ガゴメコンブ
コンブ科 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Kjellmaniella crassifolia Miyabe | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
Saccharina sculpera Lane, Mayes, Druehl et Saynders[6] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ガゴメコンブ |
ガゴメ[1]、ガゴメコンブ[8](籠目昆布、学名:廃・Saccharina sculpera[6]、現・Kjellmaniella crassifolia[11][12][13])は、コンブ科ガゴメ属の褐藻の1種。
潮下帯[14][15]というより、マコンブの生息帯の、より深場にいる海藻で[16]、岩場に固定する付着器に茎と葉がつく[17]、葉は分かれない[17]大型褐藻類(コンブ類・ケルプ類)の典型的な形態である。葉全体に雲紋状の凹凸模様があるのが特徴で[2][18]、その外見が籠目に似ていることから名付けられた[19]。俗にガメと呼ばれる[19]。カゴメノリ属とは別。
フコイダンを多く含むことでも知られ[20][1]、他の藻類と比較してもフコイダンの種類が多角的で、健康補助食品(サプリメント)、化粧品、加工食料品に利用される[21](より具体例は § 利用参照)。
分布
[編集]日本近海では北海道南部から下北半島(青森県)北側の沿岸に分布する。さらに樺太南部、間宮海峡付近及び朝鮮半島東海岸北部にも分布する[22]。
利用
[編集]食用になる。北海道函館市では、「がごめ飯」の名称で産官学共同で商品化し、新たな名産品として提供されている[23](刻みのガゴメの米飯に海産物を載せた品[24])。加工品では、とろろ昆布やおぼろ昆布、松前漬け、塩昆布などの原料になっている[19][24]。サプリメント商品も出ている[25]。
韓国においても採集や食料利用はあるとされる[14]。
函館ではコロナ禍のさなか、がごめ昆布飴が無償配布され、ゆるキャラの「ガゴメマン」(北大・安井肇が考案[24])も配布にくわわった[26]。
脚注
[編集]- ^ a b c d 山田信夫『海藻フコイダンの科学』成山堂書店、2006年、31, 50, 75頁。ISBN 9784425882816 。
- ^ a b 川嶋昭二「日本産コンブ類の分類と分布(90)コンブ科 : スジメ属(2)スジメ(2)」『海洋と生物』第27巻第2号、東京 : 生物研究社、2005年4月、170, 177 1、ISSN 02854376、国立国会図書館書誌ID:7345457。
- ^ 以前は「トロロコンブ属」とも[2]されたが、2019論文でKjellmaniella属はガゴメ種の単型となったので廃。
- ^ 吉田忠生; 吉永一男「日本産海藻目録」『藻類』第58巻、82頁、10 July 2010 。
- ^ 吉田忠生; 吉永一男「日本産海藻目録」『藻類』第63巻、144頁、10 November 2015 。
- ^ a b 吉田;吉永編『日本産海藻目録』、2010年[4]、2015年改訂版[5]。
- ^ 四ツ倉典滋「日本産寒海性コンブ科植物の学名について」『藻類』第55巻、第3号、171頁、2007年11月10日。NAID 10019792820 。
- ^ 2007年、四ツ倉が新和名として提唱[7]した。
- ^ Starko, Samuel; Soto Gomez, Marybel; Darby, Hayley; Demes, Kyle W.; Kawai, Hiroshi; Yotsukura, Norishige; Lindstrom, Sandra C.; Keeling, Patrick J. et al. (July 2019). “A comprehensive kelp phylogeny sheds light on the evolution of an ecosystem”. Molecular Phylogenetics and Evolution 136: 148. doi:10.1016/j.ympev.2019.04.012 .
- ^ 鈴木雅大 (2020年6月6日). “ガゴメコンブ/ガゴメ Kjellmaniella crassifolia”. 2024年1月22日閲覧。
- ^ 2019年の分子遺伝学調査でSaccharina sculperaの分類は廃され、Kjellmaniella 属の単型 (分類学)種Kjellmaniella crassifoliaとして差し戻されている[9][10]。
- ^ M.D. Guiry, G.M. Guiry (9 July 2019). Guiry MD, Guiry GM (eds.). "Kjellmaniella crassifolia Miyabe, 1902". AlgaeBase. National University of Ireland, Galway. World Register of Marine Species. 2024年1月28日閲覧。
- ^ Guiry, M.D. (2014年). “Kjellmaniella crassifolia”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. 28 January 2024閲覧。
- ^ a b Oh, Yoon Sik; Lee, In Kyu; Boo, Sung Min (1990). “An Annotated Account of Korean Economic Seaweeds for Food, Medical and Industrial Uses”. The Korean Journal of Phycology 5 (1): 61 ., 食料 "foodstuff" に関しては以下引用: Kang, J. W. (1968) Illustrated encyclopedia of fauna and flora of Korea, Vol. 8, Marine Algae. Seoul: Ministry of Education
- ^ Kanda, Tiyoiti (1938-03-30). “On the Gametophytes of Some Japanese Species of Laminariales II”. 北海道大學理學部海藻研究所歐文報告 2 (1): 100–104. hdl:2115/48061 .
