「四元素」の版間の差分

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'''四大元素'''(しだいげんそ、よんだいげんそ)は、[[元素#.E5.8F.A4.E4.BB.A3.E3.82.AE.E3.83.AA.E3.82.B7.E3.82.A2|四元素説]]における[[空気]]・[[火]]・[[土]]・[[水]]の4つの[[元素]]のこを指す
'''四大元素'''(しだいげんそ、よんだいげんそ)は、[[空気]]・[[火]]・[[土壌|土]]・[[水]]の4つの[[元素]]かつて考えられた物質)である
: '''四元素説'''とは、「[[物質]]は、'''火'''、'''水'''、'''土'''、'''空気'''の四[[元素]]からなる」という説。「それらを結合させる『愛』と分離させる『争い』がある。それにより、集合離散をくりかえす。この4つの元素は新しく生まれることもなく、消滅することもない。」という考え方のこと。


[[タレス]]は万物の根源に[[アルケー]]という呼名を与え[[水]]であるとした。その他、[[空気]]であると考えた人、[[火]]であると考えた人、[[土]]だと考えた人がおり、それぞれがアルケーであるという立場を採った。[[エンペドクレス]]はアルケーが、火・空気([[風]]とも)・水・土([[地]]とも)の四つの[[リゾーマタ]]からなるとする後世にいう四元素説を唱えた。[[プラトン]]はこれに[[階層]]的な概念を導入し、土が[[正六面体]]でもっとも重く、他のリゾーマタは[[三角形]]からなる[[正多面体]]で、火が最も軽いリゾーマタであり、これら[[四大元素]]はそれぞれの重さに応じて運動し互いに入り混じると考えた。<ref>四大、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社</ref>のち[[アリストテレス]]がこの説を継承し、[[アラビア科学]]、[[パラケルスス]]と伝えられた。
'''四元素説'''とは、「[[物質]]は、'''火'''、'''水'''、'''土'''、'''空気'''の四[[元素]]からなる」という説。「それらを結合させる『愛』と分離させる『争い』がある。それにより、集合離散をくりかえす。この4つの元素は新しく生まれることもなく、消滅することもない。」という考え方のこと。
[[タレス]]は万物の根源に[[アルケー]]という呼名を与え[[水]]であるとした。その他、[[空気]]であると考えた人、[[火]]であると考えた人、[[土]]だと考えた人がおり、それぞれがアルケーであるという立場を採った。[[エンペドクレス]]はアルケーが、火・空気([[風]]とも)・水・土([[地]]とも)の四つの[[リゾーマタ]]からなるとする後世にいう四元素説を唱えた。[[プラトン]]はこれに[[階層]]的な概念を導入し、土が[[正六面体]]でもっとも重く、他のリゾーマタは[[三角形]]からなる[[正多面体]]で、火が最も軽いリゾーマタであり、これら四大元素はそれぞれの重さに応じて運動し互いに入り混じると考えた。<ref>四大、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社</ref>のち[[アリストテレス]]がこの説を継承し、[[アラビア科学]]、[[パラケルスス]]と伝えられた。


四大元素は抽象概念あるいは総称であり現代の[[元素]]とは対応しない。強いてたとえるならば、空気は[[気体]]、水は[[液体]]、土は[[固体]]と対応づけられるがこれらは物質の状態変化で[[三態]]と呼ばれる。<!--<comment>空気、水、土は複数の物質のであるのに対し、火は化学変化であり物理的状態量のエネルギーと元素の概念とは直接は対応しないのではずす</commant>[[エネルギー]]または[[プラズマ]](火)-->火は現代では化学変化〈[[酸化]]反応〉であると判明している。普通にみられる低温の赤橙色の炎はそうではないが、高温の青白い炎や[[放電]]は[[プラズマ]]状態の物質であることから、古代の四大元素は現代風に解釈すると4つの物質の状態を表現しているともいえる。
四大元素は抽象概念あるいは総称であり現代の[[元素]]とは対応しない。強いてたとえるならば、空気は[[気体]]、水は[[液体]]、土は[[固体]]と対応づけられるがこれらは物質の状態変化で[[三態]]と呼ばれる。<!--<comment>空気、水、土は複数の物質のであるのに対し、火は化学変化であり物理的状態量のエネルギーと元素の概念とは直接は対応しないのではずす</commant>[[エネルギー]]または[[プラズマ]](火)-->火は現代では化学変化〈[[酸化]]反応〉であると判明している。普通にみられる低温の赤橙色の炎はそうではないが、高温の青白い炎や[[放電]]は[[プラズマ]]状態の物質であることから、古代の四大元素は現代風に解釈すると4つの物質の状態を表現しているともいえる。
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四大元素は[[タロット]]の[[小アルカナ]]の4スートの棒(火)、剣(風)、杯(水)、硬貨(地)と関連付けて解釈されることもある。
四大元素は[[タロット]]の[[小アルカナ]]の4スートの棒(火)、剣(風)、杯(水)、硬貨(地)と関連付けて解釈されることもある。


[[バロック]]時代のフランスの作曲家[[ジャン=フェリー・ルベル]](レーベル)の[[バレエ音楽]]『四大元素』(Les éléments)は、「[[カオス]](混沌)」を表現するために、[[教会旋法]]による[[トーン・クラスター]]という当時としては極めて実験的な作風を用いたことで知られる。
[[バロック]]時代のフランスの作曲家[[ジャン=フェリー・ルベル]](レーベル)の[[バレエ音楽]]『四大元素』({{lang|fr|Les éléments}})は、「[[カオス]](混沌)」を表現するために、[[教会旋法]]による[[トーン・クラスター]]という当時としては極めて実験的な作風を用いたことで知られる。


==出典==
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* [[小アルカナ]]
* [[小アルカナ]]


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2008年10月2日 (木) 16:39時点における版

四大元素(しだいげんそ、よんだいげんそ)は、空気の4つの元素(とかつて考えられた物質)である。

四元素説とは、「物質は、空気の四元素からなる」という説。「それらを結合させる『愛』と分離させる『争い』がある。それにより、集合離散をくりかえす。この4つの元素は新しく生まれることもなく、消滅することもない。」という考え方のこと。

タレスは万物の根源にアルケーという呼名を与えであるとした。その他、空気であると考えた人、であると考えた人、だと考えた人がおり、それぞれがアルケーであるという立場を採った。エンペドクレスはアルケーが、火・空気(とも)・水・土(とも)の四つのリゾーマタからなるとする後世にいう四元素説を唱えた。プラトンはこれに階層的な概念を導入し、土が正六面体でもっとも重く、他のリゾーマタは三角形からなる正多面体で、火が最も軽いリゾーマタであり、これら四大元素はそれぞれの重さに応じて運動し互いに入り混じると考えた。[1]のちアリストテレスがこの説を継承し、アラビア科学パラケルススと伝えられた。

四大元素は抽象概念あるいは総称であり現代の元素とは対応しない。強いてたとえるならば、空気は気体、水は液体、土は固体と対応づけられるがこれらは物質の状態変化で三態と呼ばれる。火は現代では化学変化〈酸化反応〉であると判明している。普通にみられる低温の赤橙色の炎はそうではないが、高温の青白い炎や放電プラズマ状態の物質であることから、古代の四大元素は現代風に解釈すると4つの物質の状態を表現しているともいえる。

現代ではゲームファンタジーの世界観に用いられることも多く、四大元素をまとめて「地水火風(ちすいかふう)」または「風火水土(ふうかすいど)」と呼ぶ場合もある。

四大元素はタロット小アルカナの4スートの棒(火)、剣(風)、杯(水)、硬貨(地)と関連付けて解釈されることもある。

バロック時代のフランスの作曲家ジャン=フェリー・ルベル(レーベル)のバレエ音楽『四大元素』(Les éléments)は、「カオス(混沌)」を表現するために、教会旋法によるトーン・クラスターという当時としては極めて実験的な作風を用いたことで知られる。

出典

  1. ^ 四大、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社

関連項目