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== 筐体仕様 ==
== 筐体仕様 ==
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ナイトストライカーの専用筐体は国内出荷数が極端に少なかったと言われており、国内総生産台数303台とのことである<ref>1991年にキングレコードから発売されたビデオのライナーノーツに掲載されているぱぱら快刀のコメントによる。</ref>。ホーミング弾を出すために操縦桿を何度も繰り返して左右に操作することが多いため、操縦桿はじめとして故障が非常に多く、古いゲームでもあるため、日本国内ではほとんど見かけなくなった。<!--201012月現在、秋葉原のタイトー直営店「Hey」、同じく秋葉原の「トライアミューズメントタワー新館」で純正筐体が稼働している事が確認されている-->
ナイトストライカーの専用筐体は国内出荷数が極端に少なかったと言われており、国内総生産台数303台とのことである<ref>1991年にキングレコードから発売されたビデオのライナーノーツに掲載されているぱぱら快刀のコメントによる。</ref>。ホーミング弾を出すために操縦桿を何度も繰り返して左右に操作することが多いため、操縦桿はじめとして故障が非常に多く、古いゲームでもあるため、日本国内ではほとんど見かけなくなった。<ref>20119月現在、国内で純正筐体の稼働が確認されているのは秋葉原のタイトー直営店「Hey」、同じく秋葉原の「トライアミューズメントタワー新館」の計2機のみ</ref>


なお、1997年に発売された[[コナミ]]の[[ソーラーアサルト]]の筐体がほぼ同じインターフェースだったため、この筐体を改造して稼動させていた店舗もあった。
なお、1997年に発売された[[コナミ]]の[[ソーラーアサルト]]の筐体がほぼ同じインターフェースだったため、この筐体を改造して稼動させていた店舗もあった。

2011年9月6日 (火) 15:51時点における版

ナイトストライカー
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 アーケード[AC]
メガCD[MCD]
プレイステーション[PS]
セガサターン[SS]
プレイステーション2[PS2]
開発元 [AC][PS2]タイトー
[MCD]アイシステム東京
[PS][SS]ビング
発売元 [AC][MCD][PS2]タイトー
[PS][SS]ビング
人数 1人プレイ専用
メディア [MCD][PS][SS]CD-ROM
発売日 [AC]1989年
[MCD]1993年5月28日
[PS]1995年7月28日
[SS]1996年6月14日
[PS2]2007年3月29日
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ナイトストライカー』(Night Striker)は1989年タイトーが発売したアーケード向けの大型筐体ゲーム。疑似3D表現を用いたシューティングゲームである。ディレクターは「ぱぱら快刀」こと海道賢仁

略称は『ナイスト』。

概要

コックピット型の専用筐体に乗り込み、据え付けられたアナログレバー(以下、操縦桿)を用いて自機インターグレイを操作し、操縦桿や筐体についた攻撃ボタンでレーザー弾とホーミングレーザー弾を使い分け敵を撃破する。各ステージ最後に出現するボスを倒すか、ボスタイマーが0になってボスが消えるまで逃げ切ればステージクリア。

自機のダメージはシールド制になっており、敵弾、ミサイル、敵や特定の障害物との接触でダメージを受け、シールドが1つずつ減る(一部例外あり)。ステージクリア時にシールドが一定数増える。増加数の標準設定は1で、ディップスイッチで0〜3の範囲で選択できる。シールド0の状態でダメージを受けると自機が破壊されゲームオーバーとなる。なお、自機が破壊されたあと爆発するまで多少時間があるため、自機が煙を噴いている状態でも弾を撃ち敵を倒す事は可能である。ただし、これでボスを倒しても復活はしない。

ステージはAからUまでの21個存在し、クリア後の通路の分岐によって次のステージを選択出来る。通算で6つのステージをクリアするとエンディングが流れてゲームオーバーになる。マップと同様に分岐する全6ステージ。

自機・インターグレイの名称は、ゲーム開発者が当時乗っていた自動車のホンダ・インテグラから名付けられた。

筐体仕様

ナイトストライカー専用筐体

ナイトストライカーの専用筐体は国内出荷数が極端に少なかったと言われており、国内総生産台数303台とのことである[1]。ホーミング弾を出すために操縦桿を何度も繰り返して左右に操作することが多いため、操縦桿はじめとして故障が非常に多く、古いゲームでもあるため、日本国内ではほとんど見かけなくなった。[2]

