Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考/タニワタリノキ連 20231024

タニワタリノキ連ノート / 履歴 / ログ / リンク元[編集]

選考終了日時:2023年11月7日 (火) 14:46 (UTC)

  • (推薦)上記記事を自薦致します。現時点で利用可能な主題に関連する文献を考えられる限り網羅し、同連の属全てに関する情報とそれぞれの属の区別法に関しまして、検索表を用いたり関連項目への誘導を行ったりする形で説明を尽くす事ができたと考えられます。更に同連下の種同士の混同が分類史にもたらした影響を事件簿的エピソードとして追加する事により、より読者の関心を惹きやすい内容に仕上げたつもりでございます。以上が自薦理由となります。

 現時点で考えられる懸念要素に関しましてはノートをご参照頂ければ幸いに存じます。

 本記事は私が初版を作成した記事の中では月間新記事賞における得票率が最も伸びた部類に入り(12得点; 2022年2月度において)、改善の上で自薦を行いたいと考えておりました。一度査読依頼の段階を経る事も検討致しましたが、本記事は先に公開した同連下の一属ミトラガイナ属についての記事を査読依頼に提出した際に数々の課題が浮き彫りとなり、その反省点を踏まえて作成の上、今日に至るまでそうした課題点を全て潰すべく自発的な修正を重ねてきたものであります為、一つ段階を飛ばして自薦を行う事とした次第です。

 なお、投票の際は講評の言葉を共に添えて頂ければ幸いに存じます。--Eryk Kij会話2023年10月24日 (火) 14:46 (UTC)[返信]

賛成 まずは、記事の作成と改稿、お疲れさまでした。専門用語も多く、訳しにくい部分も多かったと存じますが、よく訳されていたと思います。この手の分類群は日本語で用いることができる文献も少ないと思いますので、そういった意味で有用な記事だと思います。また、分類史は理系の人間には手薄になりがちな領域なので詳しくカバーされているのは良い点だと思いました(構成としては位置は後にあったほうがいいかもしれません。)。
  • 次に内容に関してですが、一通り目を通しました。表記と用語で気になったところはこちらで手直ししてみました。主な改善内容として、表記の改善については、例えば遺伝子名を斜体に、ハイフンマイナスとenダッシュを区別、ラテン文字の前後に半角スペースを挿入などで、用語の改訳については、形状を表す用語(narrowlyは狭~ etc.)、APG IVのクレード名、形態学・植物学用語(terminal vegetative bud を栄養成長性の頂芽に etc.)、ICN 2018 日本語版における日本語(種名≠種形容語、nomen superfluum は不要名 etc...)などです。詳細は差分を比較してもらえればと思います。植物形態学の用語については、本文中でも引用している清水 (2001) などで確認できます。よろしければ今後参考になさってください。
  • また、やはり分類群の記事なのにほかの群との系統関係や内部系統関係について記述がないのはいただけないので分子系統解析に基づく分岐図(系統樹; 「樹形図」とは異なります)を追加してみました。比較的上位の分類階級を扱う上で、名前を列挙することというだけでは不十分で、少なくとも何と何が姉妹群で近縁である、くらいの情報は欲しいです。今後の研究の進展もあるでしょうが、それはそういうものとして扱うしかないと思います。
  • 加えて、「下位分類」の節には「各属の詳細」(もと「属の一覧」)節がありますが、現在のままでは一覧性が少し悪いです。下位分類の解説としてあるべき姿は、現在のような各論よりは、含められている分類群がどのようにまとめられているかということだと思います。クレードによる定義が一般的となった今でもリンネ式階層分類体系が長く用いられてきているのはやはりその分かりやすさからだと思っています。そのため、亜連とそこに含まれる属を示し、代表種数種を取り上げるのが理想の形と考えています。画像は Template:multiple image などを用いて各属1種ずつ抜き出してまとめて表せばいいでしょうかね。各属に個別の記事がない今の状態でその措置を行うのは乱暴なので、そこは元のまま保持することにしました。ご検討のほどよろしくお願いします。前記の変更をするとそもそも意味のないものになってしまうのですが、節名は完結なほうが望ましいので学名を著者とともに引用するのはなくてもよいかなと思っております(もちろん本文中では必要ですが)。今のところ和名は取りましたが、著者名はそのままにしてあります。もし特段の理由がなければ消してしまっても良いと思います。
