フラネオール
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フラネオール Furaneol[1] | |
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4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルl-3-フラノン | |
別称 ストロベリーフラノン | |
識別情報 | |
略称 | DMHF |
CAS登録番号 | 3658-77-3 |
PubChem | 19309 |
ChemSpider | 18218 |
UNII | 20PI8YZP7A |
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特性 | |
化学式 | C6H8O3 |
モル質量 | 128.13 g mol−1 |
外観 | 無色の結晶[2] |
匂い | 果実香、あるいはカラメル香[2] |
嗅覚閾値 | 0.04ppm[2] |
融点 |
73-77 ℃ |
水への溶解度 | 微溶 |
溶媒への溶解度 | アルコール、油類に混和[2]。 |
危険性 | |
引火点 | 89℃[2] |
半数致死量 LD50 | 1608 mg/kg(マウス、経口)[3] |
関連する物質 | |
関連するフラノン | 2-フラノン ソトロン |
関連物質 | C6H8O3を参照 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フラネオール(英: Furaneol)は、化学式C6H8O3で表される有機化合物。IUPAC命名法では4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルl-3-フラノンであり、フラネオールの名称はフィルメニッヒ社の商標である[4]。ストロベリーフラノンの別名を持ち、天然にはイチゴ[5]やパイナップル[6]に含まれ、ソバ[7]やトマト[8]の香り成分としても重要である。産業的には、イチゴなどの香りの食品用香料[4]や香水原料として使用される[9]。
性質
[編集]ジャムあるいは調理したパイナップルを思わせる無色の結晶で、マルトースに似た甘味を有する。常温では不安定で、徐々に分解する。天然物からは1967年に、イチゴおよびパイナップルから発見された。その後、ラズベリー、コーヒー、ポップコーン、焙煎したアーモンド、醤油、ローストビーフからも見出されている。パイナップル、イチゴ、ラズベリーやシュガータイプのフレーバーとして、最終製品時点で5.0~10.0ppmほど使用される[2]。
立体異性体
[編集](R)-(+)-フラネオール と (S)-(−)-フラネオールのエナンチオマーがあり、 香りを有するのは(R)体である[10]。
(S)-(−)-フラネオール |
(R)-(+)-フラネオール |
製法
[編集]糖の誘導体からの製法や科学的合成法が研究されているが、工業的な製造法は確立していない。当初はL-ラムノースのアマドリ転位で作られたが、原料の入手は容易ではなかった。次いで、他の6-デオキシヘキソースのD-キノボースやL-フコースを原料とする研究が行われた。このほか、3-ヘキシン-2,5-ジオールや5-メチル-3,4-ジヒドロキシフル酸エチルを出発点とした化学的合成法も研究されている[2]。
脚注
[編集]- ^ 4-Hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanone シグマアルドリッチ
- ^ a b c d e f g (合成香料編集委員会 2016, pp. 353–355)
- ^ “2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン”. 東京化成工業 (2022年3月19日). 2023年12月3日閲覧。
- ^ a b 持続性粉末香料-特開2001-152178(j-platpat)
- ^ Ulrich, D. et al. 1995. Analysis of strawberry flavour - Quantification of the volatile components of varieties of cultivated and wild strawberries. Z. Lebensm. UNters. Forsch. 200:217-220
- ^ Tokitomo Y, Steinhaus M, Büttner A, Schieberle P (2005). “Odor-active constituents in fresh pineapple (Ananas comosus [L.] Merr.) by quantitative and sensory evaluation”. Biosci. Biotechnol. Biochem. 69 (7): 1323–30. doi:10.1271/bbb.69.1323. PMID 16041138.
- ^ Janes D, Kantar D, Kreft S, Prosen H (2008). “Identification of buckwheat (Fagopyrum esculentum Moench) aroma compounds with GC-MS”. Food Chemistry 112: 120. doi:10.1016/j.foodchem.2008.05.048.
- ^ Buttery, R.G. et al. 2001. Analysis of furaneol in tomato using dynamic headspace sampling with sodium sulfate. J. Agric. Food Chem. 49:4349-4351
- ^ Strawberry furanone at thegoodscentscompany.com
- ^ Leffingwell,:John C. Chirality & Odour Perception – The Furaneols.
参考文献
[編集]- 合成香料編集委員会『合成香料 化学と商品知識(増補新版)』化学工業日報社、2016年。ISBN 978-4-87326-677-0。