なお、1997年に発売されたコナミソーラーアサルトの筐体がほぼ同じインターフェースだったため、この筐体を改造して稼動させていた店舗もあった。

操作系
操縦桿と操縦桿についたトリガーボタン、操縦桿の左右にある攻撃ボタンで操作する。攻撃ボタンの機能は左右いずれも同一。操縦桿側のトリガーボタンはオート連射の通常弾になっている。1秒当たりの連射数はディップスイッチで7発か10発に設定変更できる。攻撃ボタンは通常の操作では同じく通常弾を撃つ。敵のいる方向にレバーを入れ、同時にトリガーボタンか攻撃ボタンを押すとホーミング弾が撃てる。
ライトストリームシステム
モニターの左右と上で光が流れるライトストリームシステムを搭載。仕組みはモニタ上と左右の厚み部分の内部で回転体についた照明が走馬灯のように回るようになっている。3か所の回転パターンはステージごとに違い、回転速度は各ステージのスクロール速度に連動する。ステージによっては逆回転もする。
スライドシート
シートを前方にスライドさせることができ、ライトストリームシステムとの相乗効果によりゲームへの没入感を高めることができる。
リアスピーカー
モニタ下部スピーカーのみではなくシートに装備されたスピーカーで後方からも音を出すことができる。背後からの戦闘機出現時などに合図として効果的に使われている。
ボディソニック
シート下部にボディソニックシステムを搭載。地上走行時やダメージ演出時などに使われる。

ステージ構成

21のステージはいくつかのタイプに分類される。ステージ分岐時に表示されるステージ分類は以下の通り。

CITY
道路の脇にビルが建ち並ぶ市街地のステージ。ビルに設置されている破壊可能な看板は少ない。
FACTORY
工場ステージ。屋内のため天井がある。所々に破壊不能な柱状の障害物が存在する。ステージの左右は繋がっていてループする。
CANAL
両側にビルが建ち並んでいるのはCITYステージと似ており、下は道路ではなく運河になっている。破壊不能なパイプ状の障害物がたくさん出現する。
SEA
下が海面で障害物が少なめのステージ。ステージの左右は繋がっていてループする。このステージの敵が撃つミサイルは他の面より誘導がきつい。
TUNNEL
狭い通路状のステージ。固定配置されているシャッターと開閉するシャッターが障害物で、どちらも破壊不能。このステージの敵が撃つミサイルは他の面より誘導が緩い。
SKY
ビル街の上空を飛ぶステージ。地面がないため走行点が入らない。ステージの左右は繋がっていてループする。
SUBURBS
郊外の道路ステージになっており、ビルがほとんどない。道路の両側には破壊不能の鉄骨状の障害物が出現する。
TEMPLE
FACTORYに似ているが屋外で天井がなく、塔のような障害物がまばらに存在する。音楽が他と違った独特のものになる。ステージの左右は繋がっていてループする。
STREET
CITYを狭くしたようなステージ。狭い上に看板が多いので前方の視界が限られる。走行点が入らない。
FOREST
オリジナル版にはないステージ。セガサターン移植版「ナイトストライカーS」に収録の分岐なし6面構成「EXTRA STAGE」の1面である。遠景は山岳、時間帯は昼間になっており、道路のない草原のようなステージである。破壊可能な木が障害物。

スペシャルボーナス

ワイプアウトボーナス
各ステージ中の敵を全滅させてクリアすると100万点のボーナス。連続で達成しても倍率はかからない。
パシフィストボーナス
自機から弾を一発も撃たず、かつノーダメージでステージをクリアすると、通算ステージ数+1×100万点のボーナスが加算される。ボス直前やボス時間切れの敵自爆は影響しない。連続で達成すると前のステージのパシフィストボーナスの2倍のボーナスが加算される。ただし最高で2000万点で、全面で達成すると200万→400万→800万→1600万→2000万→2000万となる。なおRステージに出現する支援機ティンカー・ベルからオートで発射される弾で敵を破壊しても影響はない。よって理論的にはRステージに限り、パシフィストボーナスとワイプアウトボーナスが両立し得る。ゲーメストに掲載されていた開発者とのインタビューでは、ワイプアウトがキャンセルされるとコメントしていたが、2010年12月時点でも、Rステージにてパシフィストボーナスとワイプアウトボーナスを両立させた者がいないため、実際にどうなるのかは不明である。
タイマーボーナス
残りボスタイマー×10万点
ミステリーボーナス(パイプ抜けボーナス)
Cゾーンなどにあるパイプの隙間を抜けると一回につき10万点加算される。
オールクリアボーナス
ゲームクリア時のシールド残量×100万点

細かいフィーチャー

走行ポイントについて
ゲームスタートからゲームオーバーまで、1/60秒ごとに、常に空中、若しくは地上ポイントが加算され続ける。空中飛行時は一律10点。地上走行時はその時のゲームランク×10点となっており、ゲームランクが16段階あることから、最低10点、最高160点が加算される。従って、得点を稼ぐ場合は極力地面を走行することになる。
嘘スコアチェック機能搭載
最終スコアのどの桁かの数字に秘密がある、とのこと。詳細は不明。
隠しボス(トワイライトミラージュ)
ステージSまでノーコンティニューで進み、3体のボスのうち、真ん中の色の違うものを最後に倒すと隠しボスが出現する。出現時にボーナス120万点が入る。

最終面に突入すると同時に、ストーリー上の演出として自機に対して様々な変化が起こる。演出はゾーンごとに異なる。一部にはミサイルに強制被弾や、それまでの自機を捨てて脱出する描写もあるが、いずれも自機の残エネルギーには影響しない。