  • ちなみに脚注の引用形式が Harvcoltxt を使ったものなのですが、これは何か理由がありますか?Sfn を使った方がスマートかと思うのですが…。良質な記事選出に当たりもう一つ注文を付けるなら、今のところ種ごとの説明に関しては出典が省かれていますが、これも逐一あった方が望ましいと思います。
結局注文が多くなってしまいましたが、現在の状況でも良質な記事としては十分な品質なのではないかと思います。--Kingfiser会話2023年10月28日 (土) 11:01 (UTC)[返信]
返信 (Kingfiserさん宛) 貴重な時間を割いて頂き、誠にありがとうございます。以下、この度改善頂きました箇所や指摘された箇所に関してのコメントとなります。
  • Sylvainia 属……自薦して「文献を考えられる限り網羅し」等と豪語する前に、私は一旦Googleで Naucleeae と検索しておくべきでございました。不覚でございます。それでも驚いてはおりません。全体的に隔離分布の傾向が目立つヤマタマガサ属の中にあってさえあまりにも浮いた分布域や、これまでの研究で導き出されてきた樹形図もとい系統樹におけるどことなく不気味な位置取りから、Cephalanthus natalensis に新属が用意されるのは時間の問題と考えておりました。
  • Infoboxに属一覧を掲載……非常に助かりました。従来版では一覧性の悪さを薄々気にしており、全属を導入部か最初の方の節に列挙したかった一方、17属ともなりますと多いので左記の方法では構造が馬鹿馬鹿しいものになってしまわないかと懸念し、何も手を打ちませんでした。Infoboxの活用は全く考え付きもしませんでした。私はここ一年ほどで以前よりは何事に関しても臨機応変に対応できるようになってきたつもりではあったのですが、まだまだ頭が固かったですね。
  • 系統樹……特に Löfstrand et al. (2014) のものに関してとなりますが、この様に融通を利かせた書き方があったのかと感服致しました。私はと言いますと固定観念に陥り、属単位できっちり分ける事にばかり囚われておりました為、マルバハナダマ属 (Neonauclea) が Ludekia 属と混ぜこぜとなっていたり一部属が欠けていたりするのを見て「これは使ってはならない」と判断してしまいました。そうではなく、補足説明を添えて対応という形で誠実さを確保するアプローチは十分に有効そうであると分かり、正直胸を撫で下ろしております。
  • 用語の日本語訳…… terminal vegetative bud、adpressed、imbricate、supervolute はランダムハウス頼りのままでは限界がございましたので助かりました。今回の選考から少々逸脱しかねない余談となりますが、このうち imbricate に関してはどう考えても valvate〈敷石状〉の対立概念として用いられているとしか考えられない事例が多々見られ、「鱗」もとい「(覆)瓦」と「敷石」という日本語から一般の読者がどういう対立の仕方であるのか少々想像しにくいのではと懸念した結果、前者に「重なり合う」、後者に「重なり合わない」という一言を加えるという工夫を行っております。
  • 図版の視認性……こちらに関しても薄々気にしておりました。<hr />を使用するという手がございましたか。名案ですので、今後必要となった場合に他記事でも使用して参りたい所存です。
  • 下位分類解説の将来のあり方について……Kingfiserさんほど深くは考えてはおりませんでしたものの、属ごとに個別記事が作成された場合に簡略化を図る事のみは漠然と考えて参りました(現にヨヒンベノキ属作成後にこの様な内容削減を実施しております)。確かに、Romero et al. (2023) を除いて最新かつ体系的な論考と考えられる Löfstrand et al. (2014) でも亜連で綺麗にまとめられている状態ですので、今後各属の個別記事化が進んだ暁には仰せの通り亜連を以って括り、最低限の種のみを取り上げる形式に切り替える事を視野に入れて検討する事と致します。
  • 節名中の命名者情報……今改めて振り返りますと心底蛇足と思えました為、撤去致しました。この記事の少し前に作成したミサオノキにおける Randia caudatifolia Merr., nom. illeg.ミトラガイナ属における Hallea J.-F.Leroy, nom. illeg. の様なシノニムを節名とする際に同名の無関係な学名の存在を気にするあまり、命名者情報等を附さなければ気が済まなくなっていたのですが、今振り返りますとこうした措置自体が過敏気味ですし、今回に関してはそのような問題を抱える学名は全く存在しない為、完全に無益と再評価致しました。
