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ヘルクレス座ラムダ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘルクレス座λ星[1]
Lambda Herculis
仮符号・別名 マシム[2], Maasym[3][4]
星座 ヘルクレス座
見かけの等級 (mv) 4.41[1]
4.39 - 4.42(変光)[5]
変光星型 疑わしい[5]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  17h 30m 44.31022s[1]
赤緯 (Dec, δ) +26° 06′ 38.3213″[1]
赤方偏移 -0.000088[1]
視線速度 (Rv) -26.51 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 18.81 ミリ秒/年[1]
赤緯: 16.62 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 8.83 ± 0.22ミリ秒[1]
(誤差2.5%)
距離 369 ± 9 光年[注 1]
(113 ± 3 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -0.9[注 2]
λ星の位置
物理的性質
半径 30 R[6]
質量 3 M[6]
自転速度 6.2 km/s[6]
自転周期 281 [6]
スペクトル分類 K3III_Ba0.1 [1]
光度 345 L[6]
表面温度 4,215 K[6]
色指数 (B-V) +1.44[7]
色指数 (U-B) +1.68[7]
色指数 (R-I) +0.75[7]
他のカタログでの名称
ヘルクレス座76番星[1]
BD +26 3034[1]
FK5 1460[1], HD 158899[1]
HIP 85693[1], HR 6526[1]
SAO 85163[1]
NSV 9070[1]
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ヘルクレス座λ星 (ヘルクレスざラムダせい、λ Herculis / λ Her) は、ヘルクレス座恒星4等星

概要

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ウィリアム・ハーシェル太陽向点を計算したときにはこの星に向かっているとしたが、現在はο星の方向であるとされている[6]

ヘリウム核融合が始まる前か、既にその時期を終えてしまったのかのどちらかであると考えられており、後者であれば近いうちに現在の12倍以上も明るく輝くようになり、その後ミラ型変光星となるものと予測されている[6]

名称

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固有名のマシム (Maasym) は、「手首」という意味のアラビア語 al-mi‘ṣam に由来する。これは、アラビア語訳されたアルマゲストでο星に対して使われていたものが、ルネサンス期に誤ってこの星に使われるようになったものである[3]。2016年9月12日、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Maasym をλ星の固有名として正式に承認した[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s SIMBAD Astronomical Database”. Results for lam Her. 2016年11月28日閲覧。
  2. ^ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、146頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  3. ^ a b Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. p. 40. ISBN 978-1-931559-44-7 
  4. ^ a b IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年11月28日閲覧。
  5. ^ a b NSV”. Results for NSV 9070. 2016年11月28日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h James B.Kaler. “Masym”. STARS. University of Illinois. 2016年11月28日閲覧。
  7. ^ a b c 輝星星表第5版