「新ソード・ワールドRPGリプレイNEXT」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Melckebeke (会話 | 投稿記録)
独自研究などの記述を大幅に整理
Melckebeke (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
72行目: 72行目:
;盗賊ギルド
;盗賊ギルド
:;バーゼル
:;バーゼル
::ロマール盗賊ギルドの下級幹部で官憲との交渉を担当する盗賊。年齢は40代だが、細身で知的な顔立ちをした美男なため、実際より若く見える。ぺらぺらーず初期の上司。第1話で(GMの経験不足から)強引にぺらぺらーずに仕事を強制し、報酬についても吝嗇であったため、マロウを除くメンバーからは全く敬われていない。それどころかむしろ嫌われており、それが「バーゼルを追い落とす」という彼らの上昇志向につながった。クレスポの幹部昇進、レベル面で抜かれた事に伴い、一時はライバルとして功名を競ったが、逆にぺらぺらーずに危機を救われ、現在はクレスポを一応認めている。やや気障なところがあり、それも不評の一因となっている。GM藤澤さなえのお気に入りキャラクターであり、シリーズ第7巻では藤澤の強い要望により、上司コルネリアのカラーイラストを希望する編集者の意向を差し置き、彼が扉絵を飾ることとなった。「いい遺影ができました」とは藤澤の弁である。
::ぺらぺらーず初期の上司。ロマール盗賊ギルドの下級幹部で官憲との交渉を担当する盗賊。年齢は40代だが、細身で知的な顔立ちをした美男、実際より若く見える。第1話で(GMの経験不足から)強引にぺらぺらーずに仕事を強制し、報酬についても吝嗇であったため、マロウを除くメンバーからは全く敬われていない。それどころかむしろ嫌われており、それが「バーゼルを追い落とす」という彼らの上昇志向につながった。クレスポの幹部昇進、レベル面で抜かれた事に伴い、一時はライバルとして功名を競ったが、逆にぺらぺらーずに危機を救われ、現在はクレスポを一応認めている。やや気障なところがあり、それも不評の一因となっている。GM藤澤さなえのお気に入りキャラクターであり、シリーズ第7巻では藤澤の強い要望により、上司コルネリアのカラーイラストを希望する編集者の意向を差し置き、彼が扉絵を飾ることとなった。「いい遺影ができました」とは藤澤の弁である。
:;コルネリア
:;コルネリア
::ぺらぺらーずの現在の上司。体術の長の愛人であり、中級幹部というべき存在である。バーゼルとは違い、甘い物好きという共通点を持つシャイアラと巨乳に惹かれているクレスポを中心に、PCからも信頼されている。かなりノリのいい人物でもある。シリーズ第8巻の扉絵キャラとなっている。
::シリーズ後半におけるぺらぺらーずの上司。20代後半から30代前半の妙齢の女性。体術の長の愛人であり、中級幹部というべき存在である。バーゼルとは違い、甘い物好きという共通点を持つシャイアラと巨乳に惹かれているクレスポを中心に、PCからも信頼されている。かなりノリのいい人物でもある。シリーズ第8巻の扉絵キャラとなっている。
:;カニング
:;カニング
::アレクラスト最大の規模を誇るロマール盗賊ギルドの長。10レベルの盗賊で、不可能といわれる盗みを何度も成功させたことから、「神のごとき」という二つ名を持つ。義賊的精神の持ち主で、配下の盗賊に対しても殺人や強盗などの不法行為を厳しく取り締まっている。
::アレクラスト最大の規模を誇るロマール盗賊ギルドの長。10レベルの盗賊で、不可能といわれる盗みを何度も成功させたことから、「神のごとき」という二つ名を持つ。義賊的精神の持ち主で、配下の盗賊殺人(「暗殺」の部署を除く)や強盗などの行為に手染めることを禁じている。
::シリーズ最終話に登場し、多大な功績を挙げたPCたちの希望を受け入れ、盗賊ギルドからの引退を認めた。
::シリーズ最終話に登場し、多大な功績を挙げたPCたちの希望を受け入れ、盗賊ギルドからの引退を認めた。
:;ラゼン
::ロマール盗賊ギルドの鑑定の部署に所属する盗賊。年齢は40代手前で、髭面で背を丸めた中年男性。ファンドリアの盗賊トエルとは友人。預かっていたトエルの娘シータをファンドリアに送り返す時、自分と彼女の護衛をぺらぺらーずに依頼した。
;リッチャー家
;リッチャー家
:;ライオー・リッチャー
:;ライオー・リッチャー
::ロマールの名門貴族の御曹司。第2巻で初登場し、ベルカナに懸想している。ファイター・バード技能を持ち、うっかりベルカナに呪歌の「チャーム(魅了)」をかけたことから、ますます嫌われるようになった。第7巻よりコモドアの領主<ref>正しくは代官の元で領主修行中。</ref>。シリーズ終盤にエキドナに魅了されてしまうが、クレスポ達の活躍で無事魅了を解く事がた。第9巻ではエキドナと共にシリーズ扉絵キャラとなっている。
::ロマールの名門貴族の御曹司。第2巻で初登場し、ベルカナに懸想するようになる。ファイター・バード技能を持ち、うっかりベルカナに呪歌の「チャーム(魅了)」をかけたことから、ますます嫌われるようになった。第7巻よりコモドアの領主<ref>正しくは代官の元で領主修行中。</ref>。領地内で旧レイド帝国残党による反乱を起こされたり、シリーズ終盤では領民とともにエキドナに魅了され、領地を乗っ取られてしまうなどの騒動に巻き込まれたが、いずれもぺらぺらーずの活躍によって助けされた。第9巻ではエキドナと共にシリーズ扉絵キャラとなっている。
:;セバスチャン
:;セバスチャン
::リッチャー家、特にライオーの執事。かつてはロマール盗賊ギルドでも名の知れた盗賊だったが、現在は耄碌が激しい。ライオーと共にエキドナに魅了されてしまったが、ライオーの行動の異変に気づいた事から魅了状態を脱し、エキドナに対抗するレジスタンス(実際にはエキドナの支配にない人々を逃がしている組織)のリーダーとして活動する。
::リッチャー家、特にライオーの執事。かつてはロマール盗賊ギルドでも名の知れた盗賊だったが、現在は耄碌が激しい。ライオーと共にエキドナに魅了されてしまったが、ライオーの行動の異変に気づいた事から魅了状態を脱し、エキドナに対抗するレジスタンス(実際にはエキドナの支配にない人々を逃がしている組織)のリーダーとして活動する。
87行目: 89行目:
::ベルカナの父親。傭兵として成功した高レベルファイター。敏捷度が高く先手を取りやすいところから「鋼の風」の異名を持つ。未だに実力は衰えていないらしく、襲撃してきたエキドナの子を一撃で倒している。
::ベルカナの父親。傭兵として成功した高レベルファイター。敏捷度が高く先手を取りやすいところから「鋼の風」の異名を持つ。未だに実力は衰えていないらしく、襲撃してきたエキドナの子を一撃で倒している。
:;ユリィ
:;ユリィ
::ベルカナの師匠である初老の女性魔術師<ref>小説「レイニー・メモリー」より。ただしリプレイのイラストでは若い女性に描かれている。</ref>。おっとりしていて人当たりは良いが、意外と人使いが荒い。弟子のベルカナに対してはかなり甘いが、初登場時に5ガメルでベルカナをお使いにやったため、ベルカナからは「あんな師匠」呼ばわりされていた。ブックのアドリブで妖怪の本を借りたがっていたということになり、後の登場の際は魔獣に関して詳しい人物となった。
::ベルカナの師匠である初老の女性魔術師<ref>小説「レイニー・メモリー」より。ただしリプレイ第8巻のイラストでは若い女性に描かれている。</ref>。おっとりしていて人当たりは良いが、意外と人使いが荒い。弟子のベルカナに対してはかなり甘いが、初登場時に5ガメルでベルカナをお使いにやったため、ベルカナからは「あんな師匠」呼ばわりされていた。ブックのアドリブで妖怪の本を借りたがっていたということになり、後の登場の際は魔獣に関して詳しい人物となった。
:;ドナート
:;ドナート
::ユリィの友人の魔術師にして賢者。ロマールの高級住宅街に居を構える。魔法薬の研究の第一人者で、自宅の膨大な蔵書が自慢。本という趣味からブックと意気投合し、心の友となる。短気で癇癪持ちだが好人物で、泣き上戸という面もある。第6巻ではシャイアラとブックのマイホーム計画を知り、彼らのために空いた自宅の隣の土地を紹介した。
::ユリィの友人の魔術師にして賢者。ロマールの高級住宅街に居を構える。魔法薬の研究の第一人者で、自宅の膨大な蔵書が自慢。本という趣味からブックと意気投合し、心の友となる。短気で癇癪持ちだが好人物で、泣き上戸という面もある。第6巻ではシャイアラとブックのマイホーム計画を知り、彼らのために空いた自宅の隣の土地を紹介した。
102行目: 104行目:


===ファンドリア===
===ファンドリア===
;盗賊ギルド「千の指」
{{節stub}}
:;トエル
::ロマールの盗賊ラゼンの友人。盗賊ギルドに敵対する貿易商ギルドの情報を探りに、幹部の愛人の屋敷に忍び込んだところ、事件に巻き込まれ行方不明となる。
:;シータ
::トエルの娘で8歳の女の子。トエルが事件に巻き込まれたため、ロマールのラゼンのもとに預けられた。
:;リゼ
::トエルの上司にあたる妙齢の美女。ファンドリアに着いたぺらぺらーずにトエルが依然行方不明であることを告げる。GMの油断により重要な情報を出しそびれたことから、若年性[[健忘症]]という設定にされてしまった。
;貿易商ギルド「鉄足のロバ」
:;ヤイバン
::貿易商ギルド第2の派閥《ヤイバン派》の首領をつとめる太鼓腹の中年親父。頭は回りカリスマ性もあるが、無類の女好きでやや頼りないところがある。突然ライバル派閥の一つである《ダイザー派》に肩入れしはじめ、ギルド内での自らの勢力を低下させたため、派閥の首領を更迭される。
:;ドアーズ
::ヤイバンの片腕だった男。突然行動がおかしくなったヤイバンに代わり派閥の首領となる。
:;ダイザー
::貿易商ギルド第7位の派閥《ダイザー派》の首領。ヤイバンからの援助を受け、ギルド内での勢力を第5位まで上昇させた。


===旧レイド帝国===
===旧レイド帝国===

2009年8月31日 (月) 08:08時点における版

新ソード・ワールドRPGリプレイNEXT(しんそーどわーるどあーるぴーじーりぷれいねくすと)は2004年から2007年まで富士見書房から単行本刊行されたソード・ワールドRPGリプレイ作品。全9巻27話+番外編1巻4話。

ゲームマスター(GM) ・執筆者は藤澤さなえ。イラストレーターはかわくプレイヤーズ・キャラクター(PC)はクレスポ、ベルカナ、マロウ、シャイアラ、ブックの5人。パーティ全体が弁論術・交渉術に長けていることや、登場人物の生命力・防御力が冒険者としては異常に低いことから、紙のように薄いという意味で「ぺらぺらーず編」という通称が付けられた。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


特徴

これまでのソード・ワールドリプレイは、前のシリーズが完結してから新シリーズを始めていたが、本作は秋田みやび執筆の『新ソード・ワールドRPGリプレイ』(通称「へっぽこーず編」)完結前から開始された。さらに本シリーズ終了前には、篠谷志乃執筆の『新ソード・ワールドRPGリプレイWaltz』が開始されたため、このシリーズがソード・ワールドリプレイとして単独に進行したのは、前述の2作の間のわずかな期間のみとなる。

舞台

主な舞台はロマール王国など中原南部諸国。シリーズ中ではファンドリア王国や旧レイド帝国領も舞台となった。

読み物的要素が強かった前作「へっぽこーず編」では、舞台であるオーファン王国やラムリアース王国などの紹介は限られたものにとどまったのに対し、本作では「ワールドガイドとしてのリプレイ」の性格を強く出し、従来のソード・ワールド作品群では悪役国家として登場することの多かったロマール・ファンドリアの様子が詳しく紹介され、さらには旧レイド帝国の大物残党など歴史人物級のNPCも登場する。

モケケピロピロ」「背中の毛の長さ・本数を測るロマール盗賊ギルドの拷問」など、脱線を積極的に公式・準公式の設定として取り込んでいることも特徴として挙げられる。これらは多くがイラスト化されており、作者やPCたちからも好評であった。

PCの特徴

出来るだけ戦わない、戦うにしてもパペット・ゴーレムや協力者・補助魔法を徹底的に生かし、出来るだけ自分達に有利になるよう、最大限に作戦を練る戦闘スタイルに特徴を持つ、自称「アレクラスト一戦わない冒険者」である。これは攻撃を耐えうる壁をもたない脆弱さと生命力が人間の冒険者としては期待値の半分以下で攻撃命中が即死に繋がりかねないPCの存在によるものである。このため、シナリオ発生→展開→戦闘→解決というオーソドックスなリプレイの流れの中での派手な戦闘が存在しない、もしくは初心者GMの戦術宣言を読んで巧みに回避されてしまうこともしばしばである[1]

また、個人レベル・パーティーレベルにおけるプレイヤーの目的意識が明確かつ自分本位である。「ギリギリまで交渉で追い詰めて報酬やメリットを引き出す」「盗賊ギルドで出世する」「ライバルを出し抜く」「浮島が飛んできたら我が物にしようとする」など、各キャラの野望や目的が個人的な欲望として明確である。ただしメンバーに人情に弱いPCが数人いることもあり、必ずしも悪人パーティというわけではなく、人助けとなる依頼も引き受けてもいる。最終巻では「他人のためではなく自身のために動いているから」という理由から、GMの用意した「英雄」としての道を蹴り、あくまで「盗賊」として動く事を選んだ。これについてGMは「目から鱗が落ちた」と発言している。

サブタイトル

リプレイ集ならびに短編小説のタイトルは全て韻を踏んだものとなっている。詳細は#作品一覧を参照。

登場人物

ぺらぺらーず

全員がシナリオ上の経緯により盗賊ギルドに籍を置く。5人全員とも敏捷度と知力が高い[2]。一方、筋力に乏しく防御力には欠ける。そのためシリーズ序盤では、内部の人間や読者の一部からスペランカーズと呼ばれていたが、商標の関係から公式名称は「ぺらぺらーず」に決定した。なお後付けではあるが、ベルカナの薄い胸、リプレイ第3話のラストまで正式なパーティーとならず、たまたま一緒に仕事をすることが多いだけと公言する薄っぺらな人間関係[3]など、様々な意味が加わっている。防御力が欠けるパーティでありながら、完結した歴代リプレイパーティの中でスチャラカ冒険隊と並んで一度も戦死者を出していない。

クレスポ
人間の盗賊で15歳の少年。ロマールの南にある港町フェルダー近隣の漁村の出身。故郷では水夫をしていたが、ロマールに出て路銀が尽きるとスリで生計を立てていた。闘技場で事件に巻き込まれ、そこで知り合った他のPCたちと成り行きで事件を解決することになる。
シリーズを通して数々の冒険を解決し、次第にロマール盗賊ギルドでの地位を固めてゆく。シリーズ第5巻からは下級幹部に昇格したが、パーティ内ではもっぱらベルカナの傀儡と評されている。その後も旧レイド帝国の残党によるロマール転覆の陰謀を阻止するなどの功績を挙げた。エキドナとの最終決戦後、魔法盗賊になる事を目指し、その師匠としてベルカナを誘い、2人で修行の旅に出た。
生命力6、精神力5という、人間に限らず異種族を含めた特筆すべき低さが特徴[4]。本人によると、成長中に大病を患ったことによるらしい[5]。そのため生命力6=1クレスポという単位まで作られてしまった。ただし生命力と精神力を除けば、器用度17→18、敏捷度17→18、知力19、筋力15と決して低い能力ではない。セイラーの一般技能を持っており、それを使う事やレベルを上げることにこだわるが、水の中に潜るのは嫌がる[6]
NPCが女性であるかどうかを常に気にするほどの根っからの女好きだが、年下と貧乳には興味はないと主張している。ただし、シャイアラにベルカナとの仲をからかわれても否定せず、逆に「デート」と言った事がある。また『Waltz』のメンバーと共演した際は、『Waltz』の女戦士キーナに手を出し、同じ『Waltz』のメンバーである女精霊使いのブランシュに手ひどい制裁を受けている。
前述の通り、生命力が低く前衛を務めることが危険なため、戦闘ではを用いて相手を絡め取るなど、側面からの攻撃を多用する[7]。特に敵の女性を鞭で絡め取ることに異常な執念を燃やし、しばしば魔法の鞭が欲しいと発言している。第8巻で魔法の剣をメインウェポンに購入してからは、戦闘で活躍することが多くなった。
ベルカナ・ライザナーザ
成功した傭兵を父親に持つ17歳の女性魔法使い。出身から父親譲りのファイター技能も持っている。ロマールの賢者の学院を次席で卒業した優秀な魔法使いという設定で、パーティの交渉役を務めるほか、戦闘時ではさまざまな作戦を立案し、GMの意表を突くこともしばしばである。第1話で愛称は「ベル」だと言っていたが定着せず、小説版を含めて誰にも愛称で呼ばれた事がない。
体格は小柄で貧乳[8]。よくクレスポと一緒にいるため、シャイアラには「付き合っている」と言われ、その度に否定している。しかし、クレスポが他の女性に色目を使うと真っ先に激怒して制裁を加えている。
当初は箱入り娘で少し世間知らずなお嬢様という名目だったが、次第に腹黒な性格がでるようになり、「ブラックベルカナ」と呼ばれてクレスポ達からも恐れられ、GMからは「ファンドリアでは一番馴染んで活躍していた」などと評され、更にSNEのHP上でも、小説『ダークエルフの口づけ』[9]の極悪キャラ達の輪の中に入っていけると言われた。第5巻以降、盗賊ギルドの下級幹部に昇格したクレスポを傀儡として、ライバルであるバーゼルの追い落としを目論むなど、ギルド内での地歩を固めることを画策する。第8巻ではとんでもないものを欲しがりGMを慌てさせた。エキドナとの最終決戦後、ロマールに留まるつもりだったが、クレスポの誘いを受け、見聞を広げるついでに彼の魔法の師匠になるということで共に旅に出た。
マロウ
ハーフエルフのマーファ神官戦士。本来、人間に比べて筋力・生命力に劣り、戦士向きではないハーフエルフにしては優秀な能力値とダイス運の良さから、パーティの主戦力をつとめる。幼い頃森に捨てられていたのを狩人の夫婦に拾われて育てられた。養父母が老齢になったので、恩返しに街に出稼ぎに出てきたところクレスポたちと知り合い、冒険者となる。成人してからは年齢を数えるのを忘れるほどおっとりとした性格だが、幼馴染の年齢より40代と推測される。神殿内にファンクラブができるほどの美形だが、田舎から出てきたため大変な訛りを言葉に持つ。ただし標準語が喋れないわけではなく、変装した際は完璧な標準語を使っている。このパーティに欠けている直接戦闘力・良心・美形という要素をすべて持ち、訛りを除けば完璧超人と評されていたが、第8巻で高所恐怖症という弱点を持つことが判明した。エキドナとの最終決戦後、怪我をした養母を養うために故郷の村に帰郷した。養母公認の仲であるシャイアラをどう思っているかははっきりしないが、ロマールに残った彼女と文通を行うことになった。
シリーズ前のテストプレイである第0話の時点では、名前は「マーロウ」となっていた。年齢は40歳という設定で、現行のマロウと正反対に養父母に村を追い出されたという境遇である。訛りも無く、性格もシリーズ本編のベルカナ以上に腹黒かったなど、シリーズ本編との変化が最も著しいキャラクターである[10]
シャイアラ
放浪の末に出身地を忘れてしまったというエルフの精霊使い。年齢は240歳。初期の頃は怠惰で高飛車というキャラクターだったが、シリーズが進むにつれ、徐々に可愛げや色気の面が強く出てくるようになった。また、うっかり者で人情に弱い(GM曰く、ぺらぺらーず随一)という意外な側面もある。遺跡探索とおいしい食事(ただし菜食主義)と甘いお菓子をこよなく愛する。これらの性格のためエルフにしては肉付きがよい体型になっている。興奮すると耳がくるくる回り、怖い事があると耳が倒れる。戦闘時には精霊魔法を使うが、その攻撃力からぺらぺらーずのポイントゲッターと評される。
マロウの事がお気に入りで「マロウしゃん」と呼び、彼から「トランスファー・メンタルパワー」で精神力を受け取る時は「ちゅーちゅーする」と表現するなど、行動が少々怪しい。シリーズ第6巻以降、ロマールに石造りの豪邸を建てる事を夢見て貯蓄に励むようになった。第8巻ではマロウの母親に「どうぞマロウの嫁に」と言われ、最終巻ではドラゴンと対峙したマロウに逃げるよう言われたが、彼に告白して付き添いその場に残った。エキドナとの最終決戦後は夢を実現すべくロマールに残り、故郷に帰ったマロウとは文通を行うことを約束した。
ブック
グラスランナーの賢者。年齢は30歳。気楽極楽という一般のグラスランナーの性格とは大きく異なり、あらゆる本と戦略戦術をこよなく愛する。物心ついた時から、人間の賢者のお爺さんに読み書きを教わり、本人も賢者を目指すようになった。シャイアラと知り合い、エルフとしての彼女の知識や経験を学ぼうとして、一緒に旅をしていた。実際の待遇はシャイアラの小間使いだが、本人はあまり気にしていない。シャイアラをおだててその気にさせることに関してはパーティでも随一。フレームだけでレンズが入っていない伊達メガネを「クイクイ」と押し上げるのが癖。その時々の話題に関係する本をどこからともなく取り出して見せるという特技を持つ。
高いセージ技能レベルにもかかわらず、肝心なところでダイス目がふるわず、知識判定に失敗することが少なくない。また、彼の言語能力は基本的に読解に偏っており、会話技能はほとんど修得していない。ルールブックにある言語全ての読解を習得してしまったため、それ以上セージ技能レベルを上げるのを躊躇した程である。
シリーズ最終巻で、シャイアラがマロウに告白して共にドラゴンと対峙した際は、敏捷度の高さが災いしてシャイアラ達を残して逃げ出した事になってしまった。エキドナとの最終決戦では8連続クリティカルという驚異的なダメージを出し、一撃でエキドナを倒すという活躍を見せた。最終決戦後はシャイアラと共にロマールに残り、悠々自適の生活に入ることにした。

したっぱーず

ぺらぺらーずがファンドリアで戦った暗殺者&冒険者達。ぺらぺらーずに敗北した事でファンドリアにいられなくなり、「それは可哀想」とぺらぺらーずの面々が同情したため、部下という形でロマールの盗賊ギルドを紹介される。彼らの面倒を見るということで、クレスポはギルド下級幹部昇格の試験を受ける事になった。ちなみに、バブリーズ編でもPCに一時的に雇われたNPCがカタカナ表記で「シタッパーズ」と呼ばれているため、彼らは2代目ということになる[11]

カクタス
元はファンドリア暗殺者ギルドのアサシン。したっぱーずのリーダー格。シーフ・レンジャー。一人称は「拙者」。趣味は女装
グリーン
元はカクタスの部下のアサシン。シーフ・レンジャー。
レイバー
元はファンドリア貿易商ギルドに雇用され、ぺらぺらーずを襲撃した冒険者パーティーの一員。ファイター技能の持ち主だが、後にぺらぺらーずの指示によってプリースト技能を身につけた。
ジーン
元はレイバーの冒険者仲間。ハトを使い魔にしたソーサラー・セージ。したっぱーずの紅一点なので、クレスポによく声をかけられている。
マリオ
元はレイバーの冒険者仲間のシーフ。名前から、よく「は見つかったか?」とクレスポ達に言われる。一時期ぺらぺらーずのライバルであるバーゼルに寝返った事があり、以後、微妙に立場が弱くなっている。女性に弱いようである。

ロマール

アイリちゃんの宿
アイリ
若くして宿を切り盛りしている看板娘。クレスポに迫られては突っ込みを入れる事が多い。その度にクレスポは生死の境をさまよっているらしいが、手加減はすでに覚えているという描写もある。
レミィ
アイリの宿で働いている少女。13歳。盗賊ギルドにやや色眼鏡つきの憧れを持っており、それが原因で事件に巻き込まれた事もある。クレスポの気を引くため、Dカップの巨乳という設定にされた。
盗賊ギルド
バーゼル
ぺらぺらーず初期の上司。ロマール盗賊ギルドの下級幹部で官憲との交渉を担当する盗賊。年齢は40代だが、細身で知的な顔立ちをした美男で、実際より若く見える。第1話で(GMの経験不足から)強引にぺらぺらーずに仕事を強制し、報酬についても吝嗇であったため、マロウを除くメンバーからは全く敬われていない。それどころかむしろ嫌われており、それが「バーゼルを追い落とす」という彼らの上昇志向につながった。クレスポの幹部昇進、レベル面で抜かれた事に伴い、一時はライバルとして功名を競ったが、逆にぺらぺらーずに危機を救われ、現在はクレスポを一応認めている。やや気障なところがあり、それも不評の一因となっている。GM藤澤さなえのお気に入りキャラクターであり、シリーズ第7巻では藤澤の強い要望により、上司コルネリアのカラーイラストを希望する編集者の意向を差し置き、彼が扉絵を飾ることとなった。「いい遺影ができました」とは藤澤の弁である。
コルネリア
シリーズ後半におけるぺらぺらーずの上司。20代後半から30代前半の妙齢の女性。体術の長の愛人であり、中級幹部というべき存在である。バーゼルとは違い、甘い物好きという共通点を持つシャイアラと巨乳に惹かれているクレスポを中心に、PCからも信頼されている。かなりノリのいい人物でもある。シリーズ第8巻の扉絵キャラとなっている。
カニング
アレクラスト最大の規模を誇るロマール盗賊ギルドの長。10レベルの盗賊で、不可能といわれる盗みを何度も成功させたことから、「神のごとき」という二つ名を持つ。義賊的精神の持ち主で、配下の盗賊が殺人(「暗殺」の部署を除く)や強盗などの行為に手を染めることを禁じている。
シリーズ最終話に登場し、多大な功績を挙げたPCたちの希望を受け入れ、盗賊ギルドからの引退を認めた。
ラゼン
ロマール盗賊ギルドの鑑定の部署に所属する盗賊。年齢は40代手前で、髭面で背を丸めた中年男性。ファンドリアの盗賊トエルとは友人。預かっていたトエルの娘シータをファンドリアに送り返す時、自分と彼女の護衛をぺらぺらーずに依頼した。
リッチャー家
ライオー・リッチャー
ロマールの名門貴族の御曹司。第2巻で初登場し、ベルカナに懸想するようになる。ファイター・バード技能を持ち、うっかりベルカナに呪歌の「チャーム(魅了)」をかけたことから、ますます嫌われるようになった。第7巻よりコモドアの領主[12]。領地内で旧レイド帝国残党による反乱を起こされたり、シリーズ終盤では領民とともにエキドナに魅了され、領地を乗っ取られてしまうなどの騒動に巻き込まれたが、いずれもぺらぺらーずの活躍によって助け出された。第9巻ではエキドナと共にシリーズ扉絵キャラとなっている。
セバスチャン
リッチャー家、特にライオーの執事。かつてはロマール盗賊ギルドでも名の知れた盗賊だったが、現在は耄碌が激しい。ライオーと共にエキドナに魅了されてしまったが、ライオーの行動の異変に気づいた事から魅了状態を脱し、エキドナに対抗するレジスタンス(実際にはエキドナの支配にない人々を逃がしている組織)のリーダーとして活動する。
ぺらぺらーずの親族・関係者
テイワズ・ライザナーザ(ベルカナパパ)
ベルカナの父親。傭兵として成功した高レベルファイター。敏捷度が高く先手を取りやすいところから「鋼の風」の異名を持つ。未だに実力は衰えていないらしく、襲撃してきたエキドナの子を一撃で倒している。
ユリィ
ベルカナの師匠である初老の女性魔術師[13]。おっとりしていて人当たりは良いが、意外と人使いが荒い。弟子のベルカナに対してはかなり甘いが、初登場時に5ガメルでベルカナをお使いにやったため、ベルカナからは「あんな師匠」呼ばわりされていた。ブックのアドリブで妖怪の本を借りたがっていたということになり、後の登場の際は魔獣に関して詳しい人物となった。
ドナート
ユリィの友人の魔術師にして賢者。ロマールの高級住宅街に居を構える。魔法薬の研究の第一人者で、自宅の膨大な蔵書が自慢。本という趣味からブックと意気投合し、心の友となる。短気で癇癪持ちだが好人物で、泣き上戸という面もある。第6巻ではシャイアラとブックのマイホーム計画を知り、彼らのために空いた自宅の隣の土地を紹介した。
ノア
貴族だが人柄が良くリベラルな思考の持ち主。テイワズの親友でベルカナとも面識があったが、仕事の依頼などを通じてぺらぺらーずとも親しくなる。
ネィプス・カースト
ドナートの隣人でノアの知人。身分による差別意識が強い。元は賢者の学院に所属していたが現在は引きこもり状態で、ぺらぺらーずからは「ヒキオタ」呼ばわりされる。実は密かに危険な研究をしており、周囲から怪しまれている。
ゼリク
マロウの村のマーファの神官。マロウの幼馴染。
モケケピロピロ
マロウの村に住むとされている生き物。魚の一種で美味らしい。稚魚は踊り食いをし、成魚は調理するとの事。
ポチ
マロウの村の遺跡に住むスフィンクス。ぺらぺらーず(特にブック)と意気投合した。後にエキドナの事を知っていたアデラに捕まってしまうが、ぺらぺらーずの活躍で救出された。