  • {{Harvcoltxt}}……個人的にこちらの方が{{Sfn}}よりも使い慣れております。この件に関しましては、今後Sfnの説明書を熟読するようには致しますが、すぐに編集姿勢を切り換える事は難しいかも知れません。ご了承下さい。
  • 種ごとの説明の典拠……見栄えが悪くなる事を恐れ、「下位分類」節の最初に〈POWO (2023) が出典〉と書く General Reference 方式としてしまいました。しかしWikipedia:出典を明記する#出典の示し方では2022年以降はもうこの形式の使用はやめてくれという旨の事が記されています上、Kingfiserさんのコメントにより私の想定してきた設計は検証可能性、読者視点の見やすさどちらを取っても完全に失敗しているものと結論付け、Inline Citation方式に切り換えました。--Eryk Kij会話2023年10月28日 (土) 15:52 (UTC)[返信]
返信 (Eryk Kijさん宛) 迅速な修正お疲れさまでした。Cephalanthus glabrifolius の足し忘れや系統樹中の和名を書く位置など私もなかなかアホなミスをしておりましたね。修正ありがとうございます。ちなみにあの後、仮名転写はありますが新たに和名の出典を見つけましたので追記しておきます(まだ確認していませんが多分 Myrmeconauclea ミルメコナウクレア も塚谷裕一 (2001)『植物のこころ』にあります)。敷石状や覆瓦状の前に説明を置くという和訳はお見事だったと思います。また superobvolute という単語自体は私も初めて見たのですが、Razafimandimbison (2002) で convolute と表現されていたので convolute (supervolute) と解釈して訳しました。間違っていないことは確かですが、ここは注釈があってもいいかもしれません。系統樹に関しては、旧来考えられてきたある群が別の群に内包され、多系統状になってしまうことがままあります。Wikipedia上の系統樹の描画についてはやはり慣れた人間の方が作りやすいと思うので、他の記事等でも困った際は声をかけてもらえればと思います。--Kingfiser会話2023年10月28日 (土) 17:10 (UTC)[返信]
コメント 賛成 執筆お疲れ様でした。「下位分類」以降については(正確性については評価できませんが、近隣分野の読者が一読して)良質な記事としての基準をはるかに超えた網羅性と綿密性を備えていると思います。大半は日本国外に産する種ということで検索表などの需要(jawpにあることの意義)は正直そんなに高くはないと思うのですが、貴重な日本語文献という意味で、この分野に入ったばかりの学部生とかハイアマチュアには有用なものだと思いますし、同様の分類学記事の手本となるものとして良質な記事にふさわしいと思います。Kingfiserさんの加筆により系統関係が図示されたことで見通しもすごく良くなりました。
ただ、賛成票を投じる前に少し注文させていただきたいのは、初学者に向けた可読性です。「歴史」節も、貴重な情報のまとめになっていると思うのですが、いかんせん記述が詳細に入りすぎていて、この分野に疎い人が要旨を掴みにくい書き方になっていると思います。本当は、より専門に遠い方の意見を聞いた方がいいと思うのですが、とりあえず私の思った点をいくつか。
  • 最初の「タニワタリノキ連下に置くか否か」をとっても時期を追って述べているのはいいのですが、最初から「Naucleeae というナウクレア属(Nauclea)をタイプ属とする連の呼称自体は...」と始まると、「タイプ属」という概念がわからないとついていけなくなってしまうし、昔の人がなぜそんな枠組みを作ったのかも分からないので、多くの初心者は脱落してしまうと思います。私が読み取る限り大事なのは「ナウクレア属を中心とする、頭状花序を有する植物たちの緩やかなまとまりが昔から認識されていたが、その定義には変遷があった。しかしその後分子系統学的な方法によりその範囲が明確に定まった。」ということかなと思うので、それが分かるリード文を節の最初に置いてあげるのが親切かなと思います。あと、各研究者の定義でどの属がタニワタリノキ連に含まれるのか、表のようなものでまとめていただけるとありがたいです。
