マンハッタン交響曲

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マンハッタン交響曲Manhattan Symphony)は、セルジュ・ランサンが作曲した交響曲

概要[編集]

作曲者ランサンのパリ音楽院時代からの友人であったデジレ・ドンデイヌが、パリ警視庁吹奏楽団英語版指揮者に就任するにあたり、吹奏楽のレパートリー充実のためランサンに作品を委嘱した。1961年から1962年にかけて作曲され、吹奏楽編成へのオーケストレーションは、委嘱者ドンデイヌによって行われた。

初演は、1962年4月29日フランスアルジャンタンにて、デジレ・ドンデイヌの指揮、パリ警視庁吹奏楽団の演奏による。 演奏時間は、18分13秒[1]。連続して演奏される全5楽章構成の楽曲であり、各楽章は概ね2分台から4分程度の演奏時間となっている。

楽曲は、ランサンが訪れたニューヨークの印象を描いており、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」の逆バージョンと言える。

1964年オランダケルクラーデで行われた世界音楽コンクールの最上級部門の課題曲に選ばれた。

編成[編集]

編成表
木管 金管
Fl. 2, Picc. Crnt. 2, Tp. 3, Flh.2 Cb. 1
Ob. 2, C.A. Hr. 3 Timp.
Fg. 2 Tbn. 3 B.D., S.D., Cym., Tam-t., W.B., Tri., Glock., Xylo.
Cl. Solo 2 + 4部, Bass Bar. 2, Eup.
Sax. Alt. 2 Ten. 1 Bar. 1 Bass 1Tub.2

出版[編集]

1964年オランダのモレナール(Molenaar B.V.)から出版。

構成[編集]

第1楽章 マンハッタンに到着(Arrivée à Manhattan
Moderato Maestoso、4/4拍子
第2楽章 セントラル・パークLe Central Park
Allegro Moderato、4/4拍子
第3楽章 ハーレムHarlem
Andante、3/4拍子
第4楽章 ブロードウェイBroadway
Allegro Vivo、2/2拍子
第5楽章 ロックフェラー・ビルディングLe Rockefeller Building
Moderato Maestoso、4/4拍子

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈・出典[編集]

  1. ^ スコアの記載による。