コンテンツにスキップ

クリーモフ TV3-117

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クリモフ TV3-117VMA-SBM-1V

クリーモフ TV3-117Климов ТВ3-117)は、ソ連クリーモフ1965年-1972年にかけて開発したヘリコプターターボシャフトエンジンである。民間用ヘリや、輸送ヘリから攻撃ヘリに至る、ロシア軍の大部分の軍用ヘリコプターで採用されている。ウクライナ危機以前はウクライナモトール・シーチからの輸入であったが、騒乱の影響を受けVK-2500以降はロシア国内で生産されている。

各形式

[編集]
VK-2500
TV3-117
1972年に生産開始。Mi-24Aに搭載。
TV3-117M
1976年に生産開始。Mi-14に搭載。
TV3-117MT
1977年に生産開始。Mi-8MTMi-17に搭載。
TV3-117KM
Ka-27に搭載。
TV3-117V
1980年に生産開始。Mi-24に搭載。高地に対応する。
TV3-117VK
1985年に生産開始。TV3-117Vのカモフ機用。Ka-27、Ka-29、Ka-32に搭載。
TV3-117VKR
公称出力向上型。輸出用のKa-28に搭載。
TV3-117VM
1986年から生産開始。Mi-28用に開発され、Mi-8MT、Mi-17にも搭載されている。ロシアインド中国で型式証明取得。
TV3-VMA
1986年から生産開始。Ka-50用に開発され、Ka-27、Ka-29、Ka-31、Mi-24、Mi-28A/H、Ka-32に搭載されている。ロシア、カナダで型式証明取得済み。
TV3-117VMAR
輸出型のKa-28用に搭載。TV3-117VKRと同様の改良が施されている。
TV3-117VMシリーズ02
1993年から生産開始。Mi-8MT、Mi-17の民間型用に開発された。ロシア、インド、中国で型式証明取得。
TV3-117VMAシリーズ02
1993年から生産開始。Ka-32の民間型用に開発された。ロシア、カナダ、スイスで型式証明取得。
TV3-117VMA-SBM1
An-140用のターボプロップエンジン
TR3-117
偵察無人航空機Tu-143用のターボジェットエンジン
VK-2500(TV3-117VMA-SB3)
TV3-117VMAの改良型。モトール・シーチとの共同開発。オーバーホール周期を伸ばし、エンジン制御装置の精度を改善した。Ka-50、Ka-52、Mi-28などが搭載している。
VK-2500-01
出力は最大連続で1,500shp(1,103kW)、離陸時2,000shp(1,470kW)。
VK-2500-02
出力は最大連続で1,500shp(1,103kW)、離陸時2,200shp(1,617kW)。
VK-2500-03
出力は最大連続で1,750shp(1,287kW)、離陸時2,400shp(1,764kW)。
VK-1500
1998年-1999年にかけてTV3-117VMAとVK-2500を元に開発された、1,500馬力級ターボプロップエンジン。An-3(en)、Be-32(en)に搭載されている。
VK-1500V
VK-1500を元に開発されたターボシャフトエンジンKa-60Ka-62が搭載している。

主要諸元

[編集]
TV3-117VMA シリーズ2

一般的特性

  • 形式: ターボシャフト
  • 全長: 2,055mm(80.9in)
  • 直径: 728mm(28.7in)(高さ)
  • 乾燥重量: 295kg(648lb)

構成要素

  • 圧縮機:

性能

出典: Brassey's World Aircraft & Systems Directory 1999/2000 [1]

TV3-117の主要諸元
  TV3-117V
シリーズ02
TV3-117VMA
シリーズ02
非常最大出力 2,200HP 2,400HP
離昇出力 2,000HP 2,200HP
公称出力 1,500HP
全長 2,055mm
全幅 660mm
全高 728mm
乾燥重量 295kg
耐久時間 7,500時間

脚注

[編集]
  1. ^ Taylor, Michael J. H. Brassey's World Aircraft & Systems Directory 1999/2000. P.670 London:Brassey's, 1999. ISBN 1-85753-245-7

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]