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カイパロウィッツ累層ユタ州のグランド・ステアーケースエスカランテ国立記念公園にあるカイパロウィッツ平原で見られる白亜紀後期カンパニアン地層。850 m以上の厚みがある。ララミディア大陸南部の巨大な川の沖積氾濫原の環境を保存している。砂岩は川、泥岩は氾濫原の堆積物であることを示す。地層の下半分からは多くの化石標本が発見されている。しかし探検は比較的最近に限られ、ほとんどの探検は1982年に終えられている。この地層に保存された化石のうち発見されているのは10%以下と見積もられている。ほとんどのフィールドワークはユタ自然史博物館の主導で行われている。

年代

伝統的にカイパロウィッツ累層はダイナソーパーク累層北部と層序的に同等と見なされていた。この異なる二つの地層の生物相の組み合わせは、何人かの科学者によって当たり前のように用いられて来た。スコット・サンプソンは、当時、ララミディア大陸は何かしらの移動障壁により南北に分け隔てられていたので、見つかる動物が共通しないのだと説明した。しかしながら、実際にはカイパロウィッツ累層上部からはダイナソーパーク累層で見つかるものよりも新しい年代の個性的な動物種の化石がいくつも見つかっており、そのうちいくつかの種はダイナソーパークで見つかる種の子孫であると思われる[1]

この堆積情報を考慮すると、カイパロウィッツ累層は約7680万~7430万年前というのがより正確に近いと思われる[1]

動物相

コスモケラトプスタロスに安らぎを邪魔されるの図

動物は軟骨魚類 (サメとエイ)、ガーアミアチョウザメカエルサンショウウオカメトカゲクロコダイル (デイノスクスを含む)[2]トロオドン類ドロマエオサウルス類オルニトミムス類鳥類ティラノサウルス類のようなコエルロサウルス類獣脚類アンキロサウルス類パラサウロロフスやその他のハドロサウルス類ケラトプス類、そして多丘歯類有袋類食虫類等々多様な種類の哺乳類が共存していた[3]。最近ではグリポサウルスの未だかつてないほど巨大な標本が発見されており[4]G. monumentensisとして発表された[4]。そして新種のオヴィラプトル類、ハグリフス・ギガンテウスが記載された[5]

生痕化石もカイパロウィッツ累層から知られている。すばらしく保存状態の良いハドロサウルス類の皮膚痕がヘレロとファルケによって報告されている[6]

鳥盤類

カイパロウィッツ累層から報告されている鳥盤類
場所 層序 標本 メモ 画像

グリポサウルス[7]

G. monumentensis[7]

クリトサウルス族 サウロロフス亜科 ハドロサウルス科

パラサウロロフス・キルトクリスタトゥス
未記載の鳥脚類

コスモケラトプス[8]

K. richardsoni

カスモサウルス亜科 ケラトプス科

ナーストケラトプス[9]

N. titusi

上部の中部ユニット

セントロサウルス亜科 ケラトプス科

パラサウロロフス[10]

P. cyrtocristatus[10]

パラサウロロフス族 ランベオサウルス亜科 ハドロサウルス科

ユタケラトプス[8]

U. gettyi

カスモサウルス亜科 ケラトプス科

  1. ^ a b Fowler, D. (2016). [A new correlation of the Cretaceous formations of the Western Interior of the United States, I: Santonian-Maastrichtian formations and dinosaur biostratigraphy. Peer J Preprints.
  2. ^ FIRST REPORT OF THE HYPER-GIANT CRETACEOUS CROCODYLIAN DEINOSUCHUS FROM UTAH”. gsa.confex.com. 2016年3月27日閲覧。
  3. ^ Eaton, Jeffrey G.; Cifelli, Richard L.; Hutchinson, J. Howard; Kirkland, James I.; Parrish, J. Michael (1999). “Cretaceous vertebrate faunas from the Kaiparowits Plateau, south-central Utah”. In Gillete, David D. (ed.). Vertebrate Paleontology in Utah. Miscellaneous Publication 99-1. Salt Lake City: Utah Geological Survey. pp. 345–353. ISBN 1-55791-634-9 
  4. ^ a b Gates, Terry; Sampson, Scott (2006). “A new species of Gryposaurus (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Upper Campanian Kaiparowits Formation of Utah”. Journal of Vertebrate Paleontology 26 (3, Suppl.): 65A. doi:10.1080/02724634.2006.10010069. 
  5. ^ Zanno, Lindsay E.; Sampson, Scott D. (2005). “A new oviraptorosaur (Theropoda; Maniraptora) from the Late Cretaceous (Campanian) of Utah”. Journal of Vertebrate Paleontology 25 (4): 897–904. doi:10.1671/0272-4634(2005)025[0897:ANOTMF]2.0.CO;2. 
  6. ^ Herrero, Lucia; Farke, Andrew A (2010). “Hadrosaurid Dinosaur Skin Impressions from the Upper Cretaceous Kaiparowits Formation of Southern Utah, USA.”. PalArch's Journal of Vertebrate Palaeontology 7 (2): 1–7. 
  7. ^ a b 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「talos」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  8. ^ a b Sampson, S. D.; Loewen, M. A.; Farke, A. A.; Roberts, E. M.; Forster, C. A.; Smith, J. A.; Titus, A. L. (2010). Stepanova, Anna. ed. “New Horned Dinosaurs from Utah Provide Evidence for Intracontinental Dinosaur Endemism”. PLoS ONE 5 (9): e12292. doi:10.1371/journal.pone.0012292. PMC 2929175. PMID 20877459. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2929175/. 
  9. ^ Sampson, SD; Lund, EK; Loewen, MA; Farke, AA; Clayton, KE (2013). “A remarkable short-snouted horned dinosaur from the Late Cretaceous (late Campanian) of southern Laramidia”. Proc R Soc B 280: 20131186. doi:10.1098/rspb.2013.1186. PMC 3730592. PMID 23864598. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3730592/. 
  10. ^ a b 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「kaip」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません