V (2009年のテレビドラマ)

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V
ジャンル SF
原案 ケネス・ジョンソン
企画 スコット・ピータース
出演者
作曲 マルコ・ベルトラミ
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
シーズン数 2
話数 22(各話リスト)
各話の長さ 42分
製作
製作総指揮
撮影地 ブリティッシュコロンビア州バンクーバー
製作 ザ・スコット・ピーターズ・カンパニー
HDフィルムズ
ワーナー・ブラザース・テレビジョン
放送
放送チャンネルABC
放送期間2009年11月3日 (2009-11-03) - 2011年3月15日 (2011-3-15)
公式ウェブサイト
番組年表
関連番組
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V』(ビジター、原題: V)は、アメリカ合衆国のSFテレビドラマである。ABCにより2009年11月3日から2011年3月15日まで、全2シーズンが放送された[1][2]ケネス・ジョンソンによる1983年の同名のミニシリーズリ・イマジニングしたこの新シリーズでは、地球に到着し、表面上は友好的な態度を装いつつ裏ではある企みを抱いているエイリアンが描かれる[3]。出演はモリーナ・バッカリンローデス・ベネディクトモリス・チェストナットジョエル・グレッチローガン・ハフマンチャールズ・メジャーエリザベス・ミッチェルローラ・ヴァンダーヴォートスコット・ウルフ、製作総指揮はスコット・ローゼンバウムイヴ・シモノースコット・ピータースジェイス・ホールである[4]。製作会社はザ・スコット・ピーターズ・カンパニー、HDフィルムズ、ワーナー・ブラザース・テレビジョンである。

あらすじ[編集]

世界29都市の上空に巨大な宇宙船が出現し、そして地球外生命「ビジター」の美しくカリスマ性のあるリーダーのアナ(モリーナ・バッカリン)は平和的交流を提案した。ビジターたちは地球のわずかな資源を必要とするだけであると主張し、それと引き換えに彼らの高度な技術や医学知識の共有を提案した。やがて一部の人間たちは表面上友好を装うビジターたちを疑い始め、そしてFBIテロ対策エージェントのエリカ・エバンス(エリザベス・ミッチェル)は、異星人が人間に化けているだけで実際には爬虫類型の生物であり、数十年にわたって地球の政府、経済、宗教に侵入しており、現在すでに地球占領計画の最終段階にあることを知る。エリカは元ビジターの潜伏スパイでありながらも人類側に寝返ったライアン(モリス・チェストナット)らが所属するレジスタンス「第五部隊」に参加する。しかしながら彼らのレジスタンス活動は、ビジターがさまざまな病気を治して地球の人々から支持を得ているために難航し、そして皮肉にもエリカの息子のタイラー(ローガン・ハフマン)を含むビジター支持派の若者たちこそが最大の障害となるのだった[2]

しかし、一方でアナの娘リサがタイラーと親密になってエリカへ、そして「第五部隊」へと接近。ビジター側でも親子の対立が始まろうとしていた。

キャストと登場人物[編集]

主要キャスト[編集]

エリカ・エバンス
演 - エリザベス・ミッチェル藤本喜久子
FBI捜査官。シングルマザー。ジャックと共に戦う。
アナ
演 -モリーナ・バッカリン松谷彼哉
ビジターのリーダー。
ジャック・ランドリー
演 -ジョエル・グレッチ木下浩之
カトリックの神父。エリカと行動を共にする。
ライアン・ニコルズ
演 - モリス・チェストナット髙階俊嗣
レジスタンス。
タイラー・エバンズ
演 -ローガン・ハフマン鈴木裕斗
エリカの息子。母と違ってビジターに好意的。
リサ
演 - ローラ・ヴァンダーヴォート小橋知子
ビジターでタイラーの恋人。実はアナの娘。
チャド・デッカー
演 -スコット・ウルフ小川輝晃
ニュースキャスター。アナに接触を図るうちに彼女に利用されていく。
バレリー・スティーブンズ(第1シーズン)
演 -ローデス・ベネディクト中司ゆう花
ライアンの婚約者。
カイル・ホッブス (第1シーズンゲスト、第2シーズンレギュラー[5]
演 - チャールズ・メジャー丸山壮史

準キャスト[編集]

ジョージー・サットン
演 -デヴィッド・リッチモンド=ペック咲野俊介
ライアンの友人
マーカス
演 - クリストファー・シャイアー
ジョシュア
演 - マーク・ヒルドレス
アナの側近の一人だが、反乱軍「第5部隊」のメンバーという裏の顔を持つ。第1シーズン最終話で正体が明るみに出て死亡するが、第2シーズンでは蘇生させられる。
ポール・ケンドリック
演 - ローク・クリッチロウ
デイル・マドック
演 - アラン・テュディック
サリタ・マリク
演 - レカ・シャーマ志田有彩
トラヴィス神父
演 - スコット・ハイランズ
ダイアナ
演 - ジェーン・バドラー
第2シーズンより登場するアナの母親にして先代の女王。1983年版の同名キャラクターと同じ役者が演じているが、その役どころは大きく異なる。女王の立場にありながらVにとっては禁忌とも言える感情を持つようになり、アナによって長い間監禁されていた。地球征服には人類が持つ感情や魂をどうにかする必要があると考えたアナが、その性質を知るためたびたび訪れるようになる。

