豊松秀己
豊松 秀己(とよまつ ひでき、1953年12月28日 - )は、日本の経営者、原子力技術者、元関西電力取締役副社長、元きんでん監査役[1]。退任後、関西電力から総額19億円を超える損害賠償請求訴訟を受けた。福井県敦賀市在住[2]。
経歴
[編集]京都大学工学部で原子核工学を学び[3]、1978年4月に関西電力に入社[1]。
2003年6月、支配人、原子力事業本部副事業本部長となり、2005年7月には原子燃料サイクル室長を併任、翌2006年6月に執行役員に昇任、2009年6月に常務取締役、2011年6月に取締役副社長となった[4]。2011年、きんでん監査役を併任[4]。このほか、電気事業連合会原子力開発対策委員長なども務めた[5]。
2011年の関西電力の株主総会では、関西電力の原子炉について、「堅牢な格納容器を持って」おり、北朝鮮のテポドンなどのミサイル攻撃にも耐えられると説明し、メディアの注目を集めた[6]。
関西電力エグゼクティブフェローとして規定を大幅に上回る月額490万円の報酬を受けていたが、金品受領問題が発覚して2019年に非常勤嘱託なり、2020年に経営責任を取り嘱託の職を辞任した[7][8][9]。
2016年、フランス政府国家功労勲章オフィシエを受章[10]。
金銭受領・便宜供与問題
[編集]2019年に、2011年から2018年にかけて高浜原子力発電所がある福井県大飯郡高浜町の森山栄治助役から、八木誠会長や、岩根茂樹社長、森中郁雄副社長らとともに、「原発マネー」と思われる3億2千万円を受け取とっていたことが明らかになり、菅原一秀経済産業大臣から「言語道断。ゆゆしき事態だ」と批判を受けた[11][12]。なお、判明している分だけで1億1057万円相当を受け取っていた[13][14]。2020年善管注意義務違反があったとして、関西電力から総額19億3600万円の損害賠償請求訴訟が大阪地方裁判所になされた[15][16]。
脚注
[編集]- ^ a b “関西電力 【東証1部:9503】「電気・ガス業」役員構成”. Ullet. 2014年6月27日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “学科同窓会一覧”. 京都大学工学部・大学院工学研究科. 2014年6月27日閲覧。
- ^ a b “役員名:豊松秀己”. Ullet. 2014年6月27日閲覧。
- ^ “原子力緊急事態支援機関(原子力レスキュー)の整備に係る提言活動を実施します”. 福井県 (2013年2月1日). 2014年6月27日閲覧。
- ^ “関電の原発は「テポドン」にも耐えられる! 株主総会で失笑、ワイドショーのネタに”. J-CAST, Inc. (2011年7月6日). 2014年6月27日閲覧。
- ^ 役員人事関西電力
- ^ 関電75人に3.6億円相当 第三者委報告 高浜町元助役から金品東京新聞2020年3月15日 朝刊
- ^ 経営責任について関西電力
- ^ “関西電力の豊松秀己副社長が国家功労勲章を受章”. 駐日フランス大使館 (2019年1月17日). 2021年6月15日閲覧。
- ^ 「関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」」東京新聞2019年9月27日 夕刊
- ^ 「関電会長らに1億8千万円 「原発マネー」還流か 元高浜町助役から6人 (1/2ページ)」産経新聞2019.9.27 07:10
- ^ 関電金品受領、1億円超は2人…金貨や小判も読売新聞
- ^ 「関電の金品受領、元副社長が最多」2019/09/27
- ^ 当社旧取締役に対する損害賠償請求訴訟の提起について関西電力
- ^ 「岩根前社長ら旧経営陣5人を提訴へ 関電が発表 19億3600万円賠償求め」毎日新聞2020年6月15日
外部リンク
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