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海外の軍隊においては人員だけでなく艦艇や航空機も予備役が存在する。銃などの小型武器はもともと予備兵器として倉庫に長期間保管されるのが通例だが、艦艇・航空機は機構の複雑性から維持整備費がかさみ、保管にも特別な配慮が必要である。そこでモスボールと呼ばれる保管技術が確立されている。屋外保管は腐食が進むため屋内保管が望ましく、雨の降らない砂漠に飛行機を駐機しておく基地、通称「飛行機の墓場」も存在している。これらは必要があれば、整備・改修の上でふたたび軍に就役するが、耐久年数や予備役に属する数の問題などにより需要がなくなれば除籍され軍務から外される。その後は転用可能な部品を取り外してからスクラップとして解体処理されるのが普通だが、他国に供与・売却されたり、博物館などの展示品として余生を送る兵器もある。
海外の軍隊においては人員だけでなく艦艇や航空機も予備役が存在する。銃などの小型武器はもともと予備兵器として倉庫に長期間保管されるのが通例だが、艦艇・航空機は機構の複雑性から維持整備費がかさみ、保管にも特別な配慮が必要である。そこでモスボールと呼ばれる保管技術が確立されている。屋外保管は腐食が進むため屋内保管が望ましく、雨の降らない砂漠に飛行機を駐機しておく基地、通称「飛行機の墓場」も存在している。これらは必要があれば、整備・改修の上でふたたび軍に就役するが、耐久年数や予備役に属する数の問題などにより需要がなくなれば除籍され軍務から外される。その後は転用可能な部品を取り外してからスクラップとして解体処理されるのが普通だが、他国に供与・売却されたり、博物館などの展示品として余生を送る兵器もある。


艦艇においては、予備役から就役を果たした中で記録的に有名なのは戦艦[[ニュージャージー (戦艦)]]であり、太平洋戦争から始まり、朝鮮戦争、ベトナム戦争、レバノン内戦とひとつの戦いが終わるたびに予備役艦とされ4度の就役を果たしている。航空機では[[F-117 (航空機)]]が保管されており、ステルス攻撃機としての需要が起これば再び就役するという体制をとっており、保管といってはいるが事実上の予備役である。
艦艇においては、予備役から就役を果たした中で記録的に有名なのは戦艦[[ニュージャージー (戦艦)]]であり、太平洋戦争から始まり、朝鮮戦争、ベトナム戦争、レバノン内戦とひとつの戦いが終わるたびに予備役艦とされ4度の就役を果たしている。航空機では[[F-117 (航空機)]]が保管されており、ステルス攻撃機としての需要が起これば再び就役するという体制をとっている。保管といってはいるが事実上の予備役である。


== 日本の予備役 ==
== 日本の予備役 ==

2012年11月19日 (月) 04:42時点における版

予備役 (よびえき)とは、軍隊における役種の一種。一般社会で生活している軍隊在籍者や、軍隊に就役していた艦艇・航空機のことを指し、有事の際や訓練の時のみ軍隊に戻る。在郷軍人とも呼ばれる。ほとんどすべての軍隊に存在し、自衛隊の場合は予備自衛官と称される。

予備役にある人で構成されるのが在郷軍人会である。

概要

予備役とは普段から軍隊に組み込まれ営中で生活する現役軍人(常備)に対して、一般社会で生活をしている者や装備の旧式化や保存のため退役はしているが除籍前の艦艇、航空機を指す。軍隊以外の職業に就いて生計を立てていたりする。国会議員をはじめ現役軍人では就くことのできない職業に就くことも可能であることが多い。

平時と有事では必要とされる兵員の数に大差があるため、有事に不足人員を動員する。しかし軍の経験もなければ訓練も受けていない者を戦力化するのは困難を伴う。そこで有事の際に早急に兵力を拡充するため予備役制度が存在する。予備役は一般に現役を退いた退役軍人で構成されるが、予備自衛官補のような例外もある。限られた日数のみ軍隊に出頭して訓練することが多い。国によっては正規軍ではなく民兵などの準軍事組織に再配置されることもある。

予備役の兵器

海外の軍隊においては人員だけでなく艦艇や航空機も予備役が存在する。銃などの小型武器はもともと予備兵器として倉庫に長期間保管されるのが通例だが、艦艇・航空機は機構の複雑性から維持整備費がかさみ、保管にも特別な配慮が必要である。そこでモスボールと呼ばれる保管技術が確立されている。屋外保管は腐食が進むため屋内保管が望ましく、雨の降らない砂漠に飛行機を駐機しておく基地、通称「飛行機の墓場」も存在している。これらは必要があれば、整備・改修の上でふたたび軍に就役するが、耐久年数や予備役に属する数の問題などにより需要がなくなれば除籍され軍務から外される。その後は転用可能な部品を取り外してからスクラップとして解体処理されるのが普通だが、他国に供与・売却されたり、博物館などの展示品として余生を送る兵器もある。

艦艇においては、予備役から就役を果たした中で記録的に有名なのは戦艦ニュージャージー (戦艦)であり、太平洋戦争から始まり、朝鮮戦争、ベトナム戦争、レバノン内戦とひとつの戦いが終わるたびに予備役艦とされ4度の就役を果たしている。航空機ではF-117 (航空機)が保管されており、ステルス攻撃機としての需要が起これば再び就役するという体制をとっている。保管といってはいるが事実上の予備役である。

日本の予備役

アメリカ合衆国の予備役

イギリスの予備役

関連項目