大阪市イタリア語講師殺害事件

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大阪イタリア語講師殺害事件(おおさかイタリアごこうしさつがいじけん)とは、2003年6月に発生した強盗殺人窃盗事件。

概要[編集]

2003年(平成15年)6月7日14時40分頃、大阪府大阪市淀川区在住の女性が、自宅マンションを訪ねた友人らによって遺体となって発見された。女性は高知県出身の26歳で、布団にあおむけの状態で寝かされており、首に黒と赤の布製のベルトが巻かれ、口に粘着テープが張られていた。顔には殴られたような跡があり、両手には皮下出血がみられた。着衣についてはTシャツがめくれあがっていた(外部リンク先によると、暴行については新聞各紙で記事の有無がわかれている)。死因は首を絞められたことによる窒息死で、死亡推定時刻は5日午前5時頃。

6月26日長崎県出身、住所不定無職の21歳の男が被害者の預金口座から預金を引き出した窃盗の容疑で逮捕され、逮捕後の供述から強盗殺人容疑での再逮捕となった。2003年6月5日未明、被害者をマンションまで尾行。背後から突き飛ばして室内に侵入し、首を絞めて殺害し、現金キャッシュカード携帯電話を奪うなどした。ATMで被害者名義の預金16万8000円を引き出した際の防犯カメラの映像が公開され、その時と同じ服を着て立ち回った先からの通報により逮捕に至った。

被害者は高知県出身でフリーイタリア語講師として活動しており、2003年7月からイタリア語教室を開講する予定だった。

裁判・異例の処遇意見[編集]

2004年2月4日、大阪地方裁判所での判決公判で「被害者の尊厳をじゅうりんした短絡的な犯行に酌量の余地は全くない」と求刑通り無期懲役が言い渡された。この際裁判長は、「無期懲役には仮出獄が認められているが、事案の重大性・悪質性、遺族の処罰感情を考慮し、慎重な運用が必要である」と異例の処遇意見を述べた。

外部リンク[編集]