「キューブ (映画)」の版間の差分
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:*音声探知機(扉の開閉音には反応しないようになっている) |
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:*接触探知機 |
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:*分子探知機(靴などには反応せず、人に反応するようになっている。探知しやすくするためか、このセンサーが設置されてる部屋は空気が乾燥している) |
:*分子探知機(靴などには反応せず、人に反応するようになっている。探知しやすくするためか、このセンサーが設置されている部屋は空気が乾燥している) |
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; トラップ |
; トラップ |
2008年6月26日 (木) 10:43時点における版
キューブ CUBE | |
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監督 | ヴィンチェンゾ・ナタリ |
脚本 |
ヴィンチェンゾ・ナタリ グレーム・マンソン アンドレ・ビジェリク |
製作 |
メーラ・メー ベティ・オア |
出演者 |
モーリス・ディーン・ウィント デヴィッド・ヒューレット ニコール・デボアー |
音楽 | マーク・コーヴェン |
撮影 |
デレク・ロジャース スコット・スミス |
公開 |
1997年9月9日 1998年9月12日 |
上映時間 | 91分 |
製作国 | カナダ |
言語 | 英語 |
製作費 | 365,000カナダドル |
次作 | キューブ2:ハイパーキューブ |
『キューブ 』(CUBE) は1997年制作のカナダ映画。監督はヴィンチェンゾ・ナタリ。日本での公開は1998年9月12日。
概要
トラップの張り巡らされた未知の立方体の迷宮の中に、突如放り込まれた男女6人の脱出劇を描く。ワンセット物で役者が7人しか登場しないという低予算で製作された作品ながら、その斬新なデザインと展開の読めないストーリ、実力派の役者たちの演技によって、終始張り詰めた緊張感の中で場面が進んでゆく。
ビデオ版、DVD版に収録されているナタリ監督の短編映画「Elevated」が本作の原点である。両作品の特徴として、極限状態における登場人物の深層心理を上手く浮き彫りにし、スプラッター映画の怖さとは異なる恐怖を味わえる点が挙げられる。無機質で不条理なゲームともとれる世界観は、現代社会に対する大きな謎掛けとも捉えられ、若者を中心に大きな話題となり、カルト映画として現在でもコアなファン層を掴んでいる。
この人気に便乗し後に幾つかの類似タイトルの作品が出回った(日本では、その中に、原題と全く違う「CUBE」を含んだ邦題をつけたものまであった)。また、正式な続編もヴィンチェンゾ・ナタリとは別の監督により制作されている。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
あらすじ
目が覚めると謎の立方体(CUBE)にいた。誰が何の目的で閉じ込めたかも分からないまま、数人の男女が死のトラップが張り巡らされた謎の立方体(CUBE)からの脱出を試みる。
登場人物
- クエンティン
- 肉体派黒人男性。3人の子供がいるが、妻とは別居している。警察官という職業柄、深い洞察力と行動力でメンバーを引っ張っていく。前半は、彼の粘着気質がメンバーを出口に向かわせるための原動力となる。しかし、終盤は短絡的かつ利己的な行動が露呈し、リーダー格から独善者へと変貌する。運動神経が良く、作中では他の人たちと合流する前に罠のある部屋に入って首を切られそうになったらしいが、無事に生還している。
- ハロウェイ
- 中年独身女性。職業は精神科の開業医。博愛主義的な理想を持ち、正義感を振りかざしてキューブに閉じ込められた不条理に立ち向かう。口煩いフェミニストタイプであり、独善的で無神経な言動も目立つ。そのことからクエンティンとの折り合いが悪くなる。
- レブン
- 数学科の女子学生。つまらない毎日を送っていた若者であったが、突然キューブに放り込まれてパニック状態に陥る。クエンティンのリーダーシップに助けられ、徐々にやる気を持ち始める。各部屋に刻まれた番号に気付き、キューブの暗号解読に天才的な才能を発揮する。
- レン
- 小柄な初老の男性。7つの刑務所から脱獄し、“アッティカの鳥”の異名を持つ。目の前のことだけに集中し、無駄なことは一切考えない主義。部屋の入り口から靴を投げ入れてトラップを見分ける方法を編み出す。他のメンバーと共に行動しているのは“靴”のためである。探知機に関する知識と脱獄犯としての経験を頼りに序盤から淡々と出口を目指す。
- ワース
- 無気力な独身男性。真剣みがなく胡散臭い雰囲気から、クエンティンにスパイではないかと疑われる。そして遂に、自分はキューブ外壁の設計者であることを暴露し、外壁は一辺が130mの立方体であること、そして出口は一つしかないことを語り、レブンにキューブ脱出への大きな情報を与える。
- カザン
- 他のメンバーから発見されるまでずっと部屋から動かなかったらしく、途中から参加した。行動上の特徴から何らかの精神障害を持つと思われる青年。現状把握がままならないためメンバーの足を引っ張るが、ハロウェイが献身的にサポートする。終盤に彼が因数分解の暗算を瞬時にやってのけるサヴァンであることが判明。暗号解読の切り札として一気にゴールへの局面を開く。蛇足であるが、続編であるCUBE ZEROにて彼と同様の人物が再び現れるシーンがあり、如何にして彼等のような存在が生まれたか?そしてCUBEに入るに至るまでの顛末が明らかとなる。
- オルダーソン
- オープニングに登場するスキンヘッドの男性。他のメンバーと合流することはない。部屋で目覚めると、2、3箇所のドアを開けて様子を伺ってから別の部屋に移動する。独りでにドアが閉まり、一歩二歩と踏み込んだ途端にバシッという衝撃音が走り、彼の服および顔面に血の線が滲む。そして体がサイコロ状に切断されバラバラと崩れ落ちる。あっけなく殺された犠牲者であるが、出だしから大変にショッキングな場面であるために、『部屋にはトラップが仕掛けられており、むやみに動くと危険である』ということを視聴者に強烈に印象付けた。発見されていないだけで、彼同様に他にも様々な人物がキューブ内に同時異所的に存在していた可能性がある。
CUBEの内部構造
一辺が約4.2mの立方体の小部屋からなる。 小部屋の上下左右前後の六面は全く同じ構造・デザインとなっており、中央に正方形のハッチ式扉が一つ、その扉を跨いで平行に走る2本の梯子が縦方向・横方向共に埋め込まれている。 さらに、壁は全面発光パネルとなっており、電子基板を連想させる幾何学的な模様が浮き出ている。 このような小部屋を1単位として、一辺が130mの立方体の外壁の内側にぎっしりと積み重なっている。 発光パネルの発色は部屋によって白・赤・青・緑・薄茶と様々であるが、カラーリングが意味するところは不明。 上記のように、どの部屋も基本構造は全く同じであるが、部屋によって殺人的なトラップが仕掛けられている場合がある。 扉は隣接する部屋の扉と連動しており、手動で自由に開閉し、そこから近傍の部屋を覗き込んだり、ハッチをくぐって移動することができる。 センサーおよびトラップには様々なタイプがあるが、どれも発動するまでは壁面に格納されているため、一見してトラップの有無を判別することは困難。 「罠のある部屋に入る」=「即死」というわけではなく、罠やセンサーの種類によっては、奇跡的に生還したり発動させずに通りすぎることもできる。 劇中で見られたセンサーおよびトラップは以下のものがある。
- センサー
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- 加圧・振動探知機
- 音声探知機(扉の開閉音には反応しないようになっている)
- 接触探知機
- 分子探知機(靴などには反応せず、人に反応するようになっている。探知しやすくするためか、このセンサーが設置されている部屋は空気が乾燥している)
- トラップ
-
- 格子網目状に張り巡らされたワイヤーナイフ
- ガスバーナー
- 薬品噴射
- 円錐状に張り巡らされたワイヤーナイフ
- 無数の針
出演
続編
- 『キューブ2:ハイパーキューブ』(Cube 2: Hypercube、2002年)
- 3次元から4次元になるなどさらに進化したキューブが登場。
- 『キューブ ゼロ』(Cube Zero、2004年)
- 完結編。すべての謎が解かれる。時代設定が『キューブ』『キューブ2』より前。