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2008年5月27日 (火) 22:40時点における版

弾頭(だんとう)は、何らかの発射される武器に於いて、最終的に目標に到達ないし衝突する部分のこと。

概要

弾頭は、いうなれば全ての発射される武器(兵器火器)において、標的に衝突するなどして実際の破壊を行う物品である。これはその機能・素材・形状によっても様々に分類されており、その目的によって使い分けられる。

例えば大砲砲弾では、以下のような種類が一般に使い分けられる。

徹甲弾
装甲のある標的に対して、その装甲を打ち破り内部に損害を与えるために使用される。
焼夷弾
標的にあたると燃え上がり対象を延焼させる。
榴弾
爆発して、破片で周囲に損害を与える。

上に示したのは俗に「通常弾頭」と呼ばれており、破壊する対象によって使い分けられる。重装甲の戦車戦艦に対しては徹甲弾を、燃えやすい建物や燃料を積んだ航空機には焼夷弾を、歩兵や装甲の薄い車両には榴弾を…といった具合である。

いわゆる核弾頭
ミニットマンIIIに搭載されるW76核弾頭。核爆弾本体はMk.12A再突入体により、大気圏突入の際の熱から防護される。

この他にも、化学兵器生物兵器核兵器など、様々な破壊的機能を持つ兵器が存在するが、これを同じ大砲から打ち出せるようにすれば、「化学弾頭」や「生物兵器弾頭」・核弾頭となる。ただ、核弾頭だけは威力が大き過ぎ、大砲で打ち出せる程度の距離に発射すると、発射装置が大袈裟になる上に大砲を撃った側も被害を被りかねないため、核弾頭砲はかなり使い勝手の悪い兵器である(→戦術核兵器)。大抵は、大砲よりも更に飛距離のある兵器で発射される。

発射する装置としてはや大砲といった火器のほかに、ロケット砲(発射されるものはロケット弾)やミサイルなどのような「飛行する能力のある装置」が使われる。いわゆる弾道ミサイルのようなロケットを兵器に転用した装置もあるが、この先端部分を目的に応じて変更することで、標的となった対象に望む破壊効果を与えるのである。

弾頭の機能

砲弾は、それが目標に到達したときに、目的とする機能を発揮しなければならない。

これが弾丸のように、単純に目標に突き刺さり、あるいは貫通して対象に物体の衝突に伴う物理的な破壊を起こすだけでよいのであれば、これはただの「塊」で事足りる。大抵は金属の塊が使われるが、目的さえ合致して、対象に期待された損害をあたることができるなら、初期の臼砲のようにそこらのや1841年8月のジョン・コウ米海軍大尉率いるウルグアイ艦隊がやったように固くなって食べられなくなったチーズでも構わない(この「チーズ砲弾」は相手のアルゼンチン艦隊をひどく驚かせ撃退に成功している)。更に衝突時の運動エネルギーをより大きいものとしたい場合はなど比重の大きい金属を使えば同容積でより大きな運動エネルギーを与え、対象を穿つ必要がある場合はより硬ければよいので被甲(被覆鋼弾)される(→弾丸)。

ただ、一般に弾頭と表現される場合には、何らかの機能を持っているものが主体となる。爆発性の弾頭(一種の爆弾)であれば爆発する必要があるが、これは標的に到達した際に爆発させるため信管が用いられる。化学弾頭や生物兵器弾頭では、目標に到達した際にただ衝突して内容物を飛び散らせても効果が薄く、これを適切に散布するために衝突前に破裂して内容物を撒き散らす。このため時限信管で発射一定時間後に破裂するようになっているなどしている。核弾頭の場合は、汚い爆弾ならともかくとして核爆発を起こすためには所定の手順に従って核物質を臨界状態にしなければならず、これはただ単に衝突させればよいという問題ではなく、まして発射以降に弾頭が破損してしまうと核反応が起こせなくなるため、発射などの衝撃や空気との摩擦熱に耐え核爆発を起こすよう設計されている。

クラスター爆弾になっているオネスト・ジョンの弾頭模型。M139小型化学弾が詰め込まれている。

また、弾頭とはいっても子弾頭のように、複数の弾頭を集束してある弾頭も存在する。クラスター爆弾の場合は、爆弾本体が「キャニスター」と呼ばれる容器で、この中に各々の子爆弾が収納されているが、ロケット弾の中にもこのキャニスターを発射し、更にこのキャニスターが破裂して内部の子爆弾を散布するものも見られる。いわゆる大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、弾頭部分が複数からなり、分散した弾頭部が目標地域に降り注ぐよう設計されている。なお、ICBMはいったん大気圏外にまで打ち上げられ、そこから大気圏再突入を行うため、このときの空気の摩擦熱で故障しても機能しない。このためICBMの核弾頭は再突入体とよばれるカバーで防護されている。

発射装置による弾頭の種類

発射装置は先に上げたとおり、銃や大砲などの筒内の圧力で発射するものから、ロケットやミサイルなど自力で飛行する装置があるが、ロケットやミサイルにしてもその大きさや飛行距離はまちまちである。この他には魚雷も目的に応じて様々な弾頭が存在する。

その一方で、他の兵器が弾頭として使用される場合もある。例えばアスロックは兵器としてはロケット砲だが、その発射体先端部は魚雷で、発射後に着水すると弾頭である魚雷がロケットモーターから切り離され、水中を進む。これによってより遠距離に素早く魚雷を打ち込めるのである。対水中兵器としては対潜ミサイルのような装備があり、魚雷の他に爆雷なども弾頭として使用するものが存在する。

関連項目