ファンドリア

盗賊ギルド「千の指」
トエル
ロマールの盗賊ラゼンの友人。盗賊ギルドに敵対する貿易商ギルドの情報を探りに、幹部の愛人の屋敷に忍び込んだところ、事件に巻き込まれ行方不明となる。
シータ
トエルの娘で8歳の女の子。トエルが事件に巻き込まれたため、ロマールのラゼンのもとに預けられた。
リゼ
トエルの上司にあたる妙齢の美女。ファンドリアに着いたぺらぺらーずにトエルが依然行方不明であることを告げる。GMの油断により重要な情報を出しそびれたことから、若年性健忘症という設定にされてしまった。
貿易商ギルド「鉄足のロバ」
ヤイバン
貿易商ギルド第2の派閥《ヤイバン派》の首領をつとめる太鼓腹の中年親父。頭は回りカリスマ性もあるが、無類の女好きでやや頼りないところがある。突然ライバル派閥の一つである《ダイザー派》に肩入れしはじめ、ギルド内での自らの勢力を低下させたため、派閥の首領を更迭される。
ドアーズ
ヤイバンの片腕だった男。突然行動がおかしくなったヤイバンに代わり派閥の首領となる。
ダイザー
貿易商ギルド第7位の派閥《ダイザー派》の首領。ヤイバンからの援助を受け、ギルド内での勢力を第5位まで上昇させた。

旧レイド帝国

その他

  • このNEXTが好評だったこともあって、続編リプレイWaltzの製作が決定。JGC 2006において公式に発表された。
  • 無印、NEXTと続いたタイトルから、スレイヤーズシリーズを連想し「TRY」と続編のタイトルを予想した者が多くいたが、TRYは企画の早い段階で却下になったと語られた。
  • 正式なタイトルの「Waltz」にも略称が「W」となることから、またNEXTのカラーを反映してか新機動戦記ガンダムWとの関連で山本弘による茶化しが入っている。
  • 劇中に冗談として登場した「ILoveファラリスTシャツ」は同イベントで実際に製作・着用し来場した者がおり清松みゆきが真っ先に脱線トークのネタにしていて、当リプレイの路線、カラーが否定されていないことを示す証左と言える。
  • 本リプレイのプレイヤーはそれ以前のリプレイでもプレイヤーだった人間が「1人と言わずいる」と第1巻で清松みゆきが発言している。
  • ブックのプレイヤーらしき人物がソード・ワールドRPGリプレイxSの最終戦にて、敵側キャラのプレイヤーとして参加している。

脚注

  1. ^ このことについて、監修を務めた清松みゆきは、自身がGMを行ったバブリーズ編風雲ミラルゴ編で、戦闘無しでのシナリオ解決を良しとせず、蛇足とも言える戦闘を強引に起こした結果、PCを死亡させてしまったという失敗を反省の材料として取り上げ、無理な戦闘を起こす必要はないという趣旨の発言をしている。
  2. ^ 敏捷度の最低はクレスポの17、知力の最低はブックの15であり、いずれも種族の平均的な数値より高い。
  3. ^ ただし、前作のへっぽこーずがシリーズ途中で一部メンバーの入れ換えがあったことから、結果的にはぺらぺらーずがソードワールドリプレイ史上、最も長期間同一メンバーでパーティーを組んでいたことになった。
  4. ^ 人間の冒険者の場合、最低値はどちらも4。
  5. ^ 小説版では悪性の流行り病で家族とも別々に隔離され、おそらく死別したであろう事が語られている。
  6. ^ リプレイでは父親が海で死んだことが理由とされている。前述のように小説版では、家族と死別したのは流行り病のせいとなっている。どちらが正しい設定かは不明。なお、リプレイ第2巻にあるように、クレスポは泳ぐこと自体には問題はない。
  7. ^ クレスポはリプレイにおいて鞭を有効活用した初のPCでもある。鞭を使用したPCは他にリプレイ第2部のライがいるが、彼は判定に失敗してばかりで、途中から使うのをやめてしまった。
  8. ^ 本人の主張では「私の胸は12歳の時からずっとこのサイズ」とのこと。
  9. ^ 川人忠明の著作となるファンドリアが舞台の長編小説で、主役も含む登場キャラのほぼ全員が、他の作品では悪役になってしまう。
  10. ^ シリーズ本編のマロウにも、変装して標準語を話す時にその片鱗が窺える。
  11. ^ 他に類似の例として『ロードス島伝説』リプレイのNPCチーム「1ラウンダーズ」(「戦闘させると1ラウンドで全滅しかねない」の意)がある。
  12. ^ 正しくは代官の元で領主修行中。
  13. ^ 小説「レイニー・メモリー」より。ただしリプレイ第8巻のイラストでは若い女性に描かれている。

以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


作品一覧

関連項目

  • モケケピロピロ
  • スペランカー(クレスポの貧弱ぶりをこのゲームに評する読者が多く、またチーム名も「スペランカーズ」にしようという声もあったが、結局版権の問題で却下された(なお、その時は伏字だった))
先代
へっぽこーず編
ソード・ワールドRPGリプレイ
2004 -2007
次代
猫の手冒険隊Waltz