P(FACTORY)
インターグレイがフィギュア(ロボット、人型)形態に変形する。縦方向に長いためやられ判定が大きくなる上に前方視界が悪化する。通常レーザーとホーミングレーザーを交互に発射できるようになる。
Q(STREET)
ステージ冒頭でインターグレイが敵のP.A.U(Personal Armored Unit-個人向け戦闘兵装)からミサイルを被弾し、P.A.Uを装備したパイロットが脱出。そのまま任務を継続し飛行しながら戦う。やられ判定が少し小さくなる。なお、この演出時のミサイルはプレーヤーの技術操作により画面上は回避できるものの、たとえ回避出来たとしても当たったことになってしまう。
通常レーザーとホーミングレーザーを交互に発射できるようになる。
R(CITY)
支援機『ティンカー・ベル』と合流し、自機に追従しながら自動で援護射撃をしてくれる。この支援機は敵が画面内にいない時には弾を撃たない。
S(TEMPLE)
これまでの戦闘のダメージの蓄積で行動不能になり、装甲を強制的に排除し脱出装置を兼ねているコックピット部のバイク形ユニットで任務を続行する。なお、この行動不能はストーリー上の演出であり、それまでのプレイ内容とは関係が無い。
操作形態が変わり、レバー下方向がバイクのジャンプ操作に変わり、通常の移動は地面を走るため左右のみになる。やられ判定が小さくなる。通常レーザーとホーミングレーザーを交互に発射できるようになる。
T(SUBURBS)
インターグレイに無線遠隔操作で呼び出したブースターユニットが合体する。前方3方向に弾を発射することができるようになるが、当たり判定が横に大きくなる上に、地上走行時に左右に大きく動くと、機体が傾き浮いたことになるので、地上走行時に弾を避ける場合は基本的に上下の動きで避けることになる。
U(SEA)
インターグレイに内蔵されている予備の砲門全てを解放した「フルバトルフォーメーション」に変形する。この変形により前方2方向に敵を貫通する弾を発射することができるようになるが当たり判定が横に大きくなる。フルバトルフォーメーション形態はあまりにも強力すぎ危険であるため、使用の際は国連による事前承認が必要とされている。

音楽

BGMはZUNTATAのMar.こと高木正彦が作曲。発売年の第3回ゲーメスト大賞ではベストVGM大賞で第3位。翌年の第4回ゲーメスト大賞のベストアルバム大賞で、ベストVGM大賞で1位を獲得した『グラディウスIII -伝説から神話へ-』を抑えて、ダライアスIIとのカップリング版で1位を獲得している。

関連作

  • 太鼓の達人
    業務用「9」と家庭用に本作のCITY面BGM『URBAN TRAIL』が収録されている。

家庭用版

メガCD
1993年5月28日発売。通常BGMとアレンジBGMが選択可能になっている。解像度が低いため見た目はアーケード版に比べ非常に悪くなっているが、スピード感や操作性はアーケード版を忠実に再現している。
プレイステーション
1995年7月28日発売。見た目は大きく改善され、アーケード版と遜色ないレベルになったが、「アナログコントローラーに対応していない」、「アーケード版と違う部分が多すぎる」といった問題点もあった。これはタイトーがアーケード版開発時の資料やソースコードを紛失してしまい、ビングのスタッフはアーケード基板を解析するなどして見よう見まねで移植しなければならなかったためとされている。パッケージ裏面には「この商品は(株)タイトーの許諾を得てアーケード版のナイトストライカーを参考に作った商品です」と記載されている。
セガサターン
1996年6月14日発売。タイトルは『ナイトストライカーS』となっている。アナログコントローラー(ミッションスティック)に対応し、プレイステーション版とアーケード版で異なっていた部分の一部がアーケード版と同等になるよう変更されたが、相変わらず完全移植とは程遠い内容だった。アーケード移植の本編とは別に、分岐なし6面構成のオリジナルモード「EXTRA STAGE」が追加されている。1面のオリジナルステージ以外はナイトストライカーの敵や障害物の出現パターンを替えたものだが、ステージとボスの組み合わせにアーケード版に存在しない組み合わせがあった。
プレイステーション2
2007年3月29日発売のタイトーメモリーズII 下巻に収録。ゲームが起動した後は、読み込み等による一時ゲーム進行停止は一切発生しない。オプション設定では難易度、シールド数の変更、シールドの回復量の変更、操作の上下反転の設定、ボタンの割り当て変更などが可能。

脚注

  1. ^ 1991年にキングレコードから発売されたビデオのライナーノーツに掲載されているぱぱら快刀のコメントによる。
  2. ^ 2011年9月現在、国内で純正筐体の稼働が確認されているのは秋葉原のタイトー直営店「Hey」、同じく秋葉原の「トライアミューズメントタワー新館」の計2機のみ。

外部リンク