「虚無回廊」の版間の差分

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=== 執筆経緯 ===
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*[[1985年]]、[[徳間書店]]『[[SFアドベンチャー]]』誌にて連載開始。当初は『[[首都消失]]』での[[日本SF大賞]]受賞記念の短編が掲載される予定だったが、突然小松から連載回目の原稿が送られてきた。
*[[1985年]]、[[徳間書店]]『[[SFアドベンチャー]]』誌にて連載開始。当初は『[[首都消失]]』での[[日本SF大賞]]受賞記念の短編が掲載される予定だったが、突然小松から連載1回目の原稿が送られてきた。
*[[1987年]]、小松が[[国際花と緑の博覧会|大阪花博]]の総合プロデューサーに就任し多忙となったために連載が一時中断、徳間書店よりそれまでの掲載分を纏めた単行本2巻が刊行(後に文庫化)。
*[[1987年]]、小松が[[国際花と緑の博覧会|大阪花博]]の総合プロデューサーに就任し多忙となったために連載が一時中断、徳間書店よりそれまでの掲載分を纏めた単行本2巻が刊行された(後に文庫化)。
*花博終了後の[[1991年]]より連載再開されるも、翌[[1992年]]に掲載誌の編集方針変更により連載打ち切り。
*花博終了後の[[1991年]]より連載再開されるも、翌[[1992年]]に掲載誌の編集方針変更により連載打ち切りとなった
*[[2000年]]に単行本未収録分を収録した第3巻が[[角川春樹事務所]]より刊行(前2巻も同社から復刊、後に全て文庫化)。その後書きで小松は再開への強い意欲を滲ませていたが、実現しないまま[[2011]]年の小松の死去により未完に。同年徳間書店より全巻のハードカバー版が刊行。
*[[2000年]]に単行本未収録分を収録した第3巻が[[角川春樹事務所]]より刊行された(前2巻も同社から復刊、後に全て文庫化)。その後書きで小松は再開への強い意欲を滲ませていたが、実現しないまま[[2011]]年の小松の死去により未完に終わった。同年徳間書店より全1巻のハードカバー版が刊行された


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* {{Cite book|和書|author=小松左京|year=2011|title=虚無回廊|publisher=徳間書店|id=ISBN 978-4-198-63285-4}}(ハードカバー版)
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2011年12月31日 (土) 09:19時点における版

虚無回廊』(きょむかいろう)は、小松左京の長編SF小説。未完。

概要

謎の超巨大宇宙構造物「SS」を舞台に、探査のため人類が送り込んだ人工知性が多くの異星知性体と邂逅し、共に「SS」の謎と真理を追究する姿を描く。代表作『果てしなき流れの果てに』の流れを汲みつつ、「宇宙」「生命」「知性」「文明」「進化」「愛」と多くのテーマを内包した、小松SFの総決算というべき大作である。

執筆経緯

  • 1985年徳間書店SFアドベンチャー』誌にて連載開始。当初は『首都消失』での日本SF大賞受賞記念の短編が掲載される予定だったが、突然小松から連載1回目の原稿が送られてきた。
  • 1987年、小松が大阪花博の総合プロデューサーに就任し、多忙となったために連載が一時中断、徳間書店よりそれまでの掲載分を纏めた単行本2巻が刊行された(後に文庫化)。
  • 花博終了後の1991年より連載再開されるも、翌1992年に掲載誌の編集方針変更により連載打ち切りとなった。
  • 2000年に単行本未収録分を収録した第3巻が角川春樹事務所より刊行された(前2巻も同社から復刊、後に全て文庫化)。その後書きで小松は再開への強い意欲を滲ませていたが、実現しないまま2011年の小松の死去により未完に終わった。同年、徳間書店より全1巻のハードカバー版が刊行された。

注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

地球から5.8光年の距離に突如出現した、長さ2光年直径1.2光年という驚異的スケールの円筒形の物体「SS」。直接人間が赴くには距離・時間的に困難であり、一方で知的生命の存在が示唆された事から従来の無人探査機では役不足とされた「SS」探査任務の担い手として選ばれたのは、若き天才人工知能開発者・遠藤秀夫がAIを越える物として開発していた「人工実存(Artificial Existence:AE)」だった。

10年の歳月を掛けて、遠藤自身の分身として完成されたAE「HE2」は遂に「SS」への探査行に出発する。しかし30年以上を掛けて「SS」近傍に達した所で、疑似体験システムで繋がっていた遠藤の突然の死を知ったHE2は「義務遂行契約の破棄」を宣言、地球との連絡を断つ。

「SS」に到達したHE2は、そこで「タリア6」や「老人」を始め、同様に「SS」の謎に惹かれて集まっていた多くの異星知性体と遭遇する。彼らはあるものは激しく対立し、あるものは種族の壁を越えて協力しながら、「SS」という驚異的な存在の謎を探求していく。


以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


参考文献