国立科学技術センター

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国立科学技術センター

国立科学技術センターこくりつかがくぎじゅつセンター、英語名 – the National Science and Technology Centre)は、オーストラリア首都キャンベラの中心に立地する国立の科学館。愛称はクエスタコン(Questacon)[1]。国立科学技術センターは日豪友好記念事業の一環として建設された施設である[1]

概要[編集]

オーストラリア連邦政府(教育科学訓練省)の機関。1988年11月23日にオープンした。オーストラリア建国200周年祭(1988年)を記念した共同事業として、総建設費2000万オーストラリア・ドルのうち半分(約10億円)を日本の官民が拠出して建設された[1]。入口に友好記念碑があり、正式名称は「国立科学技術センター<豪日共同200周年プロジェクト>」となっている。以来、日豪友好の象徴的施設として、日本の2つの科学館と協力協定を結んでいるほか、さまざまな協力イベントが行われている。

愛称のクエスタコンはクエスト(探求)とコン(学ぶの接尾辞)を合わせた造語である[1]

年間41万人の入場者があり、有料入場者数はキャンベラ最大、通算600万人を超える。このうち11万人は学校訪問(1,902校)で訪れる全国の子供たち。公式ホームページは年間200万回のアクセスがある。

2008年に開館20周年を迎えた。

キャンベラにある本館のほか、シドニーにあるサイエンス・スコード、キャンベラの本館から5km離れた位置にあるQTLC(クエスタコン・テクノロジー・ラーニング・センタ ー)の2つの分館を有する[1]

本館[編集]

構成[編集]

6つの展示ホール、2つのショー用劇場及びワークショップ室からなる。ロビーの壁に日本からの資金拠出企業、団体のリストあり。劇場は、日本劇場(Japan Theatre)と名付けられている。日本から寄贈したからくり人形も展示されている。

展示物[編集]

館内全部で200以上。見るだけでなく、実際に手で触るなど科学の原理・原則を「体験」する展示が中心。主としてセンターのスタッフにより、センター内の工房にて設計、製作。移動用展示物も有し、全国及び海外をまわって展示。

所在地[編集]

King Edward Terrace, Canberra ACT2600。

新旧の国会議事堂のほか、国立博物館、国立図書館、国立美術館、国立公文書館などが重要な連邦機関が集まる地域であり、建設時におけるオーストラリア側の本施設に対する優先順位の高さを象徴している。

年表[編集]

  • 1988年 開館直前に、当時の日本の内閣総理大臣竹下登が訪問。開館記念式典には、ホーク首相のほか、経済団体連合会(現日本経団連)会長の斎藤英四郎等が出席。
  • 1998年
    • 3月、海洋科学技術センター(当時:JAMSTEC)の海洋科学技術研究船「みらい」のシドニー寄港にあわせ、特別展示等のイベント実施。
    • 10月、宇宙開発事業団(当時:NASDA)等の協力により、宇宙の特別展示プログラムSpaceQuestを実施。開館10周年記念式典に竹下登衆議院議員、平岩外四元経団連会長等が出席。
  • 2000年 3月、国立科学博物館との間で友好協定を署名。
  • 2002年
  • 2006年 日豪交流年(日豪友好協力基本条約締結30周年を記念)の記念イベントとして、日本科学未来館との協力により「革新:オーストラリアと日本の協力展」の製作、展示を実施。
  • 2007年
    • 1月、日本の南極地域観測50周年と国際極年(International Polar Year)を記念し、南極大陸訪問中の日本科学未来館館長毛利衛と、日本科学未来館、クエスタコン、タイ王国の科学館を中継で結んだイベントを実施。
    • 5月、日本との長年の協力が認められ、国際博物館会議豪州国内委員会国際関係賞を受賞。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e オーストラリア科学博物館調査報告 I-クエスタコン”. 大阪市立科学館. 2018年3月27日閲覧。

外部リンク[編集]

座標: 南緯35度17分54秒 東経149度7分53秒 / 南緯35.29833度 東経149.13139度 / -35.29833; 149.13139