903)[3]
和名
キアタママーモセット[4][5]
英名
Bufty-headed marmoset[3][5][6]

キアタママーモセット (Callithrix flaviceps) は、哺乳綱霊長目オマキザル科コモンマーモセット属に分類される霊長類。

分布[編集]

ブラジル南東部(エスピリトサント州ミナスジェライス州[3][6]

形態[編集]

頭胴長(体長)17 - 25センチメートル[6]。尾長33.5 - 37.3センチメートル[6]体重220 - 430グラム[6]。側頭部や頬、耳毛は伸長する[7]。頭頂部や顔の側面・頬は黄褐色[6]。耳毛は黄色[7]。種小名flavicepsは「黄色い頭」の意[7]。背面は濃淡のある灰色、胸部から腹部は黄色や橙色[6]

分類[編集]

以前はコモンマーモセットの亜種とされていた[6][7]。独立種とする分類を採用した文献で、本種の和名をキイロミミマーモセットとして掲載していることもある[6]。日本哺乳類学会(2018)の標準和名および日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ(2019)では、本種の和名をキアタママーモセットとしている[4][5]

生態[編集]

下生えが密生して藪状の森林や林縁・河辺林やその周辺にあるやや乾燥した疎林などに生息する[6]昼行性で、夜間になると樹洞で休む[6]。樹上を跳躍して移動するが、開けた場所では地表伝いに移動する事もある[6]

昆虫、樹脂、果実などを食べる[6]。幹や太い枝に穴を開け、樹脂が出てくるのを待ってから食べる[6]

繁殖様式は胎生。1回に2頭の幼獣を、年に2回に分けて産む[6]

人間との関係[編集]

都市開発や農地開発・植林・ダム建設などによる生息地の破壊、ペット用の採集、黄熱の流行により生息数が激減している[3]。同属他種の移入による遺伝子汚染も影響も懸念されている[3]。1977年に、ワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]

出典[編集]

  1. ^ Appendices I, II and III (valid from 26 November 2019)<https://cites.org/eng> (downroad 07/30/2020)
  2. ^ a b UNEP (2020). Callithrix flaviceps. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 07/30/2020)
  3. ^ a b c d e f Ferrari, S., Mendes, S.L. & Rylands, A.B. 2020. Callithrix flaviceps. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T3571A17936805. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T3571A17936805.en. Downloaded on 30 July 2020.
  4. ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  5. ^ a b c 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(公開日2018年12月16日・2020年7月30日閲覧)
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 伊沢紘生 「キイロミミマーモセット」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ2 アマゾン』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2001年、114-115頁。
  7. ^ a b c d 岩本光雄「サルの分類名(その6:マーモセット科)」『霊長類研究』第4巻 1号、日本霊長類学会、1988年、134-144頁。

関連項目[編集]