ピペロニルブトキシド
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ピペロニルブトキシド | |
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5-[2-(2-butoxyethoxy)ethoxymethyl] -6-propyl-1,3-benzodioxole | |
略称 | PBO |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 51-03-6 |
日化辞番号 | J25.378B |
KEGG | C18880 |
ChEMBL | CHEMBL1201131 |
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特性 | |
化学式 | C19H30O5 |
モル質量 | 338.438 g/mol |
密度 | 1.05 g/cm3 |
沸点 |
155 °C |
危険性 | |
引火点 | 170 °C |
半数致死量 LD50 | 3800 mg/kg(マウス、経口) 6150 mg/kg(ラット、経口) |
出典 | |
物性・毒性[1][2] | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピペロニルブトキシド(Piperonyl butoxide, PBO)はベンゾジオキソール誘導体およびエーテルの一種。可燃性を持つ黄色から茶色の油状液体で、水には溶けない。
殺虫剤用共力剤(殺虫効果を高める添加剤)あるいは防虫剤として用いられる。この作用はプロペニルブトキシドがシトクロムP450の阻害剤として機能するためである。有機リン系、ピレスロイド系などの殺虫剤は虫体内でP450により解毒されるため、これを妨げることにより殺虫効果を高める[3]。同様の効果を持つ物質にはゴマに含まれるセサミンなどがある。穀類防虫用には食品添加物として扱われる。
ピペロニルブトキシドは中程度に安定であり、サフロールを原料とした半合成によって供給される。ピペロニルブトキシドの経口および皮膚摂取による哺乳類に対する急性毒性は低い[4]。
2011年の研究では、妊娠後期中の空気中のピペロニルブトキシド量と、36ヶ月における精神発達の遅れとの間に顕著な関連があることが明らかとなった[5][6]。
脚注
[編集]- ^ 神奈川県環境科学センター 環境情報部. “ピペロニルブトキシド”. 2011年7月11日閲覧。
- ^ 国際化学物質安全性カード ピペロニルブトキシド ICSC番号:1347 (日本語版), 国立医薬品食品衛生研究所, (1999-10) 2011年7月11日閲覧。
- ^ Moores, G. D., Philippou, D., Borzatta, V., Trincia, P., Jewess, P., Gunning, R., Bingham, G. (2009). “An analogue of piperonyl butoxide facilitates the characterisation of metabolic resistance”. Pest Manag. Sci. 65 (2): 150–154. doi:10.1002/ps.1661. PMID 18951417.
- ^ National Pesticide Information Center (2000年11月). “Piperonyl Butoxide Technical Fact Sheet” (PDF). 2011年7月11日閲覧。
- ^ ScienceDaily (2011年2月10日). “Common Insecticide Used in Homes Associated With Delayed Mental Development of Young Children”. 2011年7月11日閲覧。
- ^ M. K. Horton, A. Rundle, D. E. Camann, D. B. Barr, V. A. Rauh, R. M. Whyatt (2011). “Impact of Prenatal Exposure to Piperonyl Butoxide and Permethrin on 36-Month Neurodevelopment”. Pediatrics 127 (3): e699 -e706. doi:10.1542/peds.2010-0133.