  • 「カトウ・チャカ」についての記述について、何が問題なのかがいまいち(私にも)分かりませんでした。そもそもリンネは「カトウ・チャカ」を紹介したRheede(1682)(ちなみにこれは2. ヘンドリク・アドリアーン・フォン・レーデ・トート・ドラーケステインの「マラバル植物園」のことであっていますか?補足していただけるとありがたいです)を、どのように言及しているのでしょうか?なぜ「バンカルを指していると認められるのは最初のヘルマンの図版のみ」なのでしょうか?他の図版はバンカルを指しているのではなくて別の種として言及しているなら、バンカルの学名には影響しないのではないですか?これもちょっとリード文か何かで全体の要旨を補足していただけると幸いです。
  • 「クビナガタマバナノキの学名の混乱」は言っていることは分かったのですが、「カトウ・チャカ」もそうですが、タニワタリノキ連という項目で紹介する意義があまり感じられません。種レベルでみれば有効な学名が混乱するというのは結構よくある話で、とりわけタニワタリノキ連が特徴的とは思えません。むしろここにあると、読者がここで脱落して(より大事な)下位分類の検索表やoverviewが目立たなくなってしまいませんか。各種の項目で説明すれば良いのではないでしょうか。各種の立項に手間がかかるのでとりあえずここに置いておくというのであれば反対はしませんが。
  • あと、「歴史」節とは関係ないですが、ここはjawpなので、日本との関わりをもう少し記述できるともう少しとっつきやすい記事になるかなと思いました。「分布」節に日本での分布についてより詳しく述べるとか。あるいは各種の日本国内での利用・栽培状況を述べるとか。
以上、あくまで参考程度にしていただければ幸いです。繰り返しになりますが、非専門家による意見が必要だと思いますので、賛否は保留したいと思います。どうぞよろしくお願いたします。--YockeyT会話) 2023年11月3日 (金) 01:47 (UTC) 賛成票に変更&スタイル・誤字修正--YockeyT会話2023年11月4日 (土) 02:55 (UTC)[返信]
返信 (YockeyTさん宛) ご反応頂き誠にありがとうございます。ご指摘を受けまして大幅に改稿致しました(参照: Special:Diff/97667407/97737615)。あまりこうした場所でまで自分語りをするものではないかもしれませんが、私はこうしたコメント投稿の場においてやたら長文を展開する割に要領を得ないという指摘をここかしこで頂いており、極力最初に内容の要約を置くように心がけてはおりますが、こうした普段の悪癖が記事も現れていた模様です。以下、個別具体的な論点についてのコメントとなります。
  • 需要はさほど高くないと思われる …… 私はむしろ平生より日本語圏において全くあるいはほぼ知られていない存在全般に関して全力をかけて記事を作成・加筆する事を信条としております。そして不備が指摘された場合には、多少時間をかけてでも炙り出された穴を全て塞ぐようにして参りたいと考えております。自発的に改善する事ができれば最善でございますが……。
  • タニワタリノキ連に置くか否か …… YockeyTさんの指摘の要点を全て押さえたリード文の設置を意識し、大幅に改稿致しました。「タイプ属」に関しても最初の方に「基準」という平易な言い換えの言葉を併記する事で対処致しました。そして最後に「まとめ」と題して、これまでに体系的な分類を試みた学者達による分類内訳の一覧表も設置致しました。ただ「まとめ」と申し上げつつ、あまり重要でないと思われるコステレツキーやミクェルのものに関してはここで初めて内訳(訂正: Eryk Kij会話2023年11月5日 (日) 06:04 (UTC)明らかにするという形を取ってしまっておりますが、これでもよろしいでしょうか。[返信]
  • 「カトウ・チャカ」について …… [注.こちらの話題に関しては乱文気味の長文となります。予めご了承下さい。] 長くなりますので最初の方に述べますが、この節は私の悪い意味での恣意性が発揮されており、それを軌道修正すべく、様々な対症療法的措置を取りました。具体的には、これまで「蛇足」になると考えて言及を控えてきたバンカルの(レクト)タイプ指定((lecto)typification)に関する話を、導入文の方も含めて盛り込みました。これでヘルマンの図版とバンカルのタイプとの関連性が以前と比較すれば見えやすくなったかもしれません。また Rheede (1682) に関しては {{Harvcoltxt}} と {{Wikicite}} の併用により十分関連付けができているとばかり思い込んでおりましたが、一般読者の目線を忘れてはならないと久しぶりに思い知らされました。