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「みずがめ座U星」の版間の差分

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2021年3月13日 (土) 04:50時点における版

みずがめ座U星[1]
U Aquarii[2]
星座 みずがめ座
見かけの等級 (mv) 11.17[2]
(変光)10.6 - 15.9[3]
変光星型 RCB[2][3]
分類 赤色巨星[1]炭素星[2]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  22h 03m 19.6990459470s[4]
赤緯 (Dec, δ) −16° 37′ 35.281076709″[4]
赤方偏移 0.000299[2]
視線速度 (Rv) +89.49 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 2.780 ミリ秒/年[4]
赤緯: -1.907 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 0.0859 ± 0.0222ミリ秒[4]
(誤差25.8%)
距離 約17,000光年[注 1]
約38,000光年[注 2]
みずがめ座U星の位置
物理的性質
スペクトル分類 C-Hd[2]
他のカタログでの名称
Template (ノート 解説) ■Project

みずがめ座U星[1] (U Aquarii, U Aqr[2]) は、みずがめ座の領域にある赤色巨星で、かんむり座R型変光星に分類される変光星恒星大気中の炭素の存在量が酸素よりも多い「炭素星」に分類される。太陽系からの距離は、ガイア計画の第2回データリリースの年周視差からは17,000光年、第3回初期データリリースからは38,000光年と、未だ十分に定まっていない。

恒星大気のスペクトル観測により、s過程で生成される元素のうち、ルビジウムストロンチウムイットリウムジルコニウムなどの軽い元素は多く見られるが、バリウムなどの重い元素は少ないという珍しい特徴を持つことが知られている[5]。そのため、通常の漸近巨星分枝星ではなく、赤色巨星の中心核に中性子星が合体してできるとされる仮説上の天体「ソーン-ジトコフ天体」の候補天体とされた[1][5]。1999年の研究では、モリブデン亜鉛などの元素が少ないことからソーン-ジトコフ天体の有力候補ではないとされ、そのs過程元素のパターンは櫻井天体に似ているとされた[5]

注釈

  1. ^ GaiaDR2の年周視差[2]から、1÷年周視差(秒)×3.2615638で計算。星間減光は考慮していない。
  2. ^ GaiaEDR3の年周視差[4]から、1÷年周視差(秒)×3.2615638で計算。星間減光は考慮していない。

出典

  1. ^ a b c d 鳴沢真也『連星から見た宇宙 超新星からブラックホール、重力波まで』講談社ブルーバックス〉、2020年12月17日、161頁。ISBN 978-4065213544 
  2. ^ a b c d e f g h i V* U Aqr -- Variable Star of R CrB type”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2021年3月13日閲覧。
  3. ^ a b Samus’, N. N.; Kazarovets, E. V.; Durlevich, O. V.; Kireeva, N. N.; Pastukhova, E. N. (2017). “General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. ISSN 1063-7729. http://vizier.u-strasbg.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ604c288801ef&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=1459. 
  4. ^ a b c d e f Gaia Collaboration. “Gaia data early release 3 (Gaia EDR3)”. VizieR On-line Data Catalog: I/350. Bibcode2020yCat.1350....0G. http://vizier.u-strasbg.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ604c2ecf9de6&-out.add=.&-source=I/350/gaiaedr3&-c=330.83209225156%20-16.62647544030,eq=ICRS,rs=2&-out.orig=o. 
  5. ^ a b c Vanture, Andrew D.; Zucker, Daniel; Wallerstein, George (1999). “Is U Aquarii a Thorne‐Żytkow Object?”. The Astrophysical Journal 514 (2): 932–938. Bibcode1999ApJ...514..932V. doi:10.1086/306956. ISSN 0004-637X.