サルコファガス

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サルコファガス(sarcophagus)とは、(典型的には)古代エジプト、古代ギリシア古代ローマなどの石棺のこと[1]。典型的には彫刻で装飾がほどこされている[1]

語源は、ギリシャ語sarx(肉体)+ phagein(食べる)で、つまりサルコファガスは「肉体を食べるもの」という意味である[2]

なお、名前のよく似たSarcophagidaeニクバエのことで、「肉体を食べるもの」という語源が同じだけで、サルコファガスとは関係ない。

なお欧米人は、古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマのものに限らず、石棺のことを概して「サルコファガス」と呼ぶ。要は彼らがしばしば目にする石棺は「サルコファガス」なので、石棺と見ると反射的に「サルコファガス」と呼ぶ習慣になってしまっているので、たとえ南米の石棺を見てもたいてい「サルコファガス」と呼んでしまう。逆に言うと、英文でsarcophagusと書かれていても、漠然と「石棺」を指している可能性が十分にある。

さらにサルコファガスという言葉は、チェルノブイリ原子力発電所事故以来、チェルノブイリ原子力発電所跡を周囲と隔離するために作られた巨大なコンクリートの構造物にも使われている。要は「石棺」というニュアンスでしか使っていないのである。(したがって、当記事は「石棺」に統合すると良い)

一般的にサルコファガスは彫刻や装飾を施されるか、飾り立てて建てられるかした。中には、凝った墓の一部として地面の上に独立して建てられたものもある。他には墓所として作られたものもある。地下聖堂に置かれたものもある。

エジプトのものの場合[編集]

メルエンプタハの石製のサルコファガス

古代エジプトに関係することを解説している書籍の解説では、「サルコファガスは石棺のことで、死体またはもう一つの棺を中におさめる容れ物[2]」ということになっている。

古代エジプトでは、サルコファガスは普通、王家のミイラを安置する墓を保護する何層かの一番外にある層だった。

サルコファガスと言う用語は長方形または人型の「棺」(コフィン)に対して、一つ以上の棺を格納する石棺を指す。[要出典]

関連項目[編集]

埋葬関連[編集]

場所関連[編集]

エトルリア人の『配偶者のサルコファガス』(紀元前6世紀)国立エトルリア美術館(ヴィラ・ジュリア国立博物館)

人物関連[編集]

その他[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b Lexico, definition of sarcophagus.
  2. ^ a b 古代エジプト百科, pp. 446-448 「棺と石棺」の項目より

参考文献[編集]

  • イアン・ショー、ポール・ニコルソン『大英博物館 古代エジプト百科事典』内田杉彦訳、原書房、1997年5月。ISBN 978-4-562-02922-8 

外部リンク[編集]