「日本食品標準成分表」の版間の差分

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* 2010年(平成22年) 『日本食品標準成分表2010』、食品数1878。FAO報告書と[[厚生労働省]]の[[日本人の食事摂取基準|食事摂取基準]]に則り、成分値の項目に「アミノ酸組成によるたんぱく質」「トリアシルグリセロール当量」「ヨウ素」「セレン」「クロム」「モリブデン」「ビオチン」の計7項目を追加する<ref name="JFOOD1">[http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/11/1299182.htm 日本食品標準成分表等の改訂について](文部科学省、2010年11月16日)</ref>。
* 2010年(平成22年) 『日本食品標準成分表2010』、食品数1878。FAO報告書と[[厚生労働省]]の[[日本人の食事摂取基準|食事摂取基準]]に則り、成分値の項目に「アミノ酸組成によるたんぱく質」「トリアシルグリセロール当量」「ヨウ素」「セレン」「クロム」「モリブデン」「ビオチン」の計7項目を追加する<ref name="JFOOD1">[http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/11/1299182.htm 日本食品標準成分表等の改訂について](文部科学省、2010年11月16日)</ref>。
* 2015年(平成27年) 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』、食品数2191。15年ぶりに食品数が増加。成分項目に「利用可能炭水化物(単糖当量)を追加し、別冊として「炭水化物成分表編」を新設<ref>[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)について]</ref><ref>[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/04/01/1369255_summary.pdf 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)] パンフレット</ref>。
* 2015年(平成27年) 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』、食品数2191。15年ぶりに食品数が増加。成分項目に「利用可能炭水化物(単糖当量)を追加し、別冊として「炭水化物成分表編」を新設<ref>[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)について]</ref><ref>[http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/04/01/1369255_summary.pdf 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)] パンフレット</ref>。

== 各訂の比較について ==
日本食品標準成分表の、特に初訂と比較して、野菜の栄養が減少していると主張する事が、多々見受けられる<ref name=":0">{{Cite web|url=https://www.otsuka.co.jp/nmd/fact/nutrition.html|title=ネイチャーメイド 公式サイト {{!}} 大塚製薬|accessdate=2018-09-08|website=ネイチャーメイド 公式サイト {{!}} 大塚製薬|language=ja}}</ref>が、基本的には、野菜の栄養は減少していない<ref>{{Cite web|url=http://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/0811/joho01.html|title=月報 野菜情報-情報コーナー-2008年11月|accessdate=2018-09-08|website=vegetable.alic.go.jp}}</ref>。

日本食品標準成分表は(最新のデータを用いて)”国民が日常摂取する食品の成分を明らかにする”(七訂より)のが目的であり、各訂間の比較は全く考慮していない。測定技術の進歩や、昔は旬だけだったのが、現在は通年流通することによる変化(旬を外れると栄養価が低下することがある)、品種の変化その他、様々な理由で、見かけ上、栄養価が低下したように見えることがある。ちなみに、ニンジンの場合、在来種([[金時にんじん|きんとき]])より、現在主流の品種([[西洋人参]])の方が、カロテンが豊富である。

* 初訂は、測定技術の問題もあるが、そもそも、データそのものも乏しく、測定方法も様々である。改訂は初訂のわずか4年後に発行されたものであるが、初訂のデータに、その後収集されたデータを追加したものである。その際、無機質(鉄とリン)が初訂と大きく異なることが明記されている<ref>{{Cite web|url=https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000026847.pdf|title=[PDF]日本の食品成分表からみた食品の特徴(PDF:733KB)|accessdate=2018/09/08|author=渡邊智子|publisher=}}</ref>。

* ビタミンCは、測定技術の進歩により測定データが低くなる為、ビタミンCの減少は、測定技術の進歩で説明できることも多い<ref>{{Cite journal|last=小島|author=|first=彩子|last2=佐藤|first2=陽子|last3=橋本|first3=洋子|last4=中西|first4=朋子|last5=梅垣|first5=敬三|year=|date=2010|title=日本食品標準成分表の改訂に伴う野菜中のビタミンC収載値の変動に対する分析法の影響|url=https://doi.org/10.5264/eiyogakuzashi.68.141|journal=栄養学雑誌|volume=68|issue=2|page=|pages=141–145|language=ja|doi=10.5264/eiyogakuzashi.68.141|issn=1883-7921}}</ref>。
* ビタミンAの値は、改定までは、カロテンの値をそのまま用いており、実際の栄養価を計算する際には利用効率を考慮して2分の1で計算するように記載されている。第7訂では、利用効率等を考慮して、ビタミンAの値はカロテンの値の6分の1(カロテン当量の場合はレチノール当量への変換値と合わせて12分の1)で記載されている。このことに気が付かずに、初訂の値を、そのまま現在の値と比較していることが多々見受けられる<ref name=":0" />。現在、カロテン当量は、α-カロテンとβ-カロテンだけでなく、β-クリプトキサンチンも合わせて計算している。


==他の成分表==
==他の成分表==

2018年9月8日 (土) 11:57時点における版

日本食品標準成分表(にほんしょくひんひょうじゅんせいぶんひょう、: Standard Tables of Food Composition in Japan)は、文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会が調査して公表している日常的な食品の成分に関するデータである。略して食品成分表とも称される。2015年の七訂版が最新である。

食品可食部100g当たりの食品成分の含量などが示されている。学校や病院などの給食業務で栄養素を計算する上で重要な資料のひとつである。一般的な健康食品等における「○○何個(何グラム)分」との成分表示はこの表を参考に算出されている。

