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'''鈴木 靖民'''(すずき やすたみ、[[1941年]] - )は、日本の[[歴史学者]](日本古代史、東北アジア古代史)、[[國學院大學]]名誉教授。[[横浜市歴史博物館]]館長。
'''鈴木 靖民'''(すずき やすたみ、[[1941年]][[7月30日]]<ref>『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.323</ref> - )は、日本の[[歴史学者]](日本古代史、東北アジア古代史)、[[國學院大學]]名誉教授。[[横浜市歴史博物館]]館長。

==略歴==
==略歴==
[[北海道]]生まれ。1964年國學院大學文学部史学科卒、69年同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。國學院大學文学部助教授、教授、87年「古代対外関係史の研究」で國學院大學[[文学博士]]。2012年定年退任。2011年7月より第3代[[横浜市歴史博物館]]館長。2013年『倭国史の展開と東アジア』で[[角川源義賞]]受賞。
[[北海道]]生まれ。1964年國學院大學文学部史学科卒、1969年同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。國學院大學文学部助教授、教授、1987年「古代対外関係史の研究」で國學院大學[[文学博士]]。2012年定年退任。2011年7月より第3代[[横浜市歴史博物館]]館長。2013年『倭国史の展開と東アジア』で[[角川源義賞]]受賞。


古代国家形成を[[文化人類学]]の首長制社会論を発展させて提唱。(「倭国史の展開と東アジア」 岩波書店 2012年 あとがき)そもそも、「[[石母田正]]氏の提起した在地首長制論を継承する同学の方々が独自の解釈を展開したのとは逆に、そのもとを探って米欧の研究に深入りした」(同書 あとがき)結果である。
古代国家形成を[[文化人類学]]の首長制社会論を発展させて提唱。(「倭国史の展開と東アジア」 岩波書店 2012年 あとがき)そもそも、「[[石母田正]]氏の提起した在地首長制論を継承する同学の方々が独自の解釈を展開したのとは逆に、そのもとを探って米欧の研究に深入りした」(同書 あとがき)結果である。また、「[[前方後円墳]]の巨大化は、基本的に共同体の代表としての継承資格を継承儀礼により獲得したことを、共同体成員に対してより明確に示すためになされたものであろう」(同書 第13章 P.347)と、独自の古代国家形成論から、一部の考古学者が主張する初期国家体制論を否定している。
また、「[[前方後円墳]]の巨大化は、基本的に共同体の代表としての継承資格を継承儀礼により獲得したことを、共同体成員に対してより明確に示すためになされたものであろう」(同書 第13章 P.347)と、独自の古代国家形成論から、一部の考古学者が主張する初期国家体制論を否定している。


==著書==
==著書==
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*『日本の古代国家形成と東アジア』吉川弘文館 2011
*『日本の古代国家形成と東アジア』吉川弘文館 2011
*『比較史学への旅 ガリア・ローマから古代日本へ』勉誠出版 2012
*『比較史学への旅 ガリア・ローマから古代日本へ』勉誠出版 2012
*『倭国史の展開と東アジア』岩波書店 2012
*『倭国史の展開と東アジア』岩波書店 2012
*『日本古代の周縁史 エミシ・コシとアマミ・ハヤト』岩波書店 2014
*『日本古代の周縁史 エミシ・コシとアマミ・ハヤト』岩波書店 2014
*『相模の古代史』高志書院 2014
*『相模の古代史』高志書院 2014
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*『梁職貢図と東部ユーラシア世界』金子修一共編 勉誠出版 2014
*『梁職貢図と東部ユーラシア世界』金子修一共編 勉誠出版 2014
*『日本古代の運河と水上交通』川尻秋生・鐘江宏之共編 八木書店出版部 2015
*『日本古代の運河と水上交通』川尻秋生・鐘江宏之共編 八木書店出版部 2015

==脚注==
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==参考文献==
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[[Category:日本の歴史学者]]
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2017年3月13日 (月) 08:30時点における版

鈴木 靖民(すずき やすたみ、1941年7月30日[1] - )は、日本の歴史学者(日本古代史、東北アジア古代史)、國學院大學名誉教授。横浜市歴史博物館館長。

略歴

北海道生まれ。1964年國學院大學文学部史学科卒、1969年同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。國學院大學文学部助教授、教授、1987年「古代対外関係史の研究」で國學院大學文学博士。2012年定年退任。2011年7月より第3代横浜市歴史博物館館長。2013年『倭国史の展開と東アジア』で角川源義賞受賞。

古代国家形成を文化人類学の首長制社会論を発展させて提唱。(「倭国史の展開と東アジア」 岩波書店 2012年 あとがき)そもそも、「石母田正氏の提起した在地首長制論を継承する同学の方々が独自の解釈を展開したのとは逆に、そのもとを探って米欧の研究に深入りした」(同書 あとがき)結果である。また、「前方後円墳の巨大化は、基本的に共同体の代表としての継承資格を継承儀礼により獲得したことを、共同体成員に対してより明確に示すためになされたものであろう」(同書 第13章 P.347)と、独自の古代国家形成論から、一部の考古学者が主張する初期国家体制論を否定している。

著書

  • 『古代国家史研究の歩み 邪馬台国から大和政権まで』新人物往来社 1980
  • 『古代対外関係史の研究』吉川弘文館 1985、オンデマンド版2013
  • 『日本の古代国家形成と東アジア』吉川弘文館 2011
  • 『比較史学への旅 ガリア・ローマから古代日本へ』勉誠出版 2012
  • 『倭国史の展開と東アジア』岩波書店 2012
  • 『日本古代の周縁史 エミシ・コシとアマミ・ハヤト』岩波書店 2014
  • 『相模の古代史』高志書院 2014

共編著

  • 『新版 古代の日本 第2巻 アジアからみた古代日本』田村晃一共編 角川書店 1992
  • 『NHKシリーズ 聖徳太子とその時代』遠山美都男共著 日本放送出版協会 1995
  • 『古代王権と交流 1 古代蝦夷の世界と交流』名著出版 1996
  • 『日本古代の国家と祭儀』林陸朗共編 雄山閣出版 1996
  • 『木簡が語る古代史』平野邦雄共編 吉川弘文館 1996-2001
  • 『烽の道 古代国家の通信システム シンポジウム』「古代国家とのろし」宇都宮市実行委員会/平川南共編 青木書店 1997
  • 『倭国と東アジア』日本の時代史 吉川弘文館 2002
  • 『シンポジウム倭人のクニから日本へ 東アジアからみる日本古代国家の起源』学生社 2004
  • 『古代日本の異文化交流』勉誠出版 2008
  • 円仁とその時代』高志書院 2009
  • 『古代東アジアの仏教と王権 王興寺から飛鳥寺へ』勉誠出版 2010
  • 『円仁と石刻の史料学 法王寺釈迦舎利蔵誌』高志書院 2011
  • 『古代東アジアの道路と交通』荒井秀規共編 勉誠出版 2011
  • 『日本古代の王権と東アジア』吉川弘文館 2012
  • 『日本古代の地域社会と周縁』吉川弘文館 2012
  • 『古代山国の交通と社会』吉村武彦・加藤友康共編 八木書店出版部 2013
  • 『訳註 日本古代の外交文書』金子修一・石見清裕・浜田久美子共編 八木書店出版部 2014
  • 『梁職貢図と東部ユーラシア世界』金子修一共編 勉誠出版 2014
  • 『日本古代の運河と水上交通』川尻秋生・鐘江宏之共編 八木書店出版部 2015

脚注

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.323

参考文献