製作[編集]

2009年5月にスコット・ピータースジェイス・ホール、スティーヴ・パールマン、ジェフリー・ベルの製作総指揮で発表された[6]。2009年8月10日にパイロット版後のエピソードの撮影が始まった[7]。2009年9月、同年11月に4話が放送され、残りエピソードは2010年の冬季オリンピック後の2010年3月からになると発表された[8]。残り8話の製作は2010年1月に始まった[9]

2010年5月13日、ABCは第2シーズンの製作を発表した[10]。第2シーズンは2011年1月4日に開始されたが、全13話の予定が10話まで短縮された[11]

2011年5月13日、ABCは『V』の打ち切りを発表した[12]

評価[編集]

批評家の反応と解釈[編集]

第1シーズンはMetacriticで100点満点中67点を獲得した[13]E! Onlineでは10点満点で11点とされ、「われわれがこれまで見た中で最も優れたパイロット」と書かれた[14]。『USAトゥデイ』のロバート・ビアンコは彼のトップテン番組リストに『V』を入れ、リメイクは格好が良くそして「すぐにそれ自身のアイデンティティを確立する」と述べた[15]キング・フィーチャーズのエンターテインメントレポーターのCindy Elavskyは、「『V』は新しいテレビ番組では断然素晴らしい。特殊効果は映画、脚本は知的、そして演技は非常に良い。最初の5分だけであなたはシーズン全部を見たくなるだろう。」と述べた[16]

第2シーズンはMetacriticで100点満点中49点を獲得した[17]

リ・イマジニングされたシリーズはバラク・オバマの大統領職のアレゴリーであると複数の評論家が解釈している[18][19][20]

視聴率[編集]

アメリカ合衆国での第1シーズンの視聴者数推移。

2009年11月3日に放送されたパイロット・エピソード「来訪者」は1430万人の視聴者を獲得し、18-49歳の視聴率は5.2を記録し、2009年10月期としては最高となった[21]。第1シーズンの最初の4話は平均視聴者数975万人と18-49歳の平均視聴率3.4を記録し、テレビシーズンで34位となった。第1シーズンの残りは2010年3月に放送が開始され、そしてシーズン後半の終わりまでには、平均視聴者数572万人、18-49歳の平均視聴率2.3、ランキング89位まで落ち込んだ[22]

第2シーズンは平均視聴者数693万人、18-49歳の平均視聴率2.5を記録し[23]、2010年11月期としては75位となった[24]

受賞とノミネート[編集]

部門 対象者 結果
クリエイティブ・アーツ・エミー賞 2010年[25] 視覚効果賞(シリーズ部門) 第1話「来訪者英語版 ノミネート
サターン賞 2010年[26] テレビプレゼンテーション賞 ノミネート
助演女優賞 モリーナ・バッカリン ノミネート
2011年[27] ネットワーク・テレビシリーズ賞 ノミネート
主演女優賞 エリザベス・ミッチェル ノミネート
助演女優賞 モリーナ・バッカリン ノミネート
ピープルズ・チョイス・アワード 2009年[28] 新テレビドラマ賞 ノミネート

DVD及びBlu-rayリリース[編集]

シーズン 発売日
リージョン1
(アメリカ合衆国の旗/カナダの旗)
リージョン2
(イギリスの旗/南アフリカ共和国の旗/欧州連合の旗)
リージョン4
(オーストラリアの旗)
リージョン4
(ニュージーランドの旗)
リージョン4
(アルゼンチンの旗/メキシコの旗/ブラジルの旗)
1 2010年11月2日[29] 2010年11月8日[30] 2010年11月10日[31] 2010年11月17日[32] 2010年12月9日[33]
2 2011年10月18日[34] 2011年10月24日[35] 2011年10月26日[36] N/A N/A

出典[編集]

  1. ^ Rice, Lynette (2009年7月25日). V: ABC's alien series invades Comic-Con—but does it come in peace?”. エンターテインメント・ウィークリー. http://popwatch.ew.com/2009/07/26/v-comiccon/ 2009年7月27日閲覧。 
  2. ^ a b Sullivan, Brian Ford (2009年8月8日). “ABC Books V for November 3”. The Futon Critic. 2009年8月8日閲覧。
  3. ^ Garron, Barry (2009年10月30日). “V – TV Review”. ハリウッド・リポーター. 2010年12月26日閲覧。
  4. ^ Abrams, Natalie (2009年11月3日). V Switches Showrunner”. TVGuide.com. http://www.tvguide.com/News/V-Switches-Showrunner-1011532.aspx 2009年11月5日閲覧。 
  5. ^ "Charles Mesure Joins Cast of ABC's "V" for Season Two" (Press release). ABC Television Network. 29 July 2010. 2010年7月31日閲覧
  6. ^ "ABC Unveils 2009–10 Primetime Schedule" (Press release). ABC. 19 May 2009. 2009年5月19日閲覧
  7. ^ Lee, Patrick (2009年8月11日). “V producer on who might return and other homages”. SciFiWire.com. 2009年10月22日閲覧。
  8. ^ Abrams, Natalie (2009年9月25日). “ABC's V to Take a Break”. TVGuide.com. 2009年10月20日閲覧。
  9. ^ “Flashforward and V to Return in March 2010”. ABC Medianet. http://www.abcmedianet.com/web/dnr/dispDNR.aspx?id=120409_01 
  10. ^ Hibberd, James (2010年5月13日). “Fan favs 'Chuck' and 'V' to return next season”. The Live Feed. 2011年8月5日閲覧。
  11. ^ "Season Two of "V" Will Premiere January 4, 2011, on ABC" (Press release). ABC. 2010年10月15日閲覧
  12. ^ マイケル・オーシエロ (2011年5月13日). “Breaking: ABC Cancels Brothers & Sisters, V, Mr. Sunshine, Four Others”. TV Line. 2011年5月13日閲覧。
  13. ^ V: Series reviews”. Metacritic.com. 2009年11月5日閲覧。
  14. ^ Team WWK (2009年7月6日). “Spoiler Chat: Who's taking a break from Grey's Anatomy?”. E! Online. 2009年7月23日閲覧。
  15. ^ Bianco, Robert (2009年9月4日). “Robert Bianco's top 10 new fall shows: Laughs, chills, music”. USA Today. http://www.usatoday.com/life/television/reviews/2009-09-03-fall-tv-guide-top-10_N.htm?csp=34 2009年9月4日閲覧。 
  16. ^ Elavsky, Cindy (2009年10月15日). “The New V Is Must-Watch TV!”. Celebrity Extra. 2009年10月15日閲覧。
  17. ^ V: Season 2”. Metacritic. 2011年1月6日閲覧。
  18. ^ Troy Patterson (2009年11月3日). “Guess Who's Coming To Eat Us for Dinner. The classic '80s series V gets a post-9/11 update.”. Slate. 2009年11月17日閲覧。
  19. ^ Lisa de Moraes (2009年8月10日). “ABC Executives Sound Coy About New TV Series's Political Edge”. The Washington Post. http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/08/09/AR2009080901970.html 2009年11月17日閲覧。 
  20. ^ Garvin, Glenn. V aims at Obamamania”. Chicago Tribune. http://www.chicagotribune.com/entertainment/chi-tc-tvcolumn-v-1102-1103nov03,0,7062976.story 2009年11月17日閲覧。 
  21. ^ Hibberd, James (2010-11-10 (updated)). “Leapin' lizards! ABC's 'V' premiere lands big ratings”. Hollywood Reporter. 2011年6月26日閲覧。
  22. ^ Gorman, Bill (2010年6月16日). “Final 2009-10 Broadcast Primetime Show Average Viewership”. TV by the Numbers. 2010年9月2日閲覧。
  23. ^ Gorman, Bill (2011年6月1日). “2010-11 Season Broadcast Primetime Show 18-49 Ratings Averages”. TV by the Numbers. 2011年6月1日閲覧。
  24. ^ Gorman, Bill (2011年6月1日). “2010-11 Season Broadcast Primetime Show Viewership Averages”. TV by the Numbers. 2011年6月1日閲覧。
  25. ^ 2010 Emmy Nominations: Outstanding Special Visual Effects For A Series”. Emmys.com. 2010年10月28日閲覧。
  26. ^ In Full: Saturn TV Awards 2010 - Winners”. Digital Spy (2010年6月25日). 2010年10月28日閲覧。
  27. ^ Nordyke, Kimberly (2011年2月24日). “'Inception,' 'Walking Dead' Top Saturn Awards Nominations”. The Hollywood Reporter. 2011年2月24日閲覧。
  28. ^ People's Choice Awards Nominees & Winners:2010”. PeoplesChoice.com. 2010年10月28日閲覧。
  29. ^ V - 'The Complete 1st Season' Formally Announced for DVD and Blu: Extras, Finalized Date, More!”. TVShowsOnDVD.com (2010年7月27日). 2010年7月27日閲覧。
  30. ^ V – Season One”. Amazon.co.uk. 2010年5月27日閲覧。
  31. ^ V (2009) - The Complete 1st Season”. EzyDVD.com.au. 2010年6月5日閲覧。
  32. ^ V - Series 1 (3 Disc Set)”. Mighty Ape NZ. 2010年11月29日閲覧。
  33. ^ Listão de lançamentos para dezembro!”. bjc.uol.com.br. 2010年12月15日閲覧。
  34. ^ Lambert, David (2011年7月13日). “V - The Complete 2nd Season on DVD and Blu-ray: Date, Cost, Extras, Specs and Packaging”. TVShowsOnDVD. 2011年7月13日閲覧。
  35. ^ V – Season 2”. Amazon.co.uk. 2011年6月12日閲覧。
  36. ^ V (2009) - The Complete 2nd Season (3 Disc Set)”. EzyDVD. 2011年5月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]