同姓婚
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同姓婚(どうせいこん)又は同姓結婚(どうせいけっこん)とは姓(名字)が同じ者同士の結婚。
- 同姓不婚- 同姓不婚は、同姓の者を同じ一族の者とであるし、その者との結婚を禁止する中国や朝鮮半島・台湾など儒教・中華文化圏における原則・制度。儒教では「妻を娶るには、同姓を取らず」という道徳の規範がある。そのため、儒教圏では戸籍の上で姓と本貫が同じである同姓同本の者同士は、どんなに遠い血縁関係であっても無条件に婚姻を禁じられてきた。朝鮮半島はこれを「同姓同本貫不婚」と呼んでいる[1][2][3]。「本(本貫)」は儒教における一族の発祥地と考え、姓と本が同じ人者同士は同族との意識を共有しており、結婚相手としては避けなければならないとされてきた。韓国では2005年に禁止制度自体は廃止された[2]。
- 夫婦別姓- 中国、韓国など儒教圏では妻は子どもを産むためだけの「一族外の者」という考えに基づいた伝統的夫婦別姓国である[4][5][6]。中国語では父方の祖母は「奶奶」なのに、母方の祖母は外の婆の「外婆」などと呼び、イトコなどを含めて親戚を全て父方か母方か両者どちらのかを明確に区別する。父方の血縁のみが一族・一家の中の重要、母方は「付き合い上の親戚」との考えが言葉に残っている[6]。嫁の存在理由は子孫作りのためだったので、清朝後に廃止されるまで子どもを生めない妻がいる場合は、離婚するか、妾をもつか、養子を取る権利が夫家族にあることが法律で規定されていた[7]。中国では子供は夫姓が基本であったが、2015年10月末に中国政府が一人っ子政策を終了させた影響で第2子は妻姓にする家庭が増えた。そのため、2018年の中国上海市における「新生児」約9万人のうち夫姓91.2%、妻姓8.8%となった[8]。 韓国では2008年まで民法では「子は父の姓に従う」と妻のみ一家で別姓と義務付けていた。 それでも「婚姻届提出時に夫婦で合意した場合は子を母姓に出来る」と加えた改正がなされた2008年以降も、韓国国内の大多数が子供を夫姓にしている[5][9][10]。 夫婦別姓と夫婦同姓を選択できる制度を、「選択的夫婦別姓」、法的には「選択的夫婦別氏」という。
脚注
[編集]- ^ 世界大百科事典内言及. “同姓同本とは”. コトバンク. 2022年11月8日閲覧。
- ^ a b 帰化申請以外, Filed under (2012年2月8日). “韓国籍の方の同姓同本結婚についての考え方の違い » 帰化申請ブログ”. 帰化申請ブログ. 2022年11月8日閲覧。
- ^ “台湾人作家 鍾理和の結婚問題 –人生の転機の背景にあったもの-”. 東洋大学 入試情報サイト. 2022年11月8日閲覧。
- ^ “夫婦別姓 ―家族と多様性の各国事情 - とよなか男女共同参画推進センターすてっぷWebサイト”. toyonaka-step.jp (2022年4月18日). 2022年11月8日閲覧。
- ^ a b IPPNEE (2021年10月14日). “子どもの姓はどうなる?韓国が「夫婦別姓」である理由”. Cosmopolitan. 2022年11月8日閲覧。
- ^ a b Inc, PRESIDENT (2022年2月5日). “中国が世界にずっと先駆けて「夫婦別姓」を実現した理由”. PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン). 2022年11月8日閲覧。
- ^ Inc, PRESIDENT (2022年2月5日). “中国が世界にずっと先駆けて「夫婦別姓」を実現した理由p4”. PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン). 2022年11月8日閲覧。
- ^ “中国一人っ子政策終了で異変、妻の姓名乗る子供増える”. NEWSポストセブン. 2022年11月8日閲覧。
- ^ “韓国「父姓主義」への違和感と日本の夫婦別姓問題”. Newsweek日本版 (2020年11月14日). 2022年11月8日閲覧。
- ^ 한겨레. “書類上離婚まで考えた…「父親の姓を継ぐのが当たり前ではない」=韓国”. japan.hani.co.kr. 2022年11月8日閲覧。