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'''発煙点'''(はつえんてん)とは、油脂を加熱していくときに煙が発生する温度のことである。油脂が[[トリアシルグリセロール|トリアシルグリセリン]]以外の成分を含んでいると、低い温度でこれが分解して発煙するため、発煙点は油脂の精製度合いの目安となる。 |
'''発煙点'''(はつえんてん)とは、油脂を加熱していくときに煙が発生する温度のことである。 |
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==概要== |
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油脂が[[トリアシルグリセロール|トリアシルグリセリン]]以外の成分を含んでいると、低い温度でこれが分解して発煙するため、発煙点は油脂の精製度合いの目安となる。 |
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普通の精製油脂の発煙点は240℃あるいはそれ以上であるが、精製度の低い[[ごま油]]などでは160℃くらいのものもある。 |
普通の精製油脂の発煙点は240℃あるいはそれ以上であるが、精製度の低い[[ごま油]]などでは160℃くらいのものもある。 |
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油脂を長い間加熱したときも発煙点は下がる。[[フライ (料理)|フライ]]などに長く使って老化した油では180℃くらいまで発煙点が下がり、フライ中でも発煙するようになり使用に耐えなくなる。 |
油脂を長い間加熱したときも発煙点は下がる。[[フライ (料理)|フライ]]などに長く使って老化した油では180℃くらいまで発煙点が下がり、フライ中でも発煙するようになり使用に耐えなくなる。 |
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==植物油の脂肪酸構成と発煙点== |
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==脚注== |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
2012年4月11日 (水) 07:12時点における版
発煙点(はつえんてん)とは、油脂を加熱していくときに煙が発生する温度のことである。
概要
油脂がトリアシルグリセリン以外の成分を含んでいると、低い温度でこれが分解して発煙するため、発煙点は油脂の精製度合いの目安となる。
普通の精製油脂の発煙点は240℃あるいはそれ以上であるが、精製度の低いごま油などでは160℃くらいのものもある。
油脂を長い間加熱したときも発煙点は下がる。フライなどに長く使って老化した油では180℃くらいまで発煙点が下がり、フライ中でも発煙するようになり使用に耐えなくなる。
植物油の脂肪酸構成と発煙点
植物油の脂肪酸構成
植物油の脂肪酸組成[1][2][3] | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
種類 | 飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸 | オレイン酸 (ω-9) |
発煙点 | ||
多価合計 | α-リノレン酸 (ω-3) |
リノール酸 (ω-6) | |||||
非水素添加 | |||||||
キャノーラ油 | 7.365 | 63.276 | 28.142 | 10 | 22 | 62 | 400 °F (204 °C) [4] |
ココナッツ油 | 86.500 | 5.800 | 1.800 | - | 2 | 6 | 350 °F (177 °C) [5] |
コーン油 | 12.948 | 27.576 | 54.677 | 1 | 58 | 28 | 450 °F (232 °C) [4] |
綿実油 | 25.900 | 17.800 | 51.900 | 1 | 54 | 19 | 420 °F (216 °C) [4] |
オリーブ油 | 13.808 | 72.961 | 10.523 | 1 | 10 | 71 | 374 °F (190 °C) [6] |
パーム油 | 49.300 | 37.000 | 9.300 | - | 10 | 40 | 455 °F (235 °C) [7] |
ピーナッツオイル | 16.900 | 46.200 | 32.000 | - | 32 | 48 | 437 °F (225 °C) [4] |
ひまわり油 (中オレイン種) |
9.009 | 57.334 | 28.962 | 0.037 | 28.705 | 57.029 | 510 °F (266 °C) [4] |
大豆油 | 15.650 | 22.783 | 57.740 | 7 | 54 | 24 | 460 °F (238 °C) [4] |
ベニバナ油 (高オレイン種) |
7.541 | 75.221 | 12.820 | 0.096 | 12.724 | 74.742 | 510 °F (266 °C) [4] |
米油 | 19.7 | 39.3 | 35 | 1.6 | 33.4 | 39.1 | 450 °F (232 °C) [要出典] |
グレープ シード オイル |
9.6 | 16 | 69.9 | 0.1 | 69.6 | 15.8 | 421 °F (216 °C) [要出典] |
アマニ油 (フラックスシードオイル) |
8.976 | 18.438 | 67.849 | 53.368 | 14.327 | 18.316 | 225 °F (107 °C) [要出典] |
ごま油 | 14.2 | 39.7 | 41.7 | 0.3 | 41.3 | 39.3 | 350 °F (177 °C) ~450 °F (232 °C) [8] [要出典] |
水素添加済 | |||||||
綿実油 (水素添加) |
93.600 | 1.529 | 0.587 | 0.2 | 0.287 | 0.957 | |
パーム油 (水素添加) [要出典] |
47.500 | 40.600 | 7.500 | ||||
大豆油 (水素添加) [要出典] |
21.100 | 73.700 | 0.400 | 0.096[1] | |||
値は重量パーセント |
脚注
- ^ a b “USDA National Nutrient database, Release 24,28”. United States Department of Agriculture. 2012/3/26,2016/03/21閲覧。
- ^ “Fats, Oils, Fatty Acids, Triglycerides”. Scientific Psychic (R). 2012年3月26日閲覧。
- ^ 特に引用の表示がない場合、脂肪酸の値はUSDA National Nutrient databaseの値を掲載している。ω3-ω9の値については一部Scientific Psychic(R)の値となっている。
- ^ a b c d e f g Wolke, Robert L. (2007年5月16日). “Where There's Smoke, There's a Fryer”. The Washington Post 2011年3月5日閲覧。
- ^ Nutiva, Coconut Oil Manufacturer,http://nutiva.com/the-nutiva-kitchen/coconut-oil-recipes/
- ^ The Culinary Institute of America (2011). The Professional Chef. New York: Wiley. ISBN 0-470-42135-5
- ^ Scheda tecnica dell'olio di palma bifrazionato PO 64.
- ^ 精製度により発煙点は大きく変わる
関連項目
参考文献
- 藤谷健『あぶら(油脂)の話』裳華房、1996年。 ISBN 4-7853-8644-4