池谷・村上彗星
池谷・村上彗星 332P/Ikeya-Murakami | |
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仮符号・別名 | P/2010 V1 , P/2015 Y2 |
分類 | 彗星 |
軌道の種類 | 短周期彗星 |
発見 | |
発見日 | 2010年11月2日UT |
発見者 | 池谷薫、村上茂樹 |
軌道要素と性質 元期:2021年8月14.0日TT | |
近日点距離 (q) | 1.5771604 au |
離心率 (e) | 0.4894757 |
公転周期 (P) | 5.43 年 |
軌道傾斜角 (i) | 9.38714 ° |
近日点引数 (ω) | 152.45878 ° |
昇交点黄経 (Ω) | 3.78391 ° |
前回近日点通過 | 2016年3月17.30143日TT |
次回近日点通過 | 2021年8月18.42627日 [1] |
物理的性質 | |
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池谷・村上彗星(いけや・むらかみすいせい、Comet Ikeya-Murakami)は2010年に発見された短周期彗星である。
発見
[編集]2010年11月4日4時13分(JST)、新潟県のアマチュア天文家村上茂樹は、46cmコメットシーカー(78倍、視野1.1度)の眼視観測によって、土星とおとめ座γ星付近に9等級の新彗星を発見した[2]。 発見直後に携帯電話で報告を受けた中野主一(IAU天文電報中央局アソシエイツ)を通じ、1時間後には天文電報中央局(CBAT)で発見が確認された[3]。
ところが、この発見より1日早い11月3日4時58分(JST)に、池谷・関彗星などの発見で知られる静岡県のアマチュア天文家池谷薫が、25cm反射望遠鏡(39倍)の眼視観測により8.5等級の新彗星を発見し中野にFAXで報告していたことが、新彗星発見を告げるIAUC発行の直前に判明した[3]。
新彗星発見が公表されたIAUC9175[4]は村上の発見報告の6時間後に発行されたが、もし池谷の発見報告が滞りなく確認されていれば1日以内に新彗星が確認され、連名の彗星とはならなかった可能性がある。
出現
[編集]発見当時彗星は中央集光が強く最大7等級で観測されたが、1ヶ月足らずで急速に拡散していった。また、コマの形状は2007年にバーストした時のホームズ彗星のような独特な円盤状で、尾が伸びていた。このため、本来微光の彗星がバーストを起こして急増光したところを発見されたと推測されている[3]。
初の回帰は2016年3月に近日点を通過し、2月中旬には0.6auまで地球に接近する。2015年12月31日にPan-STARRS 1望遠鏡によって撮影された20等級の天体がこの彗星であることが判明し、P/2015 Y2の認識符号が与えられた。予報位置との誤差は近日点通過時刻の補正量にしてΔT=+7.0日に達していた[5]。回帰したことで周期彗星番号332Pが与えられた。
この回帰では、分裂核とみられる別の天体も観測されており[5]、A核からI核までの軌道が算出されている[6]。