エネルギーの表記単位

個々の食品のエネルギーの単位は、キロジュール(kJ)とキロカロリー(kcal)の両方で記載されている。キロジュールが国際単位系(SI)によるもので、キロカロリーは国際単位系は認めていないが計量法で認めている。

なお、アメリカ合衆国農務省の食品成分表であるen:USDA National Nutrient Database[1]では、キロジュールのみである。

改訂の歴史

  • 1931年(昭和6年) 『日本食品成分総覧』を佐伯矩が出版する。食品数1045。
  • 1947年(昭和22年) 『暫定標準食品栄養価分析表』、食品数が104と少なく不便であった。
  • 1950年(昭和25年) 『日本食品標準成分表』を公表する。食品数538。
  • 1954年(昭和29年) 『改訂日本食品標準成分表』、食品数695。
  • 1963年(昭和38年) 『三訂日本食品標準成分表』、食品数878。たんぱく質の評価基準である国際連合食糧農業機関(FAO)のプロテインスコアをとり入れる。
  • 1982年(昭和57年) 『四訂日本食品標準成分表』、食品数1621。世界保健機関(WHO)/FAOが発表したアミノ酸スコアの1973年版を採用する。
  • 2000年(平成12年) 『五訂日本食品標準成分表』、食品数1882。WHO/FAO/UNU(国際連合)によって発表されたアミノ酸スコア1985年版を採用する。
  • 2005年(平成17年) 『五訂増補日本食品標準成分表』、食品数1878。
  • 2010年(平成22年) 『日本食品標準成分表2010』、食品数1878。FAO報告書と厚生労働省食事摂取基準に則り、成分値の項目に「アミノ酸組成によるたんぱく質」「トリアシルグリセロール当量」「ヨウ素」「セレン」「クロム」「モリブデン」「ビオチン」の計7項目を追加する[2]
  • 2015年(平成27年) 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』、食品数2191。15年ぶりに食品数が増加。成分項目に「利用可能炭水化物(単糖当量)を追加し、別冊として「炭水化物成分表編」を新設[3][4]

各訂の比較について

日本食品標準成分表の、特に初訂と比較して、野菜の栄養が減少していると主張する事が、多々見受けられる[5]が、基本的には、野菜の栄養は減少していない[6]

日本食品標準成分表は(最新のデータを用いて)”国民が日常摂取する食品の成分を明らかにする”(七訂より)のが目的であり、各訂間の比較は全く考慮していない。測定技術の進歩や、昔は旬だけだったのが、現在は通年流通することによる変化(旬を外れると栄養価が低下することがある)、品種の変化その他、様々な理由で、見かけ上、栄養価が低下したように見えることがある。ちなみに、ニンジンの場合、在来種(きんとき)より、現在主流の品種(西洋人参)の方が、カロテンが豊富である。

  • 初訂は、測定技術の問題もあるが、そもそも、データそのものも乏しく、測定方法も様々である。改訂は初訂のわずか4年後に発行されたものであるが、初訂のデータに、その後収集されたデータを追加したものである。その際、無機質(鉄とリン)が初訂と大きく異なることが明記されている[7]
  • ビタミンCは、測定技術の進歩により測定データが低くなる為、ビタミンCの減少は、測定技術の進歩で説明できることも多い[8]
  • ビタミンAの値は、改定までは、カロテンの値をそのまま用いており、実際の栄養価を計算する際には利用効率を考慮して2分の1で計算するように記載されている。第7訂では、利用効率等を考慮して、ビタミンAの値はカロテンの値の6分の1(カロテン当量の場合はレチノール当量への変換値と合わせて12分の1)で記載されている。このことに気が付かずに、初訂の値を、そのまま現在の値と比較していることが多々見受けられる[5]。現在、カロテン当量は、α-カロテンとβ-カロテンだけでなく、β-クリプトキサンチンも合わせて計算している。

他の成分表

アミノ酸成分表
  • 1966年(昭和41年) 『日本食品アミノ酸組成表』
  • 1986年(昭和61年) 『改訂日本食品アミノ酸組成表』
  • 2010年(平成22年) 『日本食品標準成分表準拠 アミノ酸成分表2010』[2]
  • 2015年(平成27年) 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編』
脂肪酸成分表
  • 1989年(平成元年) 『日本食品脂溶性成分表-脂肪酸、コレステロール、ビタミンE-』
  • 2005年(平成17年) 『五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編』
  • 2015年(平成27年) 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編』
炭水化物成分表
  • 2015年 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)炭水化物成分表編』

出典

  1. ^ Welcome to the USDA National Nutrient Database for Standard Reference
  2. ^ a b 日本食品標準成分表等の改訂について(文部科学省、2010年11月16日)
  3. ^ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)について
  4. ^ 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂) パンフレット
  5. ^ a b ネイチャーメイド 公式サイト | 大塚製薬”. ネイチャーメイド 公式サイト | 大塚製薬. 2018年9月8日閲覧。
  6. ^ 月報 野菜情報-情報コーナー-2008年11月”. vegetable.alic.go.jp. 2018年9月8日閲覧。
  7. ^ 渡邊智子. “[PDF日本の食品成分表からみた食品の特徴(PDF:733KB)]”. 2018年9月8日閲覧。
  8. ^ 小島, 彩子、佐藤, 陽子、橋本, 洋子、中西, 朋子、梅垣, 敬三「日本食品標準成分表の改訂に伴う野菜中のビタミンC収載値の変動に対する分析法の影響」『栄養学雑誌』第68巻第2号、2010年、141–145頁、doi:10.5264/eiyogakuzashi.68.141ISSN 1883-7921 

関連項目

外部リンク

その他