読者全員がクリックを試みるとは必ずしも限らない為、取り敢えず本文中ではこの文献に関してのみ極力直接『マラバル植物園』と呼称する事とし、ついでに長大な著者名への言及回数もたった1度のみに削減致しました。ただ、こうした措置を経てもなお本筋が摑みにくくモヤモヤが残るとしても、それは致し方ない事であるかもしれません。それは、私自身が〈一見すると似ているバンカルとクビナガタマバナノキの相違点を知りたい、他人に知らしめたい〉という恣意性に満ち溢れている為です。バンカルの原記載文献において引用された3つの要素の検討はそもそもバンカルのタイプ指定の過程で浮上した産物であり、本来はバンカルのタイプ指定を軸として話が進められていたものであるにもかかわらず、私はバンカルとクビナガタマバナノキの比較という文脈にすり替え、肝心なタイプ指定の話を無視しようとしたのです。タイプ指定に関しては現にひと悶着はあったのですが、それは直接クビナガタマバナノキとの混同を原因とするものではなかった、という点がこの節がまとまりを欠く根本的な原因であるかもしれません。そして3つの要素の一つである『マラバル植物園』の内容はこれまでにバンカルのタイプを確定させようとする際に3名の学者達が参照して(一部差異はあれど)全員が〈これはバンカルではない〉と結論付け、結果的にこれが原因となる混同は発生してはいません。しかも『マラバル植物園』中の件の植物に関しては既に19世紀の段階で3度(Wight & Arnott 1834; Trimen 1894; Haviland 1897)もバンカルとは別種のものとの認識が散発的に示されています。これでは「何が問題なのかがいまいち(私にも)分かりませんでした」というYockeyTさんのご感想は、残念ながら至極真っ当なものであると存じます。ただ、こうした鋭い観察眼を持つ学者達によるタイプ検討がなければリンネによる記述が権威化して独り歩きし、バンカルと『マラバル植物園』中の植物(= クビナガタマバナノキ)の区別が有耶無耶にされたままになったかもしれないのです。何となくその様な意識を抱いていた故に私は一歩間違えれば分類学上の危機であったかもしれないと思い、これを「事件」と捉えました。尤も実際にこの要素を直接原因とする大きな混乱が確認されていない以上、「学名の安定性に影響を及ぼすレベルであったもの」という書き方のままではWikipedia:大言壮語をしないや、より致命的なWikipedia:独自研究は載せないに抵触しかねません為、「学名の安定性に影響を及ぼした、あるいは学名を安定させるための根拠(タイプ)を指定する場合に俎上に上がったもの」という事実を強く意識した記述に差し替えました。前者がクビナガタマバナノキ、後者がバンカルを意識したものとなっております。ご指摘を受ける前の段階でこの節だけまとまりを欠くという意識は薄々抱いており、故に一度自発的な改善も試みてはいたのですが、焼け石に水でしたね。一見すると似た者同士が集まるこのタニワタリノキ連という括りにより、同一の文献中に掲載された種の同定を様々な植物学者達が(時には生育地で話される現地語名すらも手掛かりに)試みる風景が個人的に大変魅力的に映り、こうした風景を綺麗に切り取ろうとしたつもりでございました。しかし今後も軸がタイプ指定の話なのか2種の類似性の話なのか軸が読み取り辛い、特筆性(取り上げる意義)が薄い、恣意性により科学が歪められている、その他の悪評が積み重なるようでしたら、不本意ではございますが該当節を丸ごと除去する事も視野に入れております。
  • 「種の混同例」をこの記事で紹介する意義 …… 特にクビナガタマバナノキの方に関しましては個別記事を作成してそちらで紹介する案も確かに一度検討は致しましたが、これが同一連内の複数属を跨ぐ事件であり、表を用意して形態比較を展開する以上、タニワタリノキ連の記事で扱った方が都合が良いと考えた次第です。将来クビナガタマバナノキの個別記事(植物学以外の話題としてはインドの神話や文化に関する言及が多くなる見通しです)を作成した場合には、本記事の「クビナガタマバナノキの学名の混乱」節に誘導するための簡潔な記述を入れようと構想しております。もっとも、言及順に改善の余地があるという意識は薄々抱いておりました。これも「歴史」の範疇に入る要素だから、と惰性で分類史の直後に置いたままにしておりましたが、今回のご指摘を受け、真っ先に後回しにする事と致しました。ありがとうございます。
