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マルーラオイル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オングウェディバ(ナミビア)の見本市で販売されるマルーラオイル

マルーラオイル(Marula oil)は、ウルシ科マルーラ果実から抽出されるである。種子から抽出されるものと、硬い外殻から抽出されるものの2種類がある。伝統的に化粧品の成分や食用油皮革の保存や加工に用いられてきた。

化学組成

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不飽和脂肪酸が大部分を占めるため、非常に安定している。脂肪酸組成は以下のとおりである[1]

一不飽和脂肪酸:

多不飽和脂肪酸:

飽和脂肪酸:

トコフェロールステロールフラボノイドプロシアニジンガロタンニンカテキンも含まれている[2]

物理的な性質

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マルーラオイルは、透明な明るい黄色で、ナッツのような香りを持つ。鹸化価は約188-199、比重は15℃で0.91-0.92である。

伝統的な利用

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南アフリカ共和国モザンビークシャンガーン人は、マルーラオイルを女性用の保湿用ボディローションや乳児用マッサージオイルとして用いてきた。過去には、ナミビアの女性は、体を洗うのに水ではなくマルーラオイルを用いていた[3]

モザンビークのイニャンバネ州、ナミビアのオヴァンボランド、南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州北部、ジンバブエズビシャバネ地区等では、食用とする。さらに、サン人バントゥー系民族の食事において、マルーラは重要な役割を果たす[4][5]ヴェンダでは肉の保存に使うことで、最長1年間の保存を可能とする。マルーラオイルは地元では珍味と考えられており、多くの伝統料理、近代料理のレシピに用いられる[3]

出典

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  1. ^ Hore, D. (2004). Formulation of cosmetic skin lotions using Adansonia digitata and Sclerocarya birrea oil from Zimbabwe. University of Zimbabwe, Harare 
  2. ^ Mariod; Matthaus, Bertrand; Eichner, K. (2004). “Fatty acid, tocopherol and sterol composition as well as oxidative stability of three unusual Sudanese oils”. Journal of Food Lipids 11 (3): 179-189. doi:10.1111/j.1745-4522.2004.01131.x. 
  3. ^ a b Botelle, A (2001). A History of Marula Use in North-central Namibia. Windhoek, Namibia: Eudofano Women’s Co-operative Ltd and CRIAA SA-DC 
  4. ^ Engelter & Wehmeyer; Wehmeyer, A.S. (1970). “Fatty acid composition of oils of some edible seeds of wild plants”. Journal of Agricultural and Food Chemistry 18: 25-26. doi:10.1021/jf60167a025. 
  5. ^ Shackleton, S.E. (2002). A summary of knowledge on Sclerocarya birrea with emphasis on its importance as a NTFP in South and Southern Africa