クマガイソウ
クマガイソウ | |||||||||||||||||||||
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クマガイソウ
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Cypripedium japonicum Thunb.[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
クマガイソウ(熊谷草) |
クマガイソウ(熊谷草、学名:Cypripedium japonicum Thunb.[1])は、ラン科アツモリソウ属に分類される多年草の1種。大きな花をつけ、扇型の特徴的な葉をつける。
和名の由来は、アツモリソウともに、膨らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った母衣に見立て、源平合戦の熊谷直実(くまがい なおざね)と、一ノ谷の戦いで彼に討たれた平敦盛(たいら の あつもり)にあてたものである[2]。
特徴
[編集]クマガイソウは、北海道南部から九州にかけて分布する。低山の森林内、特に竹林、杉林などに生育し、大きな集団を作る。草丈は40cmくらいまで、葉は対生するように二枚つき、それぞれ扇型の特徴的な形をしている。
花はその間から伸びた茎の先につき、横を向く。花弁は5枚の細い楕円形で緑色を帯び、唇弁は10cmに大きく膨らんだ袋状で、白く、紫褐色の模様がある。唇弁の口は左右から膨らんで狭まっている。
栽培
[編集]クマガイソウの地下茎は節間が長く、全長はしばしば1m以上になる。 適地であれば地植え栽培が可能ではある。
種の保全状況評価と保護活動
[編集]日本では環境省により、レッドリストの絶滅危惧II類(VU)の指定を受けていて[3][4]、多くの都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
群落がある地域では、住民による保護団体が、開花する5月に観光地として開放しつつ、盗掘を防ぐ活動をしている例がある[6]。
熊谷直実の故地である埼玉県熊谷市では、有志が1979年に「くまがい草保存会」を結成。庭園の星溪園などに植栽したが根付かず、鉢植えなどを除いて絶え、保存会は2014年に解散した[7]。
近縁種
[編集]台湾産のタイワンクマガイソウ Cypripedium formosanum は地下茎が短く、鉢植えが可能である。
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “クマガイソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年9月5日閲覧。
- ^ 「クマガイソウ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
- ^ a b “第4次レッドリスト「植物I(維管束植物)」”. 環境省. 2014年11月5日閲覧。
- ^ “絶滅危惧情報検索「クマガイソウ」”. 環境省. 2014年11月5日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム「クマガイソウ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2014年11月5日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ^ 「絶滅危惧種のクマガイソウ 福島の山中で5万株満開 限界集落の住民らが保護」『日本経済新聞』夕刊2024年5月10日(社会面)2024年6月3日閲覧
- ^ 「熊谷草」の歌碑建立へ寄付募る 有志「保存活動後世に」『朝日新聞』朝刊2018年12月2日(埼玉面)
参考文献
[編集]- 『自然と野生ラン』343号(2007年7月号)pp.64-69
外部リンク
[編集]- クマガイソウの標本(千葉県 東金市 で1960年5月3日に採集) (千葉大学附属図書館)
- クマガイソウ(植物図鑑)
- 無菌播種によるクマガイソウの増殖と無菌培養苗の順化・育成 - ウェイバックマシン(2010年8月16日アーカイブ分)(PDF)
- Cypripedium japonicum Thunb. (The Plant List)