  • 日本との関わりについての記述を増やしてはいかがか …… こちらの要素につきましては当初よりWikipedia:日本中心にならないようにを強く意識し、意図的に言及を抑える方針でおります。タニワタリノキ属以下の分類群(タニワタリノキおよびヘツカニガキ)、カギカズラ属以下の分類群(カギカズラ)は既に記事が存在しており、日本に関する記述はそちらで詳しく行う方が適切であるという認識でございます。それでも一切言及無しでは余りにも読者側がとっつきにくいであろうと考えて精一杯妥協した結果が、記事冒頭の「この連のうち日本産の植物が含まれる属は木本からなるタニワタリノキ属(Adina)とつる植物(藤本)からなるカギカズラ属(Uncaria)である。」の記述でございます(ただし「藤本」の併記はKingfiserさんによるものです)。--Eryk Kij会話2023年11月3日 (金) 14:28 (UTC)[返信]
返信 丁寧なご対応ありがとうございます。Eryk Kijさんの執筆に関する信条について、理解し共感いたしました。日本についての記述について、および「種の混同例」をこの記事で紹介する意義については、明確な意図があってのことと分かりましたので、これ以上特に私から口を挟むことはありません。また「所属する属の変遷」について、最初に導入文を追加していただいたこと、最後にまとめの表を入れていただいたことで見通しが大分良くなりました。「分類学における種の混同例」を後ろに回したのも、読者には親切な構造になったかと思います。「カトウ・チャカ」については、後世の学者がバンカルのタイプを指定しようとなった時に、リンネの記載まで立ち戻った際に、その実体が何なのかが副次的に問題になったということですね、理解しました。クビナガタマバナノキの事例も合わせ、まだ整理の余地はあるようには思いますが、分類学的な検討の歴史に魅力を感じるというのは私も共感するところですので、これから先の査読者から特に問題が提示されなければこのままで良いのではないかと思います。懸念点の多くが解消されましたので、賛成票に変更させていただきます。--YockeyT会話2023年11月4日 (土) 02:55 (UTC)[返信]
賛成 背景知識をもたない読者のコメントとして、以下お読みください。
1. 一般読者が知らないであろう、専門用語が多いです。記事をお書きになった方やここまでの査読コメントをつけられた方々は当然の知識なのだとは思いますが、少なくとも下記の用語、私は初めて見ました。
木本
藤本
腋生
栄養成長性
托葉
これらは、極力リンクないしは注釈がないと一般読者が記事を理解するのは困難になると存じます。私は過剰なくらいにある方が好みです。読者が、最初から記事を読むとは限らないからです。ちなみに、読者が記事を理解するにはそこに書かれてあることの8割を既に知識として持っていないと理解が困難である、と何かの本で読んだように思います(確か、知的生産の技術)。
2. 曖昧さ回避項目へのリンクがいくつか残っています。
標本
分岐図
子房
インドシナ
ニューギニア
言葉の多様性を知ってもらうためにあえて曖昧さ回避のままにしておくというテもありますが、どうもそうでは無さそうです。例えば、ニューギニアをどの範囲ととるかで分布範囲が変わってきます。ちなみにウィキペディアの個人設定→ガジェットから曖昧さ回避ページのリンク色を変更できて便利です。
3. ある程度背景知識のある専門読者を想定しているなら、不要ですが、一般読者に読まれることを想定されているなら、大きめの概要節を極力専門用語を排して設けるのがベターかと思います。本文のボリュームが大きいので、ある程度導入部にも文字数を費やさないと一般読者に興味を持続させて記事を読んでもらうのが難しいかなと(WP:MOSINTRO)。現状、背景知識を持たない私はWindowsPCのEdgeの2画面分割機能で、左に記事、右にリンク先を参照して記事を理解しつつ読めます。ただ、多くの読者はスマホやタブレットで単画面でしょうから、背景知識を持たないライトユーザーが本記事を読むには「気合い」が要るでしょう。まぁ、私も専門性の高い記事を書くことが多いのですが、この「専門用語を廃して大きめの概要節を書く」のは苦手なんですが。
4. 以上のコメントは良質な記事の基準とはほぼ関係の無い「感想」であり、基準そのものは優に凌駕していると思われるので賛成票を投じます。--Anesth Earth会話2023年11月4日 (土) 16:57 (UTC)[返信]
返信 (Anesth Earthさん宛) 賛成票ならびに改善提案ありがとうございます。ご提案を踏まえ、極力改善するように努めました(参照: Special:Diff/97737615/97759760)。以下、個別要素についての詳細となります。
