「上下」の版間の差分

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;[[生物学]]
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:生物学では、[[器官]]の位置関係を表現するために、六方の名称を用いない。体位によって重力方向との関係は一定しないからである。代わりに'''頭側'''/'''尾側'''、'''腹側'''/'''背側'''と称する。
:生物学では、[[器官]]の位置関係を表現するために、六方の名称を用いない。体位によって重力方向との関係は一定しないからである。代わりに'''頭側'''/'''尾側'''、'''腹側'''/'''背側'''と称する。[[腹背]]方向という語は存在する。
;[[交通]]
;[[交通]]
:交通では、[[首都]]に向かう方向を''上り''(のぼり)、首都と逆の方向に向かう方向を''下り''(くだり)という。[[日本]]においては、[[東京都|東京]]が首都なので、鉄道や道路の「上り」は、東京方面を指すことになる(例:上[[東京都|京]]、下[[大阪市|阪]])。[[本州]][[日本海]]側では、[[道路元標]]は[[新潟市]]だが、「上り」という時は[[長岡市|長岡]]方面を指す。これは、[[鶴岡市|鶴岡]]方面から東京に向かう時、[[富山市|富山]]方面から東京・新潟方面に向かう時、長岡で衝かるためである。
:交通では、[[首都]]に向かう方向を''上り''(のぼり)、首都と逆の方向に向かう方向を''下り''(くだり)という。[[日本]]においては、[[東京都|東京]]が首都なので、鉄道や道路の「上り」は、東京方面を指すことになる(例:上[[東京都|京]]、下[[大阪市|阪]])。[[本州]][[日本海]]側では、[[道路元標]]は[[新潟市]]だが、「上り」という時は[[長岡市|長岡]]方面を指す。これは、[[鶴岡市|鶴岡]]方面から東京に向かう時、[[富山市|富山]]方面から東京・新潟方面に向かう時、長岡で衝かるためである。

2009年3月17日 (火) 15:22時点における版

上下(じょうげ、うえした)とは、方位六方)の名称の一つで、高さ・深さを指す方位の総称。一定方向に重力のある環境で、重力場の向かう方向、即ち物体が落ちる方向を(した)、その対蹠で物体が登る方向を(うえ)という。

方向だけでなく、物体の通常下を向いている面も「下側」と表現される。この表現は、無重力環境でも有効であるが、本来の上下は無重力環境では定義できないため、そこから派生する左右)も意味をなさないことになる。

また、上下(高さ)と前後)の概念が、90°逆転することもある。「『右上』側」という表現が一例で、「右上」という表現は、前後と平行する方向に立てた時の称である。逆に、上下と平行する方向に置いた時には「右前」となる。

上への移動を「登る」「上がる」、下への移動を「降りる」「下がる」「下る(くだる)」という。

相対的意味

平面上の上下

文字、写真、絵等が記載された表示面には一部の例外を除いて上下が決まっている。 たとえば、この文書の表示面の上下方向および左右方向は下の図の通りである。

   上
   ↑
 左←○→右
   ↓
   下
(この図は左から右の横書きのブラウザで見てください。)

この文書を垂直な面に表示した場合だけでなく、斜めに傾けた面に表示した場合でも、 印刷して水平面に置いた場合でも、この文書の表示面の上下は「上」の図の通りである。 この文書は横書き(のブラウザを想定したもの)だが、縦書きでも上の図の方向には変化はない。 ただし、縦書きの場合はこの文の現在位置が図の左側になるので、「右」の図という表現になる。

表示面が壁面のように垂直な面である場合、上下は重力方向による定義と一致する。ただし、表示物をデタラメに貼り付けたものや、デザイン的意図でわざと変則的に表示したものは除く。

表示面を正しい向きに見るということは、表示面に視線を向け、かつ自分の頭部の上方向を表示面の平面上に投影した方向に表示面の上方向を一致させた方向に見る状態である。 表示面が紙など簡単に位置や方向を調整できる媒体である場合、自分の向きにあわせて方向を調整すればよい。位置方向が固定された物の上にある表示面の場合、見る人の向きを調整するとよい。一般的な表示面は見るが最も自然な方向から見た時に正しい向きになるように表示面の上下方向を定めているものである。

文字一つ一つにも正しい上下方向が定義されており、通常、表示面の特定方向に整列されている。文字の中には上下を逆転させただけで違う文字になるものもあるので、上下を統一することはとても重要である。(例:6と9、甲と由など) 表示面を正しい向き見ると、表示面の上方向が各文字の上方向と一致し、表示面の下方向が各文字の下方向と一致する。

例外
手書きの寄せ書きなどは、とくに文字の上下を一致させなくてもよいルールである。
「○×さんへ」などと書かれた真ん中の文字の上方向が寄せ書き用紙(色紙など)の上方向と一応は見なされるが、書き手の各員が好きな方向から書き込むものであるので、

決まった向きがなくなるのである。

ダイヤル式切り替えスイッチ等のダイヤルに文字を表示する場合:
ダイヤルスイッチの上に固定側にマーカー(目印)がある場合、ダイヤルの表示文字は上方向がダイヤルの中心から外側に向かう方向になるように配置される。ダイヤルを回してマーカー位置に設定したい選択肢の表示を持ってくると、その選択肢の表示文字の上方向がダイヤルスイッチの取付面の上方向に一致する。

構造としての上下

ツリー構造・ピラミッド構造など、概念や組織などの要素が上位から下位へとつながりを構造的に捉える場合、ツリーの根っこまたは、ピラミッドの頂点に近い方を上、遠い方を下という。ただし、ツリー構造の場合、別の枝に属する要素同士には上下関係は定義されないのが普通である。

生物学
生物学では、器官の位置関係を表現するために、六方の名称を用いない。体位によって重力方向との関係は一定しないからである。代わりに頭側/尾側腹側/背側と称する。腹背方向という語は存在する。
交通
交通では、首都に向かう方向を上り(のぼり)、首都と逆の方向に向かう方向を下り(くだり)という。日本においては、東京が首都なので、鉄道や道路の「上り」は、東京方面を指すことになる(例:上、下)。本州日本海側では、道路元標新潟市だが、「上り」という時は長岡方面を指す。これは、鶴岡方面から東京に向かう時、富山方面から東京・新潟方面に向かう時、長岡で衝かるためである。
日本における地名

左右に上下を当てる例

舞台においては観客側から向かって右を上手(かみて)、左を下手(しもて)と呼び、主な人物の流れは上から下へ向かう。

価値判断として

優れた方、力のある方を上、劣った側を下と見なす。囲碁や将棋で対戦者の力量に差がある場合、強い側を上手(うわて)、弱い側を下手(したて)という。

あるいはその分野における到達した位置の奥深さを指して「高い境地」なども上下の位置関係に置き換えた表現である。

その他

関連項目