コンスタル105N
コンスタル105N コンスタル105NW コンスタル805N | |
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グダニスク市電の105N | |
基本情報 | |
製造所 | コンスタル |
製造年 | 1973年-1979年 |
製造数 |
980両(105N) 4両(105NW) 25両(805N) |
主要諸元 | |
編成 | 1両 |
軸配置 | Bo'Bo' |
軌間 |
1,435mm(105N) 1,000mm(105NW、805N) |
設計最高速度 | 68.5km/h |
車両定員 | 136人(着席21人) |
車両重量 | 16.8t |
全長 | 13,390mm |
全幅 | 2,400mm |
全高 | 3,060mm |
出力 | 41.5kw×4 |
105N(Konstal 105N)は、ポーランドのコンスタル(現:アルストム・コンスタル)によって製造された路面電車車両。
概要
[編集]ポーランドの鉄道車両メーカーであったコンスタルは、1959年から1969年までアメリカのPCCカーの技術を用いた路面電車車両である13Nの量産を行い、それ以降は1967年から1970年まで二車体連接車の102N、1973年から1974年にかけてはその改良型である102Naの製造が行われていた。だが、これらの連接車に不具合が多発した事から、以降の新型車両については13N同様1両での運転が可能な単車に戻った[1]。そして、試作車である103Nや104Nの試験結果を受けて開発されたのが105Nである。
電装機器は13Nで用いられたPCCカーを基にしたものをそのまま継続して採用し、車体構造も13Nと同様の片運転台・片扉である。一方で車体の形状は13Nの流線形から角形の軽量車体へと大幅に変更され、各部の窓の大きさも拡大した。運転台側の窓下や扉の上部にも小窓が設置されており、その外見から「アクアリウム(akwarium)」の愛称で呼ばれている[2]。扉の数も片側4箇所に増加し、車体の中央に連続して扉を2個設置することで車体の強度を増加させている[3]。また、ブレーキには電磁ドラムブレーキを用いている。
形式名の「105N」は、「標準軌(1)用の5世代目(05)標準型路面電車(N)」と言う意味である。
車種
[編集]- 105N - 標準軌(1,435mm)向けの標準モデル。
- 805N - メーターゲージ(1,000mm)向けの車両。形式名の「8」は「狭軌」を示す。試作車は105NWと言う形式名だった。
- 105Na・805Na - 105N・805Nの改良型。
- 106N - 制御装置をサイリスタ制御に変更。1977年、1985年、1987年に計5両が製造されたが2004年までに105Naに改造された[4]。
運用
[編集]1973年から生産が始まり、1979年までに105Nが980両、105NWが4両、805Nが25両製造され、ワルシャワ、クラクフ、ポズナン、ウッチなどポーランド各都市の路面電車に導入された。その後の増備は電装機器や車体の改良を行った105Na・805Naへと移行し、105N・805Nもこれらの形式に合わせた車体・機器へと更新が進んだ他、105Na・805Naに施された近代化改造を同様に受けた車両も多く、原形を残す車両は少数を残すのみとなっている。
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105Naと同等の車体へ改造された105N
脚注
[編集]- ^ 大賀寿郎『戎光祥レイルウェイ・リブレット1 路面電車発達史 ―世界を制覇したPCCカーとタトラカー』戎光祥出版、2016年3月、102頁。ISBN 978-4-86403-196-7。
- ^ Henryk Ciosiński (2013-5). “Tramwaj typu 105N - i tak to się zaczęło!”. Świat Kolei: 51.
- ^ Henryk Ciosiński (2013-5). “Tramwaj typu 105N - i tak to się zaczęło!”. Świat Kolei: 49.
- ^ Piotr Dudkiewicz (2005), Tramwaje w Poznaniu, pp. 183, 219-220, ISBN 83-920784-1-1