プレス

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プレス: press)には基本的には下記の用法があり、そこから後述するような様々な意味が派生した。

  • 動詞で)圧力をかけること。圧をかけること。
  • 名詞で)圧力をかける装置。

植物関連、食品関連(圧縮、圧搾(あっさく)、圧搾機など)[編集]

  • 圧縮、圧搾(圧力を加え、液体を取り出すこと)。 → 絞り
  • 圧搾機(あっさくき)。ヨーロッパには古くからある、植物の実などに圧力をかけて潰して絞り、果汁や油などを得るための装置や機械。ぶどう酒(ワイン)づくり、リンゴ酒(シードル)づくり、ラム酒づくり、オリーブオイルづくり 等々等々、さまざまなものに使われており、一般に、それぞれの種類ごとに農家や作業場も異なり、それぞれ専用の圧搾機が使われており、種類は非常に多い。

  等々等々、圧搾機は多種類ある。

  • 紅茶コーヒーなどをつくるための道具の一種で、お湯にひたされた紅茶葉やコーヒー豆粉から紅茶成分やコーヒー成分が十分に溶け出したら、フィルタのついたピストンを押し下げて、「かす」(葉や粉)を容器下部に圧縮させて、上部に紅茶やコーヒーだけを残し、カップに注げるようにする装置。→コーヒープレスティープレス
関連語

印刷や、印刷から派生した業界[編集]

  • 印刷機 。もともと、最初の印刷機である1440年の「グーテンベルクの印刷機」は、ヨーロッパに古くからあった「ぶどう圧搾機」を(多少)改造したもの、とされている。なので自然な流れで印刷機を「press」と呼ぶようになった。その後も数百年間、圧搾機に似た構造の装置で印刷を行ってきたので、pressと呼ぶことは定着している。(なお、ここ数十年、圧力を(ほぼ)かけない印刷技法も増えてきているので、そうした旧来とは異なるタイプの印刷機についてはprinting machineなどと呼ぶことも行われている。)
  • 印刷。(何百年もの間、印刷というのは、インクを塗布した版を、上述のpress(圧搾機に起源がある印刷機)を使って紙面に圧力を加え転写したので、「press」と表現する。また印刷を「press」と言うので、下記のように、もともと印刷することを柱としていた業種、つまり出版(業、会社)や新聞発行(業、会社)なども同様に「press プレス」と呼ぶようになった。)
  • 出版社、(大学などの)出版局
  • 新聞社
    • 報道機関、報道陣、記者団(ただし、個々の記者はプレスとは言わない)
  • 出版物、特に新聞雑誌
関連語
  • プレスリリース - 報道向け発表
  • プレスライダー - 報道ライダー
  • 「プレス担当(者)」 - 新聞社や報道業界を相手にすることを担当し、情報発信内容のコントロールや、取材を受けることを担当する人のことをこう呼ぶ。様々な業界の、さまざまな会社に「プレス担当」がいる。(なお「広報担当者」という分類法、職種名をもうけて、もう少し広い範囲を守備範囲(職域)とさせて、その中でプレス担当の仕事もさせている会社も多い。求人情報に掲載される職種名は、そちらのほうがむしろ多い。)

音楽業界、映像業界[編集]

  • レコードCDDVDなどを製造すること。(もともとの「レコード」つまり樹脂製のレコードは、金属性の「メス型」2個の間に合成樹脂の塊を入れては、強い圧力をかけ、円盤形で溝がある「レコード盤」へと加工したので、(また紙の印刷物を印刷することもpressと呼ばれていたので)レコードを作ることは当然のように「press」と呼ぶようになった。その習慣がすっかり定着していたので、(製造工程での圧力加工の割合は低下したものの)CDやDVDなどの製造もpressと呼ぶようになった。

工業関係[編集]

服飾関係(ファッション業界、アパレル業界)[編集]

  • アイロン掛け
  • (前述の)プレス担当(者)。

人名[編集]

その他専門用語[編集]