- ^ Tokuda, Hiroshi; Kawashima, Shoji; Ohno, Masao; Ogawa, Hisao (1994). Seaweeds of Japan; A Photographic Guide. translated by Tokuda, H.. Midori shobo. p. 73. ISBN 9784895314473
- ^ a b Pereira, Leonel (2020). “8 Colloid Producing Seaweeds: Agrophytes, Carrageenophytes and Alginophytes Biodiversity”. In Kim, Se-Kwon. Encyclopedia of Marine Biotechnology. John Wiley & Sons. p. 280. ISBN 9781119143796
- ^ 谷 et al. (2015), p. 235.
- ^ a b c 大石圭一; 原田武夫 著「日本海における昆布輸送路成立の歴史的考察」、柚木学 編『日本海水上交通史』 続、文献出版〈日本水上交通史論集 2〉、1987年、23頁 。「籠(カゴ)の目状の模様のあるトロロコンプ属のガゴメは、市場でガモと称され、独特の強い粘りがあるので、とろろ・おぼろ、松前漬けなどに加工されているが、最近は塩昆布の材料としても利用されている」
- ^ 清水健志、加藤省伍、井上晶、八十川大輔「ミトコンドリアDNA分析による褐藻ガゴメ判別技術の開発」『北海道立工業技術センター研究報告』第10号、北海道立工業技術センター、2008年、1-5頁、ISSN 0917-1851、NAID 120005208551。
- ^ 谷 et al. (2015), p. 235 、引き:
- 酒井武, 加藤郁之進「製品解説 コンブフコイダンの機能性と健康食品への利用」『ニューフードインダストリー』第43巻第2号、国分寺 : エヌエフアイ、2001年2月、8-12頁、CRID 1523951030483339136、ISSN 05470277、国立国会図書館書誌ID:000000019059。
- 酒井; 加藤 (2002)
- 小林大佑, 谷敬, 安井肇「ガゴメコンブの魅力とバイオファーミング」『Biophilia= ビオフィリア : 生命科学の未来を考える』第7巻第1号、東京 : アドスリー ; 2005-2011、2011年、37-41頁、国立国会図書館書誌ID:11038697。
- ^ 川嶋昭二「Kjellmaniella crassifolia Miyabe (ガゴメ)」『藻類の生活史集成 第2巻 (褐藻・紅藻類)』 堀輝三 編、内田老鶴圃、1993年、初版、ISBN 4-7536-4058-2、p.122–123, NCID BN09634059
- ^ “渡島・産学官連携ウェブサイト”. 北海道庁渡島振興局. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月9日閲覧。
- ^ a b c 「函館こだわりグルメ(とっておきの店見~つけた)」『るるぶ函館 大沼 五稜郭’19』Jtbパブリッシング、2018年、34頁。ISBN 9784533125294 。、および「ひと味違う特産品が食べたい道南食材」同34頁
- ^ タカラバイオの「フコイダンカプセル」など。
- ^ 山崎大和「ガゴメでコロナに粘り勝とう! 連合があめ配布」『函館新聞digital』2020年3月21日。
- 参照文献
- 谷敬志; 川越力; 松本世津子; 水田浩之; 安井肇「函館沿岸に生育する褐藻ガゴメSaccharina sculpera 胞子体の季節的消長と形態形成」『水産増殖』第63巻、第3号、235-244頁、2015年。doi:10.11233/aquaculturesci.63.235。ISSN 0371-4217。 NAID 130005416101 。
外部リンク
[編集]- 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 臼尻水産実験所. “ガゴメ”.
- 東邦大学 "ガゴメ Saccharina sculpera (褐藻 Brown algae)" 海藻データベース