  • 木本 …… 冒頭部のものを「木本高木および低木)」とし、他の箇所に関しても大きな節ごとに初出となるタイミングを目安にリンク化致しました。
  • 藤本 …… 冒頭部につる植物と併記されている状態であります為、これ以上の措置は積極的には検討しておりません。ご了承下さい。私も見かける頻度は少ないのですが、liana という概念を上述の木本との統一感を出すために編み出された呼称であると捉えております。
  • 腋生 …… 場所によっては「側生」と併記し、その側生に関してはその特徴を有するタイプ標本3点(Breonia taylorianaGyrostipula foveolataJanotia macrostipula)を掲載する事により視覚化を図って参りました。更なる措置となりますと考えられますのは頂生との対比を注釈で説明する事ぐらいになりそうです。
  • 栄養成長性 …… 説明のために注釈を新設致しました。Kingfiserさんにより大幅にご助力頂くまでそもそも訳し間違えていた箇所であり、つまり私はこの概念の把握すらできていなかったという事が既に露呈してしまっているので、何としても取り返したいと思えました。
  • 托葉 …… お恥ずかしながら個別項目がまだ存在しない事すら把握しておりませんでした。取り敢えず大きな節で初出となるタイミングごとにリンク化する応急措置のみ行いました。
  • 標本 …… 表示はそのままに、押し葉標本をリンク先に設定致しました。
  • 分岐図 …… こちらも表示はそのままに、クラドグラムをリンク先と致しました。
  • 子房 …… 直ちに対処できそうにございません為、変更は保留と致しました。托葉の件に関してもそうですが、これらの概念に関して個別記事を急遽作るとしても、私では1~2冊用語集を参照しての非常に簡素なものになってしまいそうですが、それでもよろしいでしょうか。
  • インドシナ …… 表示はそのままに、取り敢えずインドシナ半島をリンク先に設定致しました。ただ、これでベトナムの島嶼部(例: コンソン島)が排除されてしまわないか若干懸念は生じてしまいますが……。
  • ニューギニア …… こちらに関しましては変更を保留と致します。基本的にはニューギニア島全体の事を指すのですが、これをやってしまうとインドシナ以上に数ある周辺の島嶼部(例: トロブリアンド諸島)が排除されてしまわないかという強い懸念がございます。
  • WP:MOSINTRO …… これまでの活動で日本で馴染みのない事物や概念を紹介する上で、記事冒頭にだけは本文の要約を記す事を意識して参りましたが、YockeyTさんから頂いた分類史や「カトウ・チャカ」に対するご指摘の件も併せまして、要所要所で読者への配慮が足りていなかった事が浮き彫りとなりましたね。可能であれば専門用語を避けた説明を先に提供した方が望ましい、と。現状では一部の用語に対して、より平易な類義語を併記するという形を取っております(「一般的でない用語が必須であれば、文脈中に登場させて結びつけ、手短に定義します。」)が、確かにいきなり専門用語で読者に殴り掛からないのが理想ですね。私の場合記事Aを読んでいて分からない概念Bが登場した際はPC・スマートフォン問わず、
  1. 新しいタブでBの記事を開く(どんどんタブ数が増えて行きます)
  2. そのままBの記事に進み、概念を把握した(つもりになった)らAの記事にブラウザバックする
のいずれかとなりますね。いずれに致しましても、広く万人向けの設計とする事は意識はできていても、こうしてフィードバックを頂くと理想の状態には届いていないのでは、と思える事が多々ございますね。私の編集姿勢は全般的に内容の充実優先で、読み手に対する配慮は気づけば二の次となっているという傾向が、こうした査読や選考の場において炙り出され、自身の編集姿勢を再考する上で非常に励みとなります。改めましてありがとうございます。--Eryk Kij会話2023年11月5日 (日) 06:04 (UTC)[返信]
返信 早速のお返事ありがとうございます。あくまでも「感想」です。いずれも本記事で完結しきれない、即応が困難なことは重々分かります。曖昧さ回避ページ関連は、他分野との調整が必要になることが多いですし、基本概念のタームに至っては個別記事を書くより深い理解が求められますし。他言語版が貧弱な中で、よくぞここまで書かれたものと思います。お時間をかけて進めてください。--Anesth Earth会話2023年11月5日 (日) 07:56 (UTC)[返信]

賛成票のみ3票以上の状態が48時間継続したため、早期終了・通過となります。--Alicia jawiki会話2023年11月7日 (火) 14:36 (UTC)[返信]