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トロピセトロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トロピセトロン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Navoban
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
胎児危険度分類
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能~60-80%
血漿タンパク結合71%
代謝Hepatic (CYP3A4, CYP1A2, CYP2D6)
半減期6-8 hours
排泄Renal, Fecal
識別
CAS番号
89565-68-4 ×
ATCコード A04AA03 (WHO)
PubChem CID: 72165
IUPHAR/BPS 260
ChemSpider 16736476 チェック
UNII 6I819NIK1W チェック
KEGG D02130  チェック
ChEBI CHEBI:32269 ×
ChEMBL CHEMBL496980 ×
別名 ICS 205-930
化学的データ
化学式C17H20N2O2
分子量284.36 g·mol−1
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トロピセトロン(Tropisetron)は、セロトニン 5-HT3受容体拮抗薬英語版である。主に化学療法後の悪心・嘔吐に対する制吐剤として使用されているが、線維筋痛症の鎮痛剤としても実験的に使用される[1]

1982年に特許を取得し、1992年に医療用として承認された[2]。欧州、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、フィリピンでNavobanとして販売されているが、日本では2014年2月に販売中止された[3]。米国では販売されていない。また、アジアの幾つかの国ではSetrovelとして販売されている。

作用機序

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トロピセトロンは、選択的な5-HT3受容体アンタゴニストおよびα7-ニコチン受容体アゴニストとして作用する[4][5]。同時に、弱い5-HT4受容体アンタゴニスト活性を有する[6]

副作用

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トロピセトロンは、副作用が少なく、忍容性の高い薬剤である。最もよく報告される副作用は頭痛便秘眩暈である。また、低血圧、一過性肝酵素上昇、免疫性過敏症症候群、錐体外路性副作用が少なくとも1回は報告されている。本剤の使用による重大な薬物相互作用は知られていない。本剤は肝シトクロムP450系で代謝されるが、この系で分解される他の薬剤の代謝には殆ど影響しない。

他の用途

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生物学的染色剤や抗トリパノソーマ薬英語版として研究されている[要出典]

関連項目

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参考資料

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  1. ^ “Local treatment of tendinopathies and myofascial pain syndromes with the 5-HT3 receptor antagonist tropisetron”. Scandinavian Journal of Rheumatology. Supplement 119 (119): 44-48. (2004). doi:10.1080/03009740410007032. PMID 15515413. http://www.hubmed.org/fulltext.cgi?uids=15515413. 
  2. ^ Fischer, Jnos; Ganellin, C. Robin (2006) (英語). Analogue-based Drug Discovery. John Wiley & Sons. p. 448. ISBN 9783527607495. https://books.google.com/books?id=FjKfqkaKkAAC&pg=PA448 
  3. ^ ナボバンカプセル5mg販売中止についてのお知らせ”. 2021年6月12日閲覧。
  4. ^ “The 5-HT3 antagonist tropisetron (ICS 205-930) is a potent and selective alpha7 nicotinic receptor partial agonist”. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 11 (3): 319-321. (February 2001). doi:10.1016/S0960-894X(00)00670-3. PMID 11212100. 
  5. ^ “Tropisetron attenuates naloxone-induced place aversion in single-dose morphine-treated rats: role of alpha7 nicotinic receptors”. European Journal of Pharmacology 609 (1-3): 74-77. (May 2009). doi:10.1016/j.ejphar.2008.12.051. PMID 19374878. 
  6. ^ 横山俊英「トロピセトロンの薬理作用」『日本薬理学雑誌』第114巻第4号、日本薬理学会、1999年10月、219-226頁、doi:10.1254/fpj.114.219ISSN 00155691NAID 10005709